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隕石と共に異世界へ  作者: 神結衣
隕石と共に異世界へ 第1章
12/15

銀髪美少女ステラ登場

話が長くなりそうだったので、書き終わっていた部分を少し切って投稿します

 ガタガタと小刻みな音を出しながら、一台の馬車が走っている。その馬車を二頭の馬(?)が引いていた。


 馬(?)と言ったのは、馬のように見えるが、二頭の頭にはそれぞれ角が生えており、一頭は一本、もう一頭は二本も生えているからだ。


 これだけならファンタジーならありきたりなユニコーンを想起させるだろうが、手綱を引いている馭者に聞いてみると、ユニコーンとは違うらしい。それどころか「ユニコーン?何だいそれは」と言われてしまった。残念なことに、この世界にユニコーンは存在しないらしい。


 話を戻すが、現在その馬車の中に、青葉と朱璃は乗り込んでいた。

 青葉の左隣には朱璃が座り、やっとありつけた食事の真っ最中だ。とはいっても、食べているのは日持ちする果物や、干物だが、よほどお腹が減っていたのだろう。小さい口で、もそもそと食べる姿はとても愛らしい、青葉もお腹は減っていたが、この場は我慢することにした。


「ちょっと、せっかく同じ馬車の中にいるのに、その子ばかり見ないで、少しはこっちも向きなさいよ。顔が緩みまくってて、傍から見ていて気持ち悪かったわ。」と言ってくるのは、青葉達の対面に座っている少女である。


「全く。私と同じ空間にいられるだけでも一応名誉なことなのよ?この馬車だって、王族が使う専用の馬車なんだから。乗せてあげている事をもっと、感謝すべきだわ。」


「乗せてあげてるって……俺たちに乗る以外の選択肢はなかったように思えるのだが……」


「あら?そうだったかしら?」


「そうだよ…」


 そう言いつつ、青葉はこの馬車に乗り込んだまでの経緯を思い返した。






 ーーー


 突然ヴァンを蹴り飛ばしながら現れた少女に、場の空気が凍りついた


「姫様!何でこんな所まで、来られてるんですか!?いくら貴女が強いからといって、万が一の事があればどうするんですか!?」


少しして、現実に戻ってきた騎士団の1人が悲鳴を挙げるように叫ぶ。


「姫様……?」


今、騎士団の人が彼女を姫様と呼んだ。どこぞのお嬢様かと思っていた青葉は、まさか王族…?と疑問を抱く


騎士の言葉に、髪をかきあげながら彼女は声の主である騎士へと振り向き、言った


「私は謝らないわ。貴方達も、私の性格はわかっていたわよね?外の馬車の中で待っているだけ、なんて耐えれないわよ。それに、万が一の事なんて有り得ないわ。私の場合は特にね」


その言葉に、騎士団の人は口をパクパクさせながらも、反論する言葉は口から出なかった。青葉は内心で「騎士も大変だな〜」と人事のように思っていたのだが、「そんな事より」と、彼女が改めてこちらに振り向く。


「ふ〜ん……なる程ね〜……」


彼女は値踏みをする様に目を細め、貴方達を見てくる。あまりいい気はしない。


「何だよ……」


「うん。大体わかった。この話は後でじっくりするとして……まずは自己紹介でもしましょうか」


「勝手に話を……まあいいや……取り敢えず、俺から名乗…「私の名前はステラ。ステラ=F≪ファト≫=アルジェントよ。ステラでいいわ。」……俺は…「私……朱璃……よろしく。」……烏丸…青葉だ…」


青葉は、まず彼女…ステラに邪魔をされ、次に朱璃にまで言葉をかぶせられたので、多少意気消沈しつつも、なんとか名乗った。


「あっ、ごめんなさい。聞こえなかったわ。もう一度お願い。」


「…俺は烏丸 青葉だ!!てか、聞こえてたろ!」


「えぇ、聞こえていたわ、青葉くん?貴方はなかなか弄りがいのある人ね」


ステラはあっけらかんとそう言った。


この女…性格悪ぃ……。青葉はこの時点で、ステラの事が苦手になったのだった。


と、そのとき「隊長の意識が戻ったぞ!」と言う声が聞こえた。ヴァンが目を覚ましたようだ。


「ちょうど良かったわ。あのバカも目を覚ましたし、此処で立ち話もなんだし、私の馬車まで来なさい?」


「…ちなみに、拒否権は?」


すると彼女は、スッと一息に青葉の目の前まで移動し、顔を寄せてくる。


彼女が急に、近づいてきた事に青葉は驚き、同時にふわっと香るいい匂いと、近くで初めて見た彼女の綺麗な顔立ちに、胸が熱くなったが、「勿論有るけど、来た方が貴方達にとって得になると思うわよ?それに、此処から何処に行くのかも決まっていないのでしょ?ねぇ、異世界からの転生者さん?」と、小声で言い放たれ、熱は急に冷えていった


「なっ!?」


思わぬ言葉に、青葉の体は彼女から離れるように仰け反った。その様子を騎士団は怪訝な様子で見ていたが、「姫様、彼等の処遇は以下が致すのですか?」という言葉に、「この子達、私の古い友人だった事を、思い出したわ。私の馬車に乗せて、連れて帰ります」と、返した。


初対面なのに、古い友人というなど、デタラメもいい所である。



そんなこんなで、青葉と朱璃は馬車まで連行されて行った。思い返してみても、拒否権は無かったように思う。







ステラ=星=stella


fatum=ファートュム=運命=ラテン語


アルジェント=銀=イタリア語


組み合わせて、


ステラ=F=アルジェント にしました。

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