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隕石と共に異世界へ  作者: 神結衣
隕石と共に異世界へ 第1章
10/15

名ずけと始動と色々と

タイトルだけ変えるかも知れません。


近々あらすじは編集しようかと思っています

「この服……ダメ…?」

彼女が純粋な目で聞いてくる。ダメな訳では無いし、むしろかなり似合っていた。

夏服のように半袖で、スカートから襟まで全身が白く、本来リボンを付けるであろう胸元には、赤いブローチが輝いている。

をぶっちゃけお持ち帰りを考えるほどに可愛らしかった。


「青葉の世界の女の子はみんなこの格好をしている……ってリンから教わった。私、服を着たことが無かったし、これしか知らない。」


「…分かった。当分の間はその服で行こう。街や村があったら服でも買えば…………!?」


そして今更になってだが、重大な事に気が付いた。


「俺、この世界の金なんて持ってないぞ!?ていうか、通貨の知識も無いし、どうやって暮らしてけばいいんだよ!?」


その時、不意に服の袖が引っ張られた。


「…大丈夫。ブローチにこの世界の一般常識も大体教えて貰った。」


「あ…そ…そう……(俺、彼女がいなかったら本格的に色々とヤバかったんじゃね?)」


当初、彼女が異世界に来る予定など無かった。

リンがわざとなのか、忘れていたのかは分からないが、青葉にこの世界の一般常識など伝えてはおらず、青葉しかいなかったら、この先どうなっていたか分からない。改めて、彼女には感謝しか無かった。


「そういえば、そろそろ君の名前を考えないとな。」


随分と後回しになってしまったが、いつまでも『彼女』という呼び方では可哀想である。

しかし、自分の決めた名前が彼女の、一生呼ばれるようになる名になると思うと、慎重に考えざるを得なかった。


青葉は地面に胡座をかいて、考えていたが、暫くして、彼女の名前を思いついた。


朱璃シュリ……シュリって名前でどう?」


「シュリ……」


「そう。漢字にしたら、こう書くんだけど……」


といい、落ちていた木の枝を使い、地面に『朱璃』と書いた


「君のブローチに嵌っている赤い宝石…君の元々の体であるそれをイメージしてみた。まぁ、赤色と朱色は少し違うけど、『朱』の方が君の名前としては、似合ってるかと思って。

あと、『璃』って言うのは、主に『美しい宝石』を意味する言葉だ。」


「朱璃……シュリ!私の名前……!」


どうやら気に入ってくれたようだ。なんども「シュリ」と繰り返し口にして、顔を綻ばしている。彼女がもう少し感情表現が豊かだったならば、踊りだしていたかも知れない。


朱璃が喜ぶ様子を見て、青葉も嬉しかったが、不意に「ぐぅ〜…」という音が聞こえた。音の発信源は朱璃であり、彼女のお腹の音だった


「もしかしてお腹が空いてる?」


「わからない…お腹の中がキューってなって、何だかちょっと力が抜けそうになる。……これがお腹が空くって事?」


朱璃にとって、人間としての空腹はこれが初めてだ。無論、リンから知識として知ってはいるが、感覚的には理解出来なかったのである。


「間違い無くお腹が空いてるね。何か食べれる物が周りにあればいいんだけど……」


周りを見渡すも、特に食べられそうな木の実や、キノコなどは生えておらず、湖に魚はいるかもしれないが、捕まえる手段がない。完全に手詰まりだった。


「青葉、さっき水の中を泳いでたら、いっぱい魚いた。捕まえる?」


「捕まえる為の道具がないと……というか、朱璃が現れた時に、湖から上がって来たようだったけど、泳いでたんだ…」


「ん…青葉が溺れてたのを助けた後、なかなか目を覚まさなかったから、泳いで待ってる事にした。」


それから朱璃は、水の中で泳ぐに至ったまでの経緯を、青葉に伝えようと、ぎこち無い言葉で話し出した。その朱璃の言葉を要約すると、以下の通りになる。


『まず、宇宙には水も空気もない。当然生物などおらず、当時は鉱石だっために、感覚なども無かったが、リンに体を造ってもらって以来、皮膚を撫でる風や揺れる草木の弟が新鮮だった。特に湖の中は、冷たい水が心地よく、泳いでいる魚は、この世界で青葉を除き、初めて見た生物だった為、とても興味深かった。ずっと観察しておきたかったが、ふと、青葉のことを思い出し、水から出たら、青葉が起きていた。』という事らしい。


「水の中…楽しかった。初めてがいっぱい…」


話し終わった朱璃は、沢山の初めてに触れた感動を思い出しているようで、何処かフワフワとした雰囲気になっていた。…が、しかし


「くぅ〜」


今度は先程よりも少し可愛らしい音が朱璃のお腹から鳴った。


「……朱璃?」


「……楽しくても……お腹は膨れない……」


朱璃、少し涙目である。余程お腹が空いているようだ。

青葉、朱璃の様子をみて、内心「可愛いぃぃぃぃぃぃぃ!!」と思ったが、顔には出さず、『食べ物をどうするか』について考える事にした。


「……やっぱり森から出なきゃ駄目だよな…

朱璃は、この辺りの地理とかまでは分からないよな?」


駄目元で聞いてみた


「地理とかはわからない。けど……」


といい、森に向かって指を指した。


「青葉がここまで吹飛ばされて来たときに、最初の落下地点からここまでの道が出来てた。」


「そういえば、色んなもんを巻き込みながら、吹き飛んでいた記憶があるな……目的地も無いし、取り敢えずはその道まで戻ってみるか。もしかしたら森の外の近くまで続いてるかもしれないし」


朱璃もその意見には賛成し、やっとの事で動き始めたのだった


次回は……早ければ明日です

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