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少しの希望

今日はアイドルの仕事は休み。


・・・でも、嬉しくない。


昨日、友美ゆみさんに事実を聞いたからだ。


・・・本当にまだ信じられないよ・・・。


聖二せいじ君は優しいし、私をかばってくれる愛しい人。

拓斗たくと君は口は悪いけど、心は優しい人・・・。


なのに・・・。


どうして・・・。




♪〜ピロピロピロ


私の携帯が呼んでいる。


メールだ・・・。

誰だろ・・・。


私はおそるおそる受信BOXを開く。



From:拓斗君



拓斗たくと君からだ・・・。

見たくないけどなぁ〜。



『今日暇か?』



・・・え。

なんで?!



『暇・・・だけど??』



私がメールを送った瞬間、



♪〜プルプルプル



今度は電話が鳴った。


・・・誰?!

メールの次は電話?!

意味わかんない誰・・・?


私はおそるおそる電話に出た。


「・・・もしもし?」

「おー」


え?!

拓斗たくと君??!!


「え・・・。どうしたの?」

「今からデートしねぇか??」

「デ、デデデデート?!」

「おー」


デート?なんで?!

あの拓斗たくと君が?!

私・・・夢見てんのかな・・・?


「ちょっとかわって!」


後のほうで聖二せいじ君の声がする。


「もしもし?」

「も・・・もしもし」

「ゴメンね。急に」

「べ、別に・・・」

愛理あいりちゃんいつも歌ってたから息抜きでもしてもらおうと思って誘ったんだ」


やだ・・・。

こんなに優しくしないでよ・・・。

信じちゃうじゃん・・・。


「・・・遠慮しときます」

「え?」

「遠慮しとくって言ったの!!嘘つきの2人なんかとどこも行きたくないッ!!じゃ」

「ちょ・・・」



プツッ



私は無理やり電話を切った。


・・・これでいいんだ。

これで・・・。



じわっ



どうして?

これでいいはずなのにどうして涙が出てくるの・・・??




♪〜ピーンポーン



玄関のチャイムが鳴った。


「はぁい」


私は急いで玄関に向かった。



ガチャッ



ドアを開けるとそこには拓斗たくと君と聖二せいじ君が立っていた。


「よ☆:こんにちは♪」

「・・・なんでココに・・・」


2人は私の聞いた返事も言ってくれずに勝手にあがりこんで来た。

そして私の部屋に入る。


「ちょッ!なんで勝手に入るのよ!!」


私がそう言うと拓斗たくと君が私を壁に叩きつけた。


「イッ」


ふっと拓斗たくと君の顔を見ると怖かった。


「お前俺達が嘘つきって言ったな」

拓斗たくと君は私の目をジッと見る。


私は目をそらしながら、

「言ったよ」

    と言った。


聖二せいじ君が近づいてきた。

「どうして?」


・・・なによ・・・。

知ってるくせに・・・。

そこが嘘つきなのよ!!


友美ゆみさんに会ったの・・・」

「「え?!」」

2人は声を合わせた。


「聞いたの。友美ゆみさんがあなた達にクビにされたって・・・。でも2人はその前に『友美ゆみが勝手にやめた』っていったよね?だから嘘つきなのッ!!」

「「・・・」」 

2人は黙り込んだ。


・・・どおだ!

勝ったぞ!!

ちょっとは反省しやがれ〜!!!


「ゴメンね」


聖二せいじ君がポソッと言った。


「え?」

「嘘・・・ついてゴメンね」


嘘・・・。

どうして謝るの?!

2人はどおせ私が上にいったらクビにさせるに決まってる。

・・・なのにどうして??


「どうして謝るのよ・・・」

「それは・・・」




「「お前が好きだから」」




「え・・・?」


私を好き??

どうして?!


「嘘・・・」

「嘘じゃねーよ!」

「嘘じゃないよ。信じて」

聖二せいじ君がニコッと笑う。


・・・もうだまされない!!


「どうせ嘘よ・・・」

「「え?」」   

「そうやって油断させて私が上に行ったらクビにするくせに!!」



ギュッ



私がそう言うと拓斗たくと君と聖二せいじ君が私を抱きしめた。


「は、離して!!」

「やだね。お前が信じるまで離せねー!」

「そうだよ」


2人はずるいよ・・・。


「もう・・・最低。しょうがないから信じる。・・・離して」


2人は離れてくれた。


もうずるいよ。

ずるすぎだよ。


無理やり信じさせて・・・。

最低!


もう・・・信じてあげる。


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