夢叶う
私は家を飛び出した。
・・・これで私も歌手になれる!
がんばるぞぉ!!!!!!
数時間後、
オーディションの会場に着いた。
会場には可愛い女の子ばっかりだった。
「あれ?愛理ちゃん??」
背後から誰かが私を呼んだ。
振り返るとそこには聖二君と拓斗君がいた。
「お前こんなとこで何してんだよッ!」
あいかわらず口悪いなぁー・・・。
「オーディション受けに来たの」
「歌手になるの?」
「うん」
「なんでだ?」
・・・なんでって・・・。
そりゃ2人の近くにいたいからだよ。
でもこんなこと言えないよね・・・。
「私も舞台に立って歌いたいからだよッ!」
「そっか。頑張れ^^」
聖二君がニコッと笑った。
ドキンッ
なんだろこの気持ち・・・。
やっぱり気のせいかな・・・。
「まぁ。せいぜい頑張れば?」
拓斗君が私の頭をポンポンと叩いた。
・・・こう見えて拓斗君は優しいんだよね。
ーーオーディション開始ーー
<<番号を呼ばれた順に来てください>>
・・・私は10番かぁ。
結構早いな。
ドキドキしてきたよぉ。
・・・8番、9番。
次だ。
「10番の方」
私の番だ!!
「は・・・はいッ!!」
ガチャッ
ドアを開けると、審査員とドロップの2人がいた。
「どうして歌手になりたいと思ったんだい?」
「父が劇団の座長で、母が映画監督なので、私も舞台に立ちたいと思ったからです」
こう言った瞬間、
《おお〜》
と言う声が聞こえた。
・・・そんなにすごいかな??
私には理解出来なかった。
両親が舞台に立っているから自分も立ちたいー。そんな考えが普通だと思っていたからだ。
「じゃあ何か歌ってごらん」
「はいッ。じゃぁ・・・『さく○んぼ』でお願いします」
♪〜笑顔咲く、君とつながっていたい。
もしあの向こうに見えるものがあるなら愛し合う2人いつの時も、
隣どおしあなたとあたしさく○んぼ。〜♪
私が歌い終わると審査員皆が拍手をしてくれた。
もちろん、聖二君と拓斗君も・・・。
ーーオーディション終了ーー
オーディションの結果は放送で流された。
<<合格者は −−5番、8番、10番、・・・70番・・・94番ーー 以上です>>
・・・入ってる。
やった!
合格だ!!
歌手だぁぁぁ!!!!!!
私は目から涙が出てきた。
「愛理ちゃん:愛理」
聖二君と拓斗君が声を合わせて私を呼び、駆け寄ってきた。
「合格したなッ!」
「うん!すっごくうれしぃ♪♪」
「これからは歌手だね。頑張れ」
「ありがとぉ」
「与模素柄愛理さん?」
背後から女の人の声がした。
振り向くと、髪が長くて、美人な女の人が立っていた。
「はい・・・?そうですけど??」
「私、これからあなたのマネージャーをやらせてもらいます、波風由伊里と申します」
由伊里さんはそう言って名刺を渡した。
私は、その名刺を受け取った。
「あ。そうなんですか!よろしくおねがいします!!」
・・・よかった。
優しそうな人だぁ。
「愛理ちゃん」
「はい?」
「名前どうする??」
名前??
なんのことだ??
「え?名前・・・?」
「うん。芸名。このまま与模素柄愛理でいく?」
どうしよう・・・。
この名前めんどくさいしなー。
よしっ!
「変えます!」
「分かった。どんな名前??」
「『りいあ』」
「りいあ・・・?なんか良いわね!OK〜」
由伊里さんはそう言ってどこかへ行ってしまった。
「優しいそうな人だね」
聖二君が話を切り出した。
「うん。よかったよあの人で」
「俺達のマネージャー厳しいからうらやましいぜ」
♪〜ピロピロピロ
私の携帯の着信が鳴った。
・・・これはメールだ。
From:由伊里さんーーーーーーーーーーーーー
|明日、午前10時にフ○テレビに来てね。。。。|
|☆★☆★☆★今日はお疲れ様☆★☆★☆★|
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10時か・・・。
頑張らなきゃ!