一日風呂はいってなかったら水浴びさせられた
身体描写はしておかないとイメージがつかないかなと思ってしてみましたが、うまくいきませんでした。
いや、作者がこんな妄想をしていたとかではなくて、ただ、読者の皆様に分かっていただこうと・・・ね。
昨日はあれからすぐテントに案内されてそのまま寝てしまったため、今着ているのは、ストーンラビットのせいでボロボロになってしまったスウェットである。流石にこれをずっと着るわけにもいかないのでニーナに服や下着を借りたのであるが・・・
「まあ、そうだよなー・・・。」
用意されたのはもちろん、女性用下着とシャツとスカート。
(これつけなきゃだめなのかなー・・・・。)
パンツは白の無地ではあるが、前の世界でよく知られた形であり、インナーもスポーツブラのようなもので抵抗があった。シャツは茶色の無地で、これは着ても問題ないように見えるが、スカートは少しレースのついた薄い青でこれも着るのは流石に・・・。
(どうしよっかなー・・・。)
その服を見ながら悩んでいると、後ろから声がかかった。
「ナツキちゃーんわかった?あ、そうそう、それそれ。あれ、まだ着替えてないの?」
「あ、ニーナ・・・さん。」
テントに顔をのぞかせたのはニーナ。心配になって来てくれたのだろう。しかし、
「あのー、これ、着なきゃダメですか・・・?」
服を指差して心底嫌そうな顔をしてしまう。だって着たくないんだもん。
「え、うん。持って来た中でも可愛のを選んだつもりだったんだけど・・・。」
ちょっと悲しそうな顔をするニーナ。おそらく、俺が、この服が可愛くないと思って着たくないと言っていると思ったのだろう。
「ち、違うんです!むしろ逆で!可愛すぎて、その、もったいないというかなんというか・・・。」
「そんなことないよ!ナツキちゃん可愛いもん!絶対似合うって!むしろ私より絶対可愛くなるから!」
全然嬉しくねえ!
「あ、ナツキちゃん、そういえば昨日から体洗ってないよね?近くに湖があるからそこで体洗ってきたら?そのついでに着替えよう!そうだ、そうしよう!きっとスッキリするよ!えっと、タオルは・・・あ、あった!これつかって!じゃあ行こう!ついてきて!」
「ちょ、まっ・・・わあああああああああ!」
そういってニーナに手を引いて連れて行かれる俺。引きこもりがたたってか、ニーナへ抵抗してもびくともせず、振り払うこともできないまま湖に着いた。湖の水は透き通っていて底がよく見えた。周りに人はおらず、水浴びには絶好の場所である。
しかし、もちろん隣にはニーナが待機していた。
「さ、ナツキちゃん!服を脱いで!というか私が脱がしてあげる!私と一緒に水浴びしよう?ぬふふふふふふ・・・」
手をものすごく気持ち悪い動きで動かし、鼻息を荒くするニーナ。貞操の危機を感じてとっさにニーナから離れる。すると、ニーナは悲しそうに項垂れ、上目遣いでこちらを見て俺に聞いた。
「だめ?」
「だめですよ!」
と言いつつ目はニーナの胸部に吸い寄せられる。ニーナの着ている黒いワンピースによって控えめには見えるがおそらくEはあるであろう。男としての本能がその部分を注視してしまうがなんとか理性で振り切り、目をそらした。
「だめかー。うーん、じゃあまた今度ということで、今回は退散するよう。」
しぶしぶといったようにニーナはキャンプへ戻っていった。俺はため息をつき、湖を覗き込む。水面には前の世界で見慣れた顔をさらに女の子っぽくしたような、少しタレ目の少女の顔が映っていた。
「やっぱ、俺女になったんだなー・・・。」
この世界に来て初めて自分の顔を見たが、実際対して変わっていなかった。しかし、その違和感の無さに、男の時の自分がどれだけ女顔だったのかが分かった。
「とにかく、さっさと体洗うか。もう、汗でべとべとだ。」
スウェットを脱ぎ、下着も脱いで全裸になると、その肢体が露になった。白く細い手足、少々痩せすぎな体と引き締まったお尻。少しだけ盛り上がった胸。男の時は興味の対象であった女性の体も、自分の体であればなんの感情も抱かなかった。
そもそもこの体、ただでさえ低かった男の時の身長よりもさらに縮んで、150cmほどしかなく、胸もおそらくBあるかないか。くびれもよく見ないとわからない程度の幼女体型。これに興奮したらそっちの方がまずいかもしれない。
そんなことを考えながら片足を湖につけた。
「きゃっ・・・。え、今の声俺の声・・・?」
水の冷たさに反応して出た声はまるで女の子のようであった。っていうか今は女の子なんだけど。そういえば後ろの方の草むらで何か音がしたような気がするけど気のせいかな?
そのまま両足をつけ、腰の辺りまでつかるところまで歩いていく。先に髪を洗い、次に借りたタオルのうちの一つを水で濡らし、体を拭いていく。
「痛っ・・・。あー、これが柔肌ってやつか。まあタオルの毛が硬いっていうのもあるのかな。」
見ると、タオルで擦ったところが赤くなっていた。次からは力加減を調節し、汚れを落としていく。全身が綺麗になったところで湖から上がり、もうひとつのタオルで髪と全身の水気を拭き取る。
そして、嫌悪感を我慢しつつ借りた下着を着ていく。着ているのを見るのはご褒美だが、自分が着るのは全く別の話である。しかし、着てみるとパンツのフィット感と、ブラによる締めつけが心地よかった。
「おー、女性用下着ってすげえな。」
ちょっと動いてもずれることなく、機能性に感心する。そしてそのままシャツを着る。シャツは綿でできた半袖のTシャツのようなもので、俺には少し大きめだった。そしてスカートである。
「これ、穿かなきゃダメかなー・・・。でも、着るものないし・・・。しょうがねえ!」
意を決してスカートを穿く。長さ的には膝上5cm程度。短くもなく、長くもなくといったところ。しかし、正直何か心もとない。ちょっと動くと捲れそうで非常に動きにくい。
「女子の皆さんはこんなもの穿けるのか・・・。すごいなあ。俺は恥ずかしすぎて耐えられん!」
まあとにかく終わったことだしキャンプの方へ戻ることにしよう。使ったタオルを手に取り足を進める。と、その前に、
「ニーナ、出てこい。」
「・・・・・・あ、ばれたあ?」
草むらからゆっくりとニーナが出てきた。そしてなぜか鼻を抑えていた。
「いつから戻ってきて見てた。」
「んー、そもそも帰ってない。あれ、魔法で幻影を作ったんだあ・・・・。あれ、ナツキちゃんもしかして怒ってる・・・・?」
「ふ、ふ、ふ、ふっざけんなああああああああ!」
俺の怒号とともに木から数羽の鳥が飛び立った。
ニ「ごちそうさまでした!」
ナ「記憶を消してやる・・・!」
2015/04/03 セリフ追加