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引き起こしたのは彼等さ


第三者目線です。

こちら久々に投稿。

Catastrophe.【カタストロフィ】

意味:大異変、大災害


◆*◆






「――――………、」



 とある場所、そこは山に積まれた白い書類が彼方此方に机の上や床と言った所へ無造作に置かれ足場も無いような場所。

 そこに机に座って筆を持って書類を見ていたある者が、何を思ったのか今しがた見ていた書類をこれまた遠慮なく裂いた。



「何をしているんですか、それは大事な書類でしょうが」

「ユクドラシルが枯れたみたいだよ」



 床に着く白銀の髪の者の言葉を聞き、黒髪の中性的な顔立ちの泣きボクロが特徴の者は戸惑いを隠せずにはいられなかった。


「ちょっと、どうするんですかっ?」




「どうするって、別にどうもしないけど?放置だよ放置」

「なっ、放置?放置ですか、無責任にも程がある」



 ――アナタ、一応神様でしょうが





 神と呼ばれた白銀の髪の者は、その問いに笑いながら、こう、答えた。




「神様ってさ、実際はこんなモンだよ?基本気紛れで、ご都合主義なエゴイスト、世界の偽善者代表者。


 人間は何を期待して僕達にあんな“願い”を懲りずに願い続けるか知らないけど、要は困った時の只の逃げ道なだけでしょ?


 ま、そんなことだと知りつつ彼等の願いを叶える僕達は完璧な偽善者だと思うんだけど。


 これぞ正しくに『神頼み』ってヤツ?ははっ!人間は実に賢く生きてると思うね。

 いつもだったら面白そうだからたまに叶えたりするけどさ、今回はちょっと状況がいつもとは“違う”んだよね…従者には分かるかな?」




笑顔を崩すことなく言葉を吐き続ける神に、従者は不愉快そうに眉をしかめた。




「違うとは、どう“違う”のですか」


「今回はあの世界の彼等全員が引き起こした出来事だからね。僕等は必要以上に彼等を保護することも助けることもしない。そうだね高みの見物ってとこかな」


「意味が分からないんですが」


「簡単な話だよ。彼等が壊しすぎたんだ。大方、森林を伐採し過ぎたり、車とかいう物やエアコンとかなる物やその他からも大量に排出される有毒なガスやらで世界の要であるユクドラシルが――世界樹がキャパオーバーしたんだろうね」



神は机の隅に置かれた小さな地球儀を見つめ言った。

小さな地球儀は只、その場でくるくると動いている。



「……どうするんですか」

「どうもしないよ。敢えて言うなら折角の機会だよ、束の間の休暇だと思って愉しもうじゃないか」

「…休暇ですか?」

「そ、この世界が滅亡するまで」





地球儀をコツンっと指で弾き神は妖しく笑う。




「と言っても、世界はこの世界だけじゃないからなんとも言いがたいけどね」

「仕事、あるじゃないですか。何が休暇なんです」

「君は相変わらず頭が堅いなぁ、頑固って言うんだっけ?もっと肩の荷でも下ろしたらいいのにさ」

「アナタの場合は適当過ぎるんですよ」



こめかみをピクピクさせる従者を横目にクスリと笑う。





「さあて、この世界は何時間後に滅亡するのかな?」





地球儀は、只、廻る。

くるくると、此れからの結末を知らず、廻る、くるくると。




「カウントダウンはもう終わる」




さあ、人間が滅亡するまで後――――――。





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