炬燵談義の結末
久々にアップ(^-^)v
相変わらずユルッ、中身がユルッ!
どもども、禍津日神ですぜ。
今日は全身タイツ(直毘神)と一緒に炬燵でアイスクリームを食いながら団欒している。うわっ、ちょ、寒い、つか寒いな。炬燵入りながらアイスクリームとか止めとけば良かった。鳥肌立ったよ、ヤベッ肌がぶつぶつだわ。
「流石にビックワンカップなアイスを食べるんじゃなかったよ」
「拙者は寒くないで御座るよ?」
「全身タイツの癖に?」
「全身タイツ言わんでくだされ禍津日神殿」
「いやいや全身タイツだろお前」
アイスを口に運びながら私は蔭くんにツッコム。おわ、やっぱり寒いわ。炬燵の温度を上げようかな。
……あ、これ最大だったわ。
「神様ってなんか不憫だよねぇ。たださ人より永く生きて人とはまた違う生き方で力や姿を持っている。神様と人の違いってそれだけだよねぇ。」
「神も寿命や病気になって死ぬ方も居られますからな、神も家族を作り子育てをするで御座るし」
「お前そのままじゃ一生嫁さんとか出来なさそうだよね!」
「拙者はそのうち作りまするよ」
いや出来ないだろ。
昔なら出来たろうけど今じゃ出来ないだろ絶対。全身タイツを愛する人とか最早お前を越えた変態だってばソレ。
「主様その人だれ?」
「主様のお友達?」
「ひぃい!?黒に白!ダメダメダメ駄目!こんな不純なモノ見たら純粋無垢な君達の眼が穢れる!!」
「悪友になんたる無礼なぁああ!?」
「悪友言うな」
そう言いながら私は黒い道化と白い道化を背中に隠す。あああ、この無知で無垢な二人に余計でふしだらな知識を与える悪が!
「いいかい二人とも?次から変態と残念な遭遇をしてしまったらこの防犯ブザーの線を思いっきり引っ張って逃げるんだよ?いいね」
「ぼうはんぶざー?」
「それは楽しいこと?」
「うん、それを鳴らすことによって近隣の屈強なオジサン連中がくんずほずれずな凄まじい殴り合いを見せてくれるんだ」
「「おおー!!」」
「拙者より禍津日神殿の方が教育上大変宜しくないのではありませぬか?」
「大丈夫気のせいじゃないから」
「もう泣いていいで御座ろうか」
ウザいから泣くなよって言った瞬間、奴の顔面を覆う黒いタイツに染みが浮き上がってきた。
ヤッベ、気持ち悪。これは本気で白い道化と黒い道化に見せちゃいけないわ。 ていうか、こうなった蔭くんは私の手に負えない(正直に言うとメンドクサイ)。
よしっ、ここは死を覚悟に救援を呼ぼう。
ささっ、二人の道化にしっかりと防犯ブザーと紐を握らせ、引っ張ってみ?と紐を引く動作を二人の前でする。
白い道化と黒い道化はそれを見て元気よく頷き紐を思いっきり引っ張った。
じりりりりりりぃいっっ!!!!!
勢いよく部屋中に鳴り響く防犯ブザーの音に耳が痛い。
こ、ここまで音がデカかったの防犯ブザー!?
この五月蝿い音の中でさえ何故かはっきりくっきり聞こえる奴の…悪魔の足音。
カツカツカツカツ
軽やかなのに、いつもこの足音を聞くたびに恐怖を感じるのはなんでだろう。
バァアアンッ!!
扉が蹴破られた。
え、ちょ、その扉二日前に直したばっかなのにぃい!?
どぉおしちゃってくれたんだよぉぉおお!!
「おい馬鹿神、騒がしいですよ静かに仕事すら出来ないんですかアナタは?」
じりりりりりりりりっっ!!
「逆に従者はなんでいつも扉を蹴り破るんだよ!それ直すのは壊した本人の君じゃなくて毎回私っていうこと分かってる!?」
じりりりりりっ!!!
「はぁ?仕事すらまともにしない馬鹿に唯一の汚点克服のためにわざわざ譲って差し上げているんですよ」
じりりりりぃいっ!!
「私が破壊神って呼ばれ出した理由知ってるよなお前!?」
「知ってるも何も、壊すことしか能がないじゃないですかアナタ。それよりこの耳障りな音を今すぐ消せ」
自分としてはアナタを今すぐ消したいくらいだ、なんて笑顔で言われて私はすぐに黒い道化と白い道化に引っ張った紐の先についている棒を防犯ブザーの穴に突っ込むことを教える。
我が身は大事ですね。
もう我が身可愛さの余りに勢い余って、蔭くんを悪魔の前に差し出しちゃったよ。
従者ってさ、絶対神とかより悪魔や魔王とかの方が似合ってるって。
そうこう思っていたら忽然と私の目の前から消えた蔭くん。
え、あっ、あれ?どこに行ったし我が悪友(という名の盾)は?
「では拙者はそろそろ御暇致します故に」
「わざわざこの馬鹿の後始末の為にすみませんでした。この馬鹿にはキツく叩き込んでおきますので」
「あ、あれ、2人とも知り合いだった?」
おかしい、おかしいぞ。私の記憶が正しければコイツら今日が初見な筈だぞ。
なんでここまで「俺達ダチ同士です★」ばりな会話してんの?
や、でも蔭くんが腰くねらせながら股間ガードしてるポーズに引いてる。従者があまりの気持ち悪さに引いてるよ。確かにあれは長らく友人してるけど気持ち悪いよ。
「初対面ですけど、あんな変態と知り合いとか自分を軽蔑したくなるくらい嫌ですね。アナタとうとうボケたのですか…嗚呼、嘆かわしい」
「一言二言多いよね、蔭くん抉りつつ私も抉るってどうなの。前が潤んで見えない」
「泣くで御座るか?泣くで御座るか?」
「お前はお前でワクワクしてんじゃねぇよ、この全身タイツ!」
どがっ、
「あぁあっん!」
!?!?、殴ったらいきなり喘ぎ出したぞ!?
さすがの長年友人してきてこの展開は初めてだ。こわ、コワイッなコイツ。知らないうちにまた新しい道でも切り開いたのか!?
「……従者、縁切りってどうすれば良かったんだっけ」
「…手っ取り早くアレごと斬っては如何でしょう」
「私の愛用武器は槌なんだけど、潰すの?汚くないアレ?生ける汚物だよアレ」
「潰すなら中身が飛び出さないようにしないといけませんね。スリッパで絶妙に芥虫を滅するように」
「拙者は黒光りの生物と同等なので御座るか!?」
「よっしゃ、中身が飛び出ないようにキレーに潰すぞー」
「ひぃぃいいぃい!」
私と蔭くんの鬼ごっこは小一時間続いたのでした。
……あれ、従者じゃなくてなんで上司の私が走ってんの!?