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これぞガールズトーク




さて、どもども禍津日神ッス。

あれなんかキャラがおかしいよ?なんて思ったそこの貴方。いいんです、そう思っていいんです。何故なら私はキャラがブレにブレまくってるのがキャラなんですから!





「……で、何故〔なにゆえ〕その方が妾の神殿に居る」

「遊びに来たんだよー、木花咲耶姫〔このはなさくやひめ〕」

「そちは相も変わらず突拍子のない行動を取りよる。まるで童〔わらべ〕じゃの」

「ありがとー」

「誉めておらんのじゃが…」




この木花咲耶姫、別名 木花開耶姫または木花知流姫神〔このはなちるやひめ〕とも呼ばれるメッッッチャ美人つか美女な女の女神!つまるところ女神である!

それなりの付き合いのある私は彼女をサクヤ姫と呼んでたり。




容姿はさることながら艶やかなで長い黒髪、淡い薄紅の化粧が施された顔は大人の色香を感じさせまくる平安時代の十二単を着た美女。





……しかし、神界〔しんかい〕や天界で鬼嫁という言葉を確立させたのは他ならぬこのサクヤ姫なのだ。




「…?なんじゃそのような遠い目をしよって」

「あー…ううん現実って残酷だよなぁって沁々感じただけ………」

「…………そうじゃの」




あ、なんかシリアスな空気になったけどお互い考えてること全く違うよ?

私は美女なのに鬼嫁を広めたサクヤ姫にああ…って思っただけだし。

うん、でもサクヤ姫は毎度のことながら同情レベルだよね。






「……初恋の君はあのような不埒な輩に成り果て、挙げ句姉様と一緒にニニギノミコトに嫁いだが姉様は醜いと言われ実家に帰され、以来姉様は妾と一度も言葉すら交わしてくれなくなった……それに、それにあのニニギときたら妾との間に出来た子すらも「え、本当に俺との子?」とふざけたことを抜かす始末……!!!!!」


「あの変態は仕方ないとして毎度聞くけど本当にふざけた夫だねぇ」




不幸過ぎだろサクヤ姫。

おーおー美人が怖い顔して台無しだよ。




「そうなのじゃ!なぜ!妾が疑われなければならなかった!素直に嫡出を認めれば良かったものを!!」


「ま、一夜で子供身籠る意味を知らなかったらそりゃあ疑いたくなるけどさー、サクヤ姫はあれだよね産屋に火着けてその中で3人も出産するとか」




一夜で子供を身籠るのは神の子を身籠るという意味を表しているけど詳しいことは知らない。だって私はまだ結婚すらしてないし。



「でもその無茶苦茶な出産劇のおかげでニニギノミコトを尻に敷けたんだし最終的には良かったんじゃないの?」


「まぁの、あれ以来ニニギは妾が政〔まつりごと〕に首を出そうが、子を乳母に渡さず育てようが逆らうことはなかったからの。」




「………これが鬼嫁の原点かっ!」

「何か言ったか?」

「いやなにも?」





こわっ、綺麗な顔して何気に昔の政治事情に首突っ込んでたとかサラリと何言っちゃってんのさ!?

ニニギノミコト、それだけサクヤ姫に恐怖してたのか…。




「そのニニギももうこの世には居らぬがな」

「…サクヤ姫」

「なに、ニニギも天孫〔てんそん〕とは言え所詮は人の子。あの時結ばれた日からこうなることは予想出来ておった」

「悲しそうなセリフを言いながら凄く愉しそうな表情〔かお〕してると説得力ねぇわ」

「おや、これはいかんいかん。あまりの嬉しさについ」

「嬉しいのかいっ!」





サクヤ姫とはこんな美女だったわ。

スンゴイ嬉しそう、未亡人ってそんなに楽しいの?




「なにせニニギのあの煩いイビキを聞かず寝れるのじゃからな!」

「思ってたよりちゃっちいな!?ニニギノミコトが可哀想だよ!!」

「それより禍津神!遊びに来たのなら今宵は飲み明かすぞ!」

「略された…、等々名前を略された…!別に良いけど、てか私は日本酒以外呑めないから」

「分かっておる、これ、酒を持って参れ!」




そしてサクヤ姫と2升目を飲み干した辺りで従者が殴り込みに来た。

……ヤッベ、仕事サボるためにここに来てたの忘れてたわ。




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