表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

side:織姫


達彦ほどのアホはいないと思う。私が毎年毎年、どれだけアピールして来たかも忘れて、七夕という大切な日にバイトを入れてしまった。

「眞美ぃ〜!!」

「はいはい。どないしたん?また星野君にいじめられたん?」

「慰めてぇえ!」

達彦と何かあったら大抵眞美に相談していた。眞美の彼氏の玉木君は達彦の親友なのだ。

「やっぱりウチら、あかんのかなぁ。ちっとも上手くいかへん」

「誰かてそんなもんやて」

「そうかなぁ」

はぁ、と大きく溜め息を付いたら、眞美に小突かれた。



今年で私達は付き合って三度目の七夕を迎えることになる。一度目の七夕は二人で河川敷に行って、寝転がって天の川を見た。二度目は雨で、達彦の家でパーティーを開いた。雨で彦星と織姫は会えないけど、ウチらは会えるからラッキーだね、なんて言って笑った。それが原因かもしれない。今年は私達が会えない。



「達彦、ウチ七夕の夜、遊びに行く事にしたから」

「ほぉ」

達彦は特に大した反応をせず、足の爪を切り続けている。私はムッとなって続けた。

「サークルの子らと行くねん。かっこええ男子もおるんよ」

チロリと達彦を見るが、全く焦る様子もない。

「アホッ!!」

私は近くにあったクッションを取って、それを達彦に向かって投げた。クッションはきれいに彼に当たった。

「なにすんねん!」

「達彦が冷たいからや!!」

「はぁ?」

「達彦はウチがかっこいい男子と仲良うしてても構わんのやろ!!」

私は涙が出てきそうなのを必死に堪えて、部屋から出て行った。達彦が追いかけて来るかもと思い、暫く立ち止まっていたが、結局彼は来なかった。



「やっぱウチ、嫌やぁ」

「全く、しゃあないなぁ。詩織はいっつもそれや。星野君が気に入らんならさっさと別れてまえばええのに」

「できん。ウチはただ達彦と七夕を過ごしたいだけやのに!バイト休む気ないんやもん、アイツ」

「どっちもアホやわ」

困ったような、そして優しい顔で眞美は背中を撫でてくれた。私は眞美に泣き付いた。そんな私を眞美はいつも優しく受け入れてくれた。

「で?七夕はホンマにサークルに行くん?」

「うん……一応。だって悔しいんやもん」

「そやな。ハメ外すんは止めえよ」

私はうん、と小さく頷いた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ