第1章/武闘武人
グダってきました、申し訳ない
何が起こったかわからない。これが俺に秘められた力なのか。
とにかく・・・、
「火が出た―!」
反射的にビビったが特に熱いといったことはない。操り方にも問題ない。
そりゃそうか。
俺自身の力なんだもんな。
「やっと使えるようになった?どお、具合のほうは」
高崎が問いかけてきた。
「あぁ、問題ないね。これでお前とも対等にやれるってわけね。俺も喧嘩は好きだぜ。五分五分の喧嘩なんてのは特になぁ!」
「でも、残念。これは殺し合いなんだよ」
その瞬間、高崎が一瞬でこちらに向かってきた。でも、見える。身体能力も一緒にかなり上昇したのか、まだ見える。
「ちなみに僕の能力は武闘武人といってね!身体の中にある『気』というのを操り身体能力を底上げする能力だ!さぁ、喰らってみろ!」
先ほど俺をあんなにブッ飛ばせたのはそのせいか。
「さっきのようにはいかせねぇよぉ!!」
俺の手から火炎放射どころか爆発の如く炎を吹かせた。
高崎は勢いで後ろへ吹っ飛んだ。
「ぐっ・・・、くそっ、なんだこの威力は!こんなんじゃ近づけない!」
「どうよぉ!俺の能力は!名付けるとすると・・・そうだなぁ」
良いかはどうだかわからないが思いついた。
まぁ、実際は名前なんてどうでもいいんだがな。
「爆裂燃焼だ。さぁ、来いよ。全身隅々隈なく燃やし尽くしてやるよ!」
高崎は笑った。笑って笑って、気味悪いほどに笑った。
「さすがだ、渡。きみはいつも崖っぷちになると形勢逆転する!最高だよ!だからこそ楽しめる!!だからこそきみとこう戦ってみたかった!!そして、だからこそ全力でぶちのめしたいと思う!!!これは敬意だ!目に焼き付けろ、ダイヤのカードの力を!」
ポケットの中から別のカードを取り出した。
「ダイヤの使い方はこう使うんだよ!」
高崎が消えた。カードが光った、と思ったらまた消えた。
デジャブにも近い感覚。
どこから攻撃を仕掛けてくる!?
「後ろさ」
背後から高崎の声が聞こえた。
この時点でもう遅かった。
「ダイヤは身体能力を上げるカード。上昇の仕方は個人個人で違うみたいだね。僕の場合は『気』の力を最大限に上げて10秒間、パワー、スピード、その他の身体能力を上げる能力だ」
背中から蹴られ、飛んでいくスピードよりも速く飛んでいく進行方向に先回りし、上空に俺の体を蹴り上げる。
「そろそろフィニッシュにしようか!」
そのまま俺の頭に足を巻きつけ踵落としを決めた。
どっちかというと踏みつけか?
「大丈夫さ、カードの力があればそのくらいで死にはしないはずだからさ」
道が陥没するほどの威力
すごいな、ここまでの威力とは
五分五分だと思ったんだがなぁ・・・
「もう立てはしないはずさ、またこんど相手をしてあげるからさ。じゃあね」
高崎が帰ろうとした
「おい、待て・・・よ。何勝・・・・ち誇った顔してんだよ・・・。まだ、俺は・・・立てるぞ?」
意識がはっきりしない。ダメージが結構大きいか。
「まだ立てるとはしぶといね。さすがだ、敬意を表する」
「うるせぇよ、敬意なんているか。そんなことよりも俺も見せてやるよ・・・」
「俺のダイヤの力をよぉ・・・」