序章1/奇妙なカード
現在の季節:秋
現在の気温:19℃、過ごしやすい
現在の俺のいる場所:自室
俺、日影 渡の今の心境を一言でいうなら唖然、それか疑問、不安。
話が急だったので、少し時間を遡ってみる。
俺は大学から住んでいるアパートに帰ってきた。
ただ普通に、平凡に、何の変りもなく
だが、ポストの中にこれが入っていた。
「これは・・・、トランプのカードか・・・?」
そう、入っていたのはトランプのカードが4枚だった。
Aのスペード、ダイヤ、クローバー、ハートが一枚ずつ。
「こりゃ、いったいどういうことだ?誰かのいたずらか?やるとしたら大家さんか、隣の飛鳥さんかな。全く、こんなんじゃあ何のゲームもできないじゃないか。また、ゲーム考えろとか無茶ぶりされるのかねぇ~。あの人たちは仕事もロクにしてないらしいし」
まぁ、アパートの人たちの話はまた別の機会に話すとして。
ていうか、普通のトランプじゃない、絶対。いたずらじゃない。現実から目を背けてました。大家さんや飛鳥さんが持ってくるとしたら普通のトランプだもん。
禍々しいオーラが滲み出してる。触ってはいけない、もし関わってしまったら元には戻れない。そんな感じ。
「でも、処分するのもなぁ・・・。誰かに聞いてみるかなぁ」
俺は、携帯で写真を撮ってメールで送った。
[俺にも見せて!]
案の定、すぐ返信が来た。こういうものを見るとすぐ食いつく様な奴だからな。
さて、てことで俺は今からその友人の家に行かなきゃならない。まぁ、日にちが変わらないうちに戻ってこられるだろう。
でも、俺は知らなかった、そのカードの力を、そのカードの恐ろしさを。