孤独と一緒だった男
学校好き?嫌い?
どっちでも良き。
………なんでこんなに孤独なんだろう。
友達はいつの間にか疎遠になって、誰とも会わなくなって。
小学生の頃、なんで友達なんか要らないって思ったんだっけ…………あ、でも…どうしようもなく失望したんだっけ?
はあ…俺…間違えたのかな……。
俺一人でいい、って思ってたけど…そんな事なかったな。
戻りたいな……ロクに覚えてないけどさ………。
ん…?
あの子………………。
俺は走り出していた。
車道にボールが転がって、子どもがボールを追いかけている光景を見たらいつの間にか体が動いていた。
運転手がブレーキを踏んだのか、タイヤが摩擦を起こしてタイヤから嫌な音が鳴った。
子どもを抱えて、そのまま投げた。
誰かの悲鳴が聞こえる。
そしてなぜか体が鈍くなる…妙にゆっくりと感じる……。
これ……引かれる?
体に衝撃が入って、体が浮いた。
その後に体が地面と激突した。
変な音が自分から出た。
痛みはなかった、でも体が重くて動けない。
……まあ、いいや…これで死んでも…悔はない。
どうせ、一人でひっそりと死んでいたのだろう……。
誰かに感謝されながら死ねるのなら…まあ…ね……。
声………誰かの……声が…聞こえるな……。
?「あ……あ……ああ………」
まずいな…あの子の親かな……トラウマにでもなったら。
純「………あの……俺の声…聞こえます……?」
?「は……はい……」
純「気負わないでくださいね…これはただの事故…日常に溢れかえってる普通の事故なので……………あ……俺の保険金…渡す相手がいないので…もしよかったら受け取ってください……あ、でも手続きをしないと……スマホ………」
なんか…視界が……まずい……。
?「救急車……呼びます………」
純「ありがとうございます…にしても…車の運転手は…災難だな………あの人にもお金分けて上げてください…」
?「で、でも……あなたが引かれたんですよ………」
…………あ……やばいな………これ…死ぬな………。
なんか……まあ、子どもを救えた……後は…運転手さん………頼むから……あ…スマホで…メモ…しとこう………俺の……。
母「起きなさーい!」
え…母さん………?
母さんの声が聞こえる……。
俺…生きてるのか………?
いや…でも…母さん……2年前に………………。
もしかして…幽霊が……起こしに来てくれたのかな…。
母「ねぇ、学校遅れるよ!初日でしょ!!今日から勉強頑張るんでしょ!!さあ、起きて!!」
うわっと…ちょっと……あれ……包帯とか全然巻かれてない。
そんなに重症じゃなかったのか………?
え…てか……いるやん……普通に…目の前に……。
何がどうなって………。
ここは……天国か何かか…………?
いや…夢……?
頬……普通に痛い……。
つねっても起きない……そういう夢…………?
母「ほーら、着替えて、ご飯食べなさい…学校は一人で行けるよね?ほらほら」
………え…学校…?
そんな年じゃ……母…でかくない…身長……?
母「純ちゃん、何ボケっとしてんのよ」
…なんだなんだ………?
え……どうすればいいの……これ………。
……とりあえず……朝ごはん…食べるか…。
懐かしいな……そうそう……納豆に麺つゆと鰹節とお酢…かけてやつ出してくれてたな……ウィンナーと……なんか……いいな………何度か昔に戻りたいって思ったけど……まさか…母の朝ごはんが食べれるとは…。
これは…夢なのかもしれない…でも、夢でもいい…だから俺…頑張るよ………幸せになれるように………。
今の知識と経験を使えば………青春を作れるかもしれない。
……なんか、俺…ワクワクしてるな…。
もしかしたら現実は死にかけてるのかもしれないのに。
夢かもしれないのに……でも…これが現実かもしれない。
夢にしては………なんか……こう……。
そう信じたいだけかもしれない…。
まあ、いいのだ。
楽しもう、仮の人生かもしれないが。
懐かしいな…この家。
開きづらい窓、草がぼうぼうな庭、壊れたドアノブ。
全てが懐かしい…。
母「早く行きなさい!」
おっと…。
純「はーい、行ってきまーす」
うわ…外もこんな感じだったな……。
このマンホール……見覚えが………なっついな。
そうそうここの川…あったな〜。
ここでなんかしたんだよね…なんだっけな…。
誰かと遊んだり、ここまでクラスにいる皆で実験とかしたっけ………いや、理科の先生が皆を連れてきたんだった。
純「……あ!!」
……曲がった標識…。
覚えてる……ここよく通るから毎日のように見てたぞ!
うわー、どんどん思い出してきた。
ここの道路…看板、標識の位置………お店…うわー。
あったわ!タツの店!
誰かに…タツのタツは龍のタツって教えてもらったんだ。
うわーー!
懐かしいなぁ……。
にしても……全部でかいな!
あの頃のまんまだ!
身長が戻ってるからか…。
うわー、最高なんだけど。
?「あー純ちゃん、おはよう…」
うわ!お茶のおばちゃん!!
お茶っ葉を売ってる優しいおばあちゃんがここにいるんだよな〜、よし、ここは元気に挨拶…挨拶はめっちゃ…大事。
純「おはようございます!」
お茶お婆「はいはい…元気がいいね…気をつけてね」
純「はい!」
うわー!!
最高!
めちゃくちゃいい気分なんだけど!
うわ……なんでもできる気がする!
どうしよう…結構楽しいぞ。
早く学校に行こう!
………あ、この消火栓…あったな…そうそう…ここだけシールが貼ってあるんだよね、これ誰が貼ったんだ?
どうでもいいわ。
でも、本当に昔に戻ってる。
うわ…あの変な車も懐かしぃな。
すんごい変だけど、子供の頃はかっこいいって思ってたな……こんなののどこがいいんだよ…。
今ならわかるな…。
?「純ー!」
…ん?
この声……小林くんか!
小林 響輝くんだ!
そうだ…そうだよ…疎遠になっちゃってそれから一回も会わなくなっちゃって…うわーーそうそうこの顔だよ。
出会いは学校じゃなくて、公園なんだよね。
特別だったな…学校に行く前から友達になったんだよな。
幼稚園は一緒じゃなかったけど。
純「おはよう、響輝くん」
響輝「なあ!今日から学校だな!学校ってさ!なんか、勉強って言うのするらしいぞ!俺の兄貴がさ、ノートくれて!見ろよ!カッコいいだろ!」
うわ!懐かしいな…響輝くんのランドセルこの色なんだよね……それもこのノート…ドスノートって言うドラマで出てきたんだよね。
あったあった。
純「うわー!かっこいい!」
響輝「そうだよ!これめっちゃかっこいいんだよ、あ!カマキリいる!うわー、虫かご持ってくればよかった、なあ!学校にさ虫かごってあるかな?」
なんて答えようかな。
純「虫について勉強できるなら、あるかも」
響輝「ほんと?!じゃあ、あったらここに戻ってこようぜ!」
あはは、めっちゃ元気。
……そうそうここの、学校…懐かしいな…。
底等辺小学校…校舎も懐かしいなぁ〜。
うわ!あのブランコ!
ブランブランさせて遊んだな。
乗らずに避けるって言う遊びが流行ってたな。
うわ!あの鉄棒!
苦手だったんだよなぁ〜、でも今ならできる気がする。
待って……仕事…6年間…しないくて…いいの……?
いや、中学校も入れれば…9年間?!
へあ!?
嘘!
最高じゃん…給食も美味しかったからな…。
うわ〜、最高だね、でも子供の頃は学校行きたくなかったんだよなぁ〜、今はこんなにもワクワクするのに。
先生「はーい、おはようございまーす!自分の教室分かる?」
えっと…確か……6組?
ここの学校クラスが多いんだよね。
先生「分からない人は先生に言ってねー!」
待って…あの先生…山田先生じゃん!
うわ……確か、バスケが美味すぎる人で、肉に厳しい人なんだよな、めちゃくちゃ若い!
肉へのこだわりがすごい人で曲がったことは嫌い。
山田先生はいい先生だった気がする。
バスケで怪我した時、すぐ絆創膏を出してくれた。
怪我をしてもいいようにいつでも絆創膏を持参してるって言ってたような……気がする。
そうだったそうだった……。
あれ?
じゃあ、あの性癖ブレイクティーチャーも来るよね?
うわ…懐かしい、小学生の皆あの先生に夢中だったな。
あの先生は確か……8月になんかでこの学校に…ん?
あれかな、学校支援員とかかな…。
いや、大学生…?
小さい頃だから覚えてないな…。
でも、ティーチャー……。
んなことどうでもいい。
さあ…クラスに行こうか。
過去に戻れるなら僕は……過去に戻りません。
別に…いいかなって。
おん。




