『速記会の横綱』
掲載日:2026/06/27
昔、速記競技会でいつも優勝する男がいて、横綱と呼ばれていました。速記の実力が高いということは、人として最高のことですが、横綱と呼ばれる男は、次第に尊大になってしまい、速記が書けない人のことを人とも思わなくなっていきました。
ある夜、横綱と呼ばれる男が村の寄り合いで一杯飲んで帰るとき、いかにも狸が化けたような相撲取りに相撲をとろうと言われ、腕にけがでもしたら速記が書けなくなると思って必死に手をかばうと、狸が化けたような相撲取りに投げ飛ばされ、顔に大きなけがをしてしまいました。
このことがあってから、速記会の横綱を気取っていても、腕にけがをしたらおしまいだと思って、大層謙虚になり、引き続き、横綱と呼ばれたのでした。
教訓:速記が書けて人として立派になったら、横綱でいいと思う。




