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第5話「声の持ち主」
「大丈夫?」
彼女は心配そうに俺を見つめる。俺は体を起こす。
「う、うん。大丈夫だよ!ありがとう」
「なら良かった」
「ところで君は?」
「あっ!すみません!自己紹介を忘れてました。私はユキ。この神社の娘です。」
「そうなんだ。俺は...」
俺は言葉に詰まった。そんな俺を彼女は不思議そうに見つめる。沈黙。その静けさを終わらすように彼女は続けた。
「こんなところじゃなんですから私の家まで来てください。怪我をされてるかもしれないし。なにより話したいことがあるので。」
俺はあまり状況を理解出来ないまま彼女に着いて行く。ここはいったいどこなんだ。少なくともさっきまで俺がいた世界では無い。色々な可能性が頭をよぎる。そんな中、彼女が言った。
「あなた、この世界の人じゃないよね?」
第0章~知らぬ世界~[完]




