IQ1のコネコちゃん、暑さに負ける
IQ1のコネコちゃん、暑さに負ける
うちには、IQ1億のネコちゃんとIQ1のコネコちゃんがいる…。
私がガリガリ君を食べていると、コネコちゃんは私の膝によじ登ってきて、アイスを舐めようとする。
何か美味しい物を食べているというのが、雰囲気で分かるようになってきたらしい。
短い足でヨチヨチとよじ登ってくる。
しかし、アイス本体ではなく、棒を必死に舐める。
「何にも味がしないでち〜?!」
と不思議そうな顔をしながら、必死に舐める。
IQ1なので、「本体」と「本体じゃないところ」が分からないのである。
 
私がお風呂に浸かっていると、短い足でジャンプして、浴槽の縁に上がってこようとする。
だが、頭だけではなく、運動神経も圧倒的に悪いため、そのままお湯に落ちる。
しかも、その大失態を毎日のように繰り返す。
IQ1の子は、出川さんより落ち(オチ)が速い。
一瞬で身投げする。
ゆえあって、私はこの春に右手の人差し指を骨折した。
IQ1億のネコちゃんは、私が怪我をしていることが、何故だか理解できたらしい。
毎晩、私の人差し指を舐めて、一生懸命、私の傷を治そうとしてくれた。
猫は、傷を舐めて治すから。でも…。
ーザァリ…ザァリ…。
まるでヤスリで指を削られているかのようだった。
愛はありがたかったけど、すっごい痛かった…。
コネコちゃんはその間、何をしていたかというと、ヘソ天でグースカ寝ていた。
IQ1の子は、ママが怪我してようが、かまわず就寝するようだ。
コネコちゃんは、めちゃくちゃグルメだ。
その日の気分で、いつものカリカリを食べてくれない。
すごい時は一口食べて、全部残す。
ネコちゃんは、夫のお弁当を詰めている時、一瞬のすきをついて、おかずをかっさらって食べるほどの野性的なハングリーさを持つ。
対して、コネコちゃんのこの悠長さは、一体なんだろう…。
24缶で1万円くらいする高級缶詰を堂々と所望する。
それをカリカリの上にかけないと、ごはんを一切食べてくれない日もある。
なんでこんなブルジョアに育ったんだろう…。
あなた、前世マリーアントワネットだった?ってくらい、食事にわがままなのだ。
高級缶詰をかけてあげても、それでもごはんを完食してくれない日さえもある。
IQ1のくせに、舌だけはグランメゾン東京なのか…?
最近、暑さに負けて、床に落ちている日が増えてきた。
冷たい床に体を寝そべらせて、ぐだーっと伸びている。
あわてて除湿とか冷房とか入れてみてるけど、彼女の適温にはなかなかならないみたい。
気がつくと床で伸びている。
というか、そもそも涼しい部屋で寝てくれない。
お気に入りは、廊下の中ドアの向こう側なんだけど…そこは、リビングのクーラーの風がちょうど遮断されるんです。ドアで仕切ってるからね。
だから、コネコちゃんは、なんでか暑いところでわざわざ伸びてることになる。
中ドアのこっち側に来なよ…と思う。
リビングはそこそこ涼しくしたのに、と思う。
でも、伝わらないんだ…。
それがIQ1なのだ…。
夫のことを愛している。
 
夫が仕事から帰ってくると、ものすごい速さで玄関まで駆けていき、
「プルャ〜〜〜!!!」
と愛を叫び、夫の足に体を擦り寄せている。
残していたごはんも、夫があげると、「プルャプルー!」と喜びの声をあげ、そのまま完食することが多い。
差別だ。ひどい。
私だってちゃんとごはんあげてる…。
IQ1のくせに、我が家に格差社会を生み出してる。
ふわふわのフミフミ毛布から卒業できなくて、気がつくとゴロゴロ言いながら、毛布をフミフミしている。
ゴロゴロは控えめで、ものすごく小さい声?でゴロゴロプルプル言う。
最近、フミフミ用の毛布じゃなくて、私の何の変哲もない綿毛布でもフミフミしだすようになった。
感触やわらかければよかったっていうわけ…?!
IQ1の子は、細かな違いが分からない模様。
長毛種のため、日々のブラッシングが欠かせない。
ブラッシング大好きなので、仰向けだろうが首元だろうが、お腹だろうが、大人しくやらせてくれる。
ずっとプルャプルャ言ってるか、スヤピピーと眠りに落ちる。まあ可愛い。
しかし、足の付け根ら辺は弱点らしく、そこをブラッシングしようとすると、両前足で、「タシッ!」とブラシを押えて拒否する。
IQ1なりに、何か美学があるのだろうか。
とにかく夫への愛がすごい。
夫がソファーに座って足を組んでいると、その組んだ足のつま先に頭を擦り付けているほどだ。
「プルャ…プルャプルャ…♡♡」
と甘え声を出してクネクネしている。
「コネコちゃん、パパの足ばっちいよ?!
やめな!?!?」
と一応止めるが、聞かない。
ずーっと頭をコスコスする。
IQ1の子の頭から、夫の足の匂いがするのはこのせい…。
オモチャで遊ぶと、相変わらず1m以上跳ぶ…が、まじであさっての方向に飛んでいく。
オモチャにかすりもしない。
自分の運動の方向性が計算できないのだ。
 
でも本人はそれでも、
「あたちかっこいいでちー!!」
とご満悦で、何度も何度も特大ジャンプをする。
そして、ズベシャーッと床に盛大に落ちる。
いつか本気で骨折しそうだ。
IQ1の子の遊び方は、危険極まりない。
夜になると、ソワソワし出す。
  
そのタイミングで猫トイレに放り込むと、そのままトイレする。
捕まえるために追いかけて、そのまま自らトイレという袋小路に駆け込む場合もある。
その時も、僅かな沈黙の後、しっかりトイレする。
何故だか、夫のお布団に粗相をする子なので、私と夫は寝室を別にしている。
夫の部屋にコネコちゃんが入れないようにしている。
粗相対策で夜になると上記のようにトイレを促すのだが、促さないとトイレしない…。
IQ1なりに、いま、トイトレを頑張っているんだと思う。
まあゆっくり、出来るようになればいい。
もうすぐ7月。
コネコちゃんのお誕生日がやってくる。
2歳になるはずなのだが、ほんとに子猫時代から何も変わってない…。
変わったのは、見た目だろうか。
フワッフワのボワボワ、しっぽなんてフッサフサである。
大人になったなあ…見た目は…と思う。
ちなみに、ネコちゃんと同じくらいの体重、体格になった。
でも中身は赤ちゃん。
見た目は大人、頭脳は赤ちゃん…。
夏の暑さに早くも負けてバテ気味のコネコちゃんだが、リビングの冷房つけるから…!
なんとか涼しい部屋があることに気づいてほしい今日この頃だ…。
  
 




