六人が最初に出会った日
ある大きな山で二人の少年が走っていた。一人の少年は赤い功夫服を着ていて、一人は青色の服を着ていた。「ふー、間に合ってよかった」「全力で走ったおかげで間に合ったねー」「おっ、炎俺らが最後らしいよ」「まあ間に合ったならよかったじゃん」そこは山の上の開けた場所で、奥に神殿らしきものがあり神殿の手前には女性の像が、その周りに六人の像が立っていて、数十人の少年少女がいた。山の途中で会った風美、岩努の姿も見えた。「これは、これは、火龍族族長の孫の天才炎希ではないですか。こんな重要な集まりでもいつもみたいに遅れかけるなんて流石」「こんな奴が火龍族の天才、有力候補には相応しくないですよ」「やっぱり山炎さんの方が相応しいですよ」炎希と龍新が話していると山炎と呼ばれた体がとても大きくて大きな剣をしょった男と、とりまきのような二人が嫌味を言いながら近づいてきた。「出たよ。火龍族族長の孫にそんなこと言っていいと思ってるの?」「お前もいたんだ。気づかなかったわ。」そのとき威厳のあるこえが響き渡った。「正午ちょうどに始める。」50~55歳くらいの老婆が言った。「お前らいくぞ」そう言うと山炎はとりまきを連れて離れて行った。「炎あいつ、いつもお前に絡んでくるよね」「まあそうだな。とりあえず俺らも行こうか」そう言うと炎希と龍新は神殿の方に進んで行った。「あまり人がいないんだね龍」「当たり前じゃん。そもそもここに来れる人は各部族で特に実力がある人しか来れないんだから。しかも18歳未満の人限定。そう言えば山炎あいつ、18超えてないの?」「ギリ18未満。他の部族の人もついているね」そう言うと炎希は他の少年少女を見た。「龍、あの金色の髪の奴って、鋼樹?」「そう。今回トップクラスの実力者。金犀族。お前より強いかもよ。んっ?聞いてねーし」炎希は会場の隅に立っている少女を見ていた。そこには長髪黒髪の15歳くらいの少女が立っていた。「……」炎希が見ていると「わっ」「わっびくっくりした。どうしたの」龍新が炎希を驚かした。「どうしたの。彼女に一目惚れでもしたの?まあなかなか可愛いからね」龍新は笑いながら炎希に言った。「ちがうよ、違う、何でも一人だけあんなに離れているのかなーって思っていただけ」「あぁ、彼女は光蝶族の主席、涼歌。」「へー光蝶族かあ」「てか炎お前本当に知らないの?事前に情報収集くらいしとけよ。彼女は光蝶族で疫病神って呼ばれているらしいよ」「疫病神?なんで。」「なんかねー、元は光蝶族が守っている村の子供で、彼女が5歳の時に親が失踪して妹もいたらしいけど、彼女が6歳のころ妹が消えたらしい。それで村の人たちが疫病神って言って追い出したんだって。野垂れ死にしそうなところ光蝶族の長老に拾われて、族長の指導の下4年間で主席になったらしい。」「4年?え、すごくない?」「まぁすごいんだけど光蝶族の人からとってみては、外部の人間がいきなり何年も頑張ってきた自分たちを差し置いて主席に躍り出たんだから面白くないんだろうね。まぁそれで色々言われているの。実力は本物だよ」「ひど、逆恨みじゃん。」そう話しているとまた威厳のある声がした。「正午になった。儀式の説明を始める。」そう言うと老婆の後ろから更に五人の人が現れた。「火龍族の炎城だ。」「水狼族の柔幻よ。」「金犀族、拳鬼」「木霊族、老給です。」「土熊族の盤基だ。」最初の老婆が「私は光蝶族の月明です。」と言うと月明は説明を始めた。「君たちの知っている通り、あの貫闇の封印が解け始めた。その影響で闇軍の活動が活発になってきてしまった。」「そこで部族に伝えられてきた継承の儀を執り行い、新たな英雄を決め伝承のように私たちの部族を救ってもらう。伝説の6人の英雄のように。」「私たちの部族は6人の英雄と生命の女神によってできた。私たちの使命は貫闇の封印の管理、貫闇の封印は約600年に一度解ける。私たちの部族は3000年の歴史があり、何度も貫間を封印してきた。」「次の英雄は君たちの中から生まれるだろう。これはとても危険な使命が伴うことだ。だがここに来たということはもう覚悟をしたのだろう。」「ねーねー炎、6人の英雄と生命の女神ってなに?」「龍知らないの?」「うん。そっちには興味がなかったから」「はぁー、まず昔この世界には闇が存在してあって人々を苦しめていた、ある日一人の仙人が現れて闇と戦った。その人には7人の弟子がいてそれが、6人の英雄。「火の英雄」「水の英雄」「光の英雄」「金の英雄」「木の英雄」「土の英雄」。と生命の女神。俺らの部族はその6人の英雄がつくったの。その仙人は闇との戦いで亡くなって、闇も弱まっていた、あと一歩だったとこるだけど闇初族が現れたの。闇初族の族長が弱った闇を取り込んだ、そいつが貫闇」「へー、女神、ねぇ、継承の儀は?」「俺らの部族は貴闇の封印が使命で、部族には貴闇の封印が解ける時新たな英雄の継承者が生まれ世界を救うと言われているんだって。それがこの儀式。それぞれの継承の間に入って源石を見つけ、それを吸収して属性を覚醒させるの。」「え。炎、みんな18歳に属性が目覚めるじゃん」「6人の英雄の力が入っている源石を吸収して覚醒したのは全然違うよ」「へー」「今回は6代目の英雄を決めるの」炎希と龍新が話しをしていたとき、月明の説明が終わった「では皆さん、一時間後にそれぞれの継承の間を開放するのでそれまで準備をしておいて下さい。」そう言うと六人の族長は神殿の奥に消えていった。「龍、お前は水狼族の水の英雄の継承を狙ってるの?」「もちろん。炎、お前はもちろん火龍族の火の英雄の継承でしょ」「うん、龍お互い頑張ろうね」炎希と龍新はお互い応援した。〜〜神殿の前、炎希と龍新が楽しく雑談をしていると月明と他の5人の族長現れた。「それでは継承の間を開放する。それぞれ準備をしてください。」そう言うと無色の水晶玉を取り出し地面にたたきつけた。割れた水晶玉から六つの光「赤い光」「青い光」「紫の光」「黄色の光」「緑の光」「オレンジの光」が出てきて大きなゲートになった。「最初に源石を見つけ戻って来た人をリーダーとする。それぞれゲートに入れ、健闘を祈っている」そう言うと少しずつ少年少女がゲートに入って行った。「リーダーか。最初に見つけてやる」「景色のいい場所ならいいなー」鋼樹と風美はそう言うとそれぞれ黄色のゲート、緑色のゲートに真っ先に入って行った。それを皮きりに他の少年少女もゲートに入って行った。「じゃ一炎、お互い頑張ろうねー」そう言うと龍新は青色のゲートに入って行った。「お前もね」そう言うと炎希は赤色のゲートに入って行った。
初めて書くので誤字脱字など、分かりにくい部分があるかもしれませんがよろしくお願いします。