最初の試練ー水の間ー2
周りを森に囲まれた大きな池、一人の少年が池を見ていた。「下にあるって、どうするの?純魅さん。」「下まで潜って取れたら試験合格なの。」純魅は申し訳なさそうに言った。「この池めっちゃ深いけど俺、流石にこんなに長く潜れないよ。長くても 15分くらいだよ?」少年は純魅を見ながら言った。「そこは大丈夫。私がどうにかするから。」そう言うと純魅のおでこから、光が出てきて少年の体の中に入った。「これは?」「それがあれば一時的に水の中で呼吸できるの。」「へー、便利だね。いつ始めるの?」少年は体を見ながら言った。「いつでもいいよ。ところで龍新君でいいの?」「うん、じゃあ早速行こうか。」「分かったわ」そう言うと龍新は池に飛び込んで、純魅と潜っていった。〜〜「へー凄い。普通に声が出せる」「源石はもっと奥よ。ついてきて。」純魅は下へと潜っていった。「はいー」流石人魚、速いねー。それにしてもこの池やっぱり普通の池じゃない、深いし、底までしっかり見える。この深さじゃ光は底まで届かないはずなのに。〜~「着いたわ。」そう言うと純魅は池の底で光っている石を指した。「あれが源石。この試練、簡単過ぎない?」「気を付けて、近づいたら水流が現れるの。」純魅は近づこうとする龍新を止めた。「なるほど、水流ねぇ。」一回試してみるか。「大丈夫、とりあえず挑戦してみるよ。」そう言うと龍新は源石に近づいていった。その時いきなり龍新の右側から水流が現れた。「危な、」右側の水流をギリギリのところで龍新は避けたが左前から現れた水流に当たって吹き飛ばされた。この威力なかなか強い。「大丈夫?」純魅が心配そうに聞いた。「この水流なかなか威力強いね。これってランダムに現れるの?」龍新は考えながら純魅に聞いた。「ええ、毎回ランダムよ。」ランダムか、となると暗記して通るは無理か。「急がなくていいのよ。気を付けてね。」純魅が心配そうに言った。「大丈夫、これくらい。」とりあえず何回か試すか。そう言うと龍新はまた泳いでいった。~~はぁ、はぁあ」疲れた。「大丈夫?もう数十回やっているけど。」純魅が心配そうに聞いた。「大丈夫、なんとなく分かった。」龍新がまた泳いでいった。「分かった?なん…」水流が現れたらその水流の力を利用して流れに乗ればいける。一度に複数の水流は現れないから、このまま続ければ…。龍新は源石まで泳ぎ着いた。「ふー、これが源石。」龍新が源石を拾い上げようとすると、源石は浮かび上がって龍新の体の中に入っていった。「よし。源石ゲット。」「凄い、こんな短時間で…」純魅が泳いで来た。「まぁ泳ぐのは得意だからね」その時、龍新と純魅の少し前にゲートが現れた。「あれは?」龍新が純魅に聞いた。「あれを通れば出られるよ」純魅は笑いながら言った。「これは試練合格ってことでいいの。」「もちろん。龍新君凄いよ。今まででこんな速く突破した人は見たことがないよ!」純魅は興奮しながら言った。「ありがと。じゃあ行くね。」そう言うと龍新はゲートへ進んでいった。「待って、」純魅は龍新に黒い箱を渡した。「……これは?」龍新は箱を見ながら言った。「なんだと思う〜?」純魅は龍新を見て笑いながら聞いた。「……」「ははは、ケーキよケーキ。お土産であげる。」純魅は笑いながら言った。「ケーキか、ありがとう。後で美味しく食べるよ。じゃあ、ばいばい。」そう言うと龍新はゲートの中に入っていった。「ばいばいー。それにしても本当凄い、あんな短時間で。」
初めて書くので誤字脱字など、分かりにくい部分があるかもしれませんがよろしくお願いします。感想などがあったらぜひ教えてください。