闇に包まれた少年たち
バァン!!
闇の中に銃声が響く。
闇しかない。
光は一切ないのだ。
目の前にいた男は恐らく死んだのだろう。
恐らくと言うのは、暗すぎて見えないからだ、俺には。
俺には闇しか見えない。
けれどこいつには、今男を恐らく殺したであろうこいつには
すべてが見えている。
「死んだのか?羅音」
「もちろん」
柚亜の問いに、なんの感情も伺えない無機質な声で羅音は答えた。
「さぁ、帰ろう、柚亜」
「おう」
そして2人の少年は男に背を向け
更なる闇の中へ足を進めていった。
あれから5年の月日が経った。
5年とは結構早いものだ。
普通に暮らしていれば高校生だ。
けれど俺と羅音は、殺し屋になった。
復讐するために。
否、今の羅音は違うのかもしれない。
今の羅音は殺し屋としての仕事を楽しんでいるように見える。
そう、人殺しを―――。
羅音は変わった。
あの頃の無邪気な笑顔を一切見せなくなったのだ。
そして瞳の奥深くには闇がいる。
暗い、暗い闇が潜んでいる。
取り除いてやることは出来ないだろうか?
...出来ないだろう。
俺も、もう穢れてしまった人間なんだ。
俺は血に塗れてしまった、穢れてしまった人間なんだ。
だから、俺が羅音の闇を取り除いてやることは出来ないだろう。
あぁ、俺も羅音も変わってしまったんだ。
「柚亜?俺の話聞いてる?」
羅音が顔を覗き込んできた。
「えっ?」
「ボォーっとしてんな、柚亜は」
あぁ、俺と羅音の立場は逆になってしまったのか。
昔は羅音にこんなこと言われることなんて絶対無かった。
「わりぃ。で、なに?」
「いや、なんでもねぇよ」
そう言って羅音は笑った。
けれどその笑顔は闇に包まれていた。
あぁ、早く羅音を闇から救い出してやらなければ。
2話目です。
短いですが、柚亜の視点から書いてみました。