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あなたは異世界に行ったら何をします?~番外へん 開店中~  作者: 深楽朱夜
あなたは異世界に行ったら何をしますAnotherSid

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あなたは異世界に行ったら何をしますAnotherSid Destruction〜狂った世界に乾杯と祝福と…要はめちゃくちゃにぐっちゃぐちにしたいだけ~

「あー異世界もクソ、カス、日本と変わらない」

それが乙伽 鴉鶏(おととぎあとり)の口癖で、それといつもと同じ仏頂面で酒場の隅で酒を飲む。

「オーナーそんな表情浮かべてないで酒でも飲んで下さいよ」

「うざ」

酒場のカウンターからジョッキの良く冷えたエールを出す、鴉鶏はそれを不味そうに啜り酒場の中央で歌う女達と踊る少女達、楽器を奏でる男達を退屈そうに眺めていた。

歌に酔い痴れる客達の身形はそれなりに良く、この酒場が客を選ぶ場所だと言うのが分かる。

常にオーナーである鴉鶏はイライラしている、客も従業員達も関わらないように視界に入れないように舞台を観ていた。

中央のきらびやかな衣装に派手な化粧、目立つ宝飾品を身に纏い腰を揺らして歌う女は煽情的で艶かしい、鴉鶏は肘を付いて行儀悪く眺め、奥の1人の男に視線合わせる。

鴉鶏がいるこの《アムジアンガ》という世界、娯楽も少なく大層治安が悪い世界、そんな世界で生き抜いた彼のスキルが発動した。


「よ、よくも散々貢がせて!お、おかげで家も何もかも失った!」

奥にいた男が舞台の前に出て震える出でナイフを握りしめ、一部の客達は悲鳴を上げ残りの客と従業員達は傍観していた。

「い、一緒に死んでくれ」

「勝手に1人でいってろカス」

鴉鶏がナイフを振り回して舞台にいる女に駆け間もなく蹴り飛ばされ壁へと飛ばされ男は激しく身体を打ち付けその場に崩れ、鴉鶏はギロリと舞台の女を睨む。

「シャシャてめーはクビだ失せろ」

「待ってオーナー、私は彼から少しだけチップを貰ったの。チップは問題ないでしょ?それに私はここの歌姫よ?いなくなったら不味いでしょ」

「何も不味くねぇ、てめーのチップは家が買える程の金か?俺のルールを守れねー奴は出て行け」

「オーナー、彼は嘘を言っているわ。そんな額貰ってないわよ」

舞台の赤い唇の女と鴉鶏が睨み合う、ルールを破った者はどんな金の卵であれ追放だ、歌姫シャシャは平然としている。

「てめーを歌姫に上げて半年、調べは上がっている。お前らこの女が貢がせた金は全て返せ、その男にもな。治療して慰謝料も上乗せしてやれ」

鴉鶏が収納空間から書類の束を出しシャシャに放る、シャシャは顔色を変えず佇む、実力があれば時間や出自、犯罪歴も気にしない、設けたルールに忠実と誠実をが彼の信条だった。

「お前らこの女を外に出せ、荷物もな。明日からキュリお前が真ん中に立て」

「え!私?」

鴉鶏が指名したのはシャシャの隣にいたソバカスの少女、キュリは驚き首を横に振る、シャシャは男達によって両腕を掴まれ激しく暴れながらも外に放り出された。

「お前らああなりたくなかったら、客から程ほどに搾り取れ、いいな」

『はい!』

そう花鶏は吐き捨て店の奥に行ってしまう、客や従業員達はルールを破ればどんなに稼いでいても切り捨てるオーナーに心酔しそのカリスマ性に惹かれて止まなかった。


「こんばんわ、乙伽さん」

「あんたか、今夜は金魚の糞はいねーのか?」

「柳生さんは別件があってこられません」

「そーかよ、何か飲むか?」

「用意しています、どうぞ」

「気が利くこった、俺の店で働いて欲しいもんだ」

「僕は接客は苦手なので」

店の奥の花鶏のみしか入れない執務室のソファに穏やかな青年が1人ソファに腰を掛け待っていた、花鶏は驚くこともせず向かいのソファに座り青年が収納空間から出したグラスに酒を注いで渡す。

花鶏ははそれを一気に飲み干し、首元のネクタイを緩めて足を組んだ。

「それで、何か用か」

「忘れないで下さい、大事な物ですよ」

「ああ、そういやそろそろ切らすな。助かる」

収納から青年が木箱を出して渡せば中を確認し頷く、1本取り出し懐からジッポを出して火を点けて紫煙を燻らせる。

「そっちは上手くやっているのか」

「はい、順調です。たまには顔を出して下さいね」

「ああ、分かった。なんかぶっ壊したいんだがちょうどいいのはねぇか?」

「あります、ちょうど失敗してしまったので壊して貰いたい物が」

「なんだ?これは?」

「魔力で天候を操る道具……の筈が魔力で天候を映す道具になってしまって」

青年が出したのは球体の水晶を花鶏が手にし眺める、青年の説明にニヤリと笑った。

「へえ、良いアイテムだな。くれよ、ちょうど良いプロジェクションマッピング代わりになるな」

「確かにその使い方も出来ますね、どうぞ。無駄にならずに済んで良かったです」

「ま、タダで貰うのもわりぃからな」

「では、花鶏さんの世界の恐竜の肉をお願いします」

「ああ、良いぜ。明日また来い」

「分かりました」

水晶の使い道が決まり花鶏が懐にしまう、青年がその場から消え願いを叶えるように嗤って何処かへと転移した。


「あれ、オーナーは?」

「ノックしても返事なし」

「また、どっか行っちゃったのね」

従業員達はオーナーが何処かへ行ったと肩を竦める、オーナーはある日突然この街に来て喧嘩を売って来た者達を返り討ちにしてこの街では絶対に逆らってはならないと言われている存在だった。

「明日には戻だろう、いなくても回る様にしているからな、あの人」

「仕事も経営者としても無敵だしな、隙もない」

店の片づけを行いながら従業員達がオーナーはすごいと口々に言う、破天荒の口の悪い男だが決して非情ではない、皆恐れを抱きつつ慕っていた。


「ストレス解消の時間だ、恐竜ども、俺の糧となりやがれ」

とある深い未曽有の森林、ギョロギョロ牙を剥き出しの巨大な恐竜のような生物と花鶏が睨み合う。

掌に拳を打ち花鶏は舌なめずりを行い、花鶏の殺気によって集まって来た恐竜と戦闘を開始した…。


「まあまあ、解消したな。どうせすぐ溜まるけどな…」



     じゃ、またな、次はストレスフリーで会おうぜ、乙伽 花鶏だ…。


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