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あなたは異世界に行ったら何をします?~番外へん 開店中~  作者: 深楽朱夜
あなたは異世界に行ったら何をしますAnotherSid

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あなたは異世界に行ったら何をしますAnotherSid〜風の騎士団と転移者(仮)〜

流れに身を任せておけばなんとかなる……?


「おはようさん、中町ー今日の作業はこれな」

「おはようございます、分かりました」

朝、中町(なかまち) 蓮蒔(れんじ)は出社しタイムカードを切ったのと同時に上司から声を掛けられ用紙を受け取る。

今日の仕事内容を確認し頷く、出社してすぐに本日の作業の振り分けの確認をするのが常だ。

「……」

「お、中町か今日は頼むな」

「はい、よろしくお願いします」

年嵩の先輩に言われ頷く、今日は先輩と納品作業を行うので外回りだと早速荷物を積み込みにトラックに運ぶため外に出る。


「いやー、最近異世界?ブームってのが来ているよな。うちの娘たちもすっかりはまって異世界?言ったらイケメンと恋愛するとかって言っちゃってなー勉強しなくて困っているよ」

「そういうのに憧れる気持ち分かります、ファンタジー好きなんで」

「ま、俺も昔は好きだったさ」

トラックを運転しながらラジオで流れてくるのは最近流行っている異世界ブーム、先輩が運転しながら家の愚痴を混ぜ話しをし蓮蒔は笑って頷く、次の配達先に到着し荷物を降ろしサインを貰って次の配達先へ向かった。


「今日もたくさん食べるすね、中町さん」

「腹が空くから」

「でもがりがりっすよね」

昼になり会社へと戻り、食堂で日替わり大盛り定食を食べていると髪色自由な社風のおかげで金髪の若い男、蓮蒔の後輩が大盛りを食べている蓮蒔の向かいに座って普通盛りの定食を食べ始めた。

「今日は早く帰れそうですね」

「うん、スーパー行ってゆっくり休むよ」

「マジで中町さん枯れてるっすね、19なのに」

「いいんだ」

食材を買い込んで安くて沢山出来る料理を作ろうとは決めている、趣味は節約大量料理だなと思いながらご飯のおかわりをしに席を立った。


夜のスーパーの見切り品や半額品を探すのは楽しい、普段は半額弁当や菓子パンやカップ麺ばかりだが休みの前日の夜は自炊をすると決めていた。

「野菜炒めに肉とキノコ…豆腐…味噌…会社から電話だ…」

カゴを持っていざと意気込むが会社から電話が掛かって来たので1度外に出る、内容は明日欠員が出たので代わりに出勤して欲しいとの事で特に用事もないから了承し、自炊は止めて晩飯と明日の朝飯を買う事にしもう1度スーパーに入った。


「特売のカップ麺と菓子パンともやしとカイワレ…味噌汁は飲もう」

エコバッグをガサガサ音を立てて歩く、社員寮としてアパートの1室を借り上げているのでそこへ帰る。

明日仕事か…少しテンションが下がってしまうが仕方ないと、古い木造アパートの部屋の前で鍵を出そうとすると…急に浮遊感が足元に起こり地面に吸い込まれてしまった…。


《アファメスト》《クリムトルト皇国》《ハワォンの森》の中、松明やランタンの明かりを頼りに森を調査している騎士達、馬や犬が不穏そうに控えている。

「相も変わらず不気味な森だな」

「身体に纏わり付く不快感が拭えないが、これも仕事だ」

黒に青の装束の騎士服に剣を携えた集団が森から感じる不穏な気配に気が滅入りそうだ、森は鬱蒼とし何かに見られれいる気配を感じて仕方がない。

「最近多発している、記憶喪失事件とマナ暴走の件の調査。もっと奥に行くしかないな」

「昼の森と夜の森は様相が異なる、昼と夜の調査をと言うのが我々《風の騎士団》の使命、部下達を危険な目に遭わせたくはないが奥に行く他ないな」

「ああ、湖まで行くとしよう」

「…気は進まないがな」

2名の若い騎士2名が嘆息しつつ地図と水晶のような石を地図の上に吊るし方角を示してくれる、部下達に指示を出し奥へと向かった。


「わっ、いた…くない…ここどこだ?なに?いったい?え、湖?」

宇宙の様な空間を抜け地面にポンと落ちてしまうが衝撃も痛みもないが周囲は暗く地面は草が生い茂り、すぐ側には暗い湖が広がり呆気に取られる。

「まさか…異世界にきちゃった?まさか…そんな…はは…いた…夢じゃない…腹減ったな…パン食べよう」

自分の頬を抓り痛みがある、異世界かー流行っているしなーとそれよりもお腹が減ったと菓子パンを食べる。

「スマホは…圏外か…それはそう、こういう場合は人がいる所に行くか転移した場所で過ごすかか…どうしようかな…」

2個目のパンを開けようとすると真っ黒な大きな犬が叢から現れびくっとしてしまう、野犬だったら不味いと立ち上がり後退りをすれば叢から人?が出て来て犬が座る。

「ドーナ、よし…君はまさか…」

「見慣れない服装だな…それに普通に単独ではここに来られないだろう」

「あ…」

出て来たのはゲームとかで見るような騎士の姿に、1名は金髪にエメラルド色の瞳のかなりなイケメン、もう1名も赤紫色の髪にアメジストの瞳のこっちもかなりなイケメン、腰には剣があり…受け答えを間違えばこの場で斬り捨てられても可笑しくはない、言動には気を付けないととなんとか冷静に思考する。

「私は《風の騎士団》団長レアンドロ・マレーエフだ」

「僕は副団長エストレイル・ピトーニだ」

「俺は…蓮蒔です」

「レンジか…君は何処から来たのだ?」

「………」

団長のレアンドロと副団長のエストレイルが名乗り、蓮蒔は慎重に自分の名を口にする、2名が顔を見合わせ蓮蒔をよく見た。

「もしや記憶がないのか?この森は《ハワォンの森》といって遠くの場所から人を召喚し記憶を喰らったりするんだ」

「君の服装や持ち物から見るとこの《クリムトルト皇国》の者ではないのだろう、この森に喰われた記憶は戻らないんだ…それで現在我々はこの森の調査に来ていた」

「そう…なんですか…はい…いつの間にかここにいて…記憶も…」

全力でレアンドロ達の話しに乗っかる事にし困惑した表情を浮かべ、レアンドロとエストレイルも同情の色を浮かべる。

「そういった者は《喪失人(ロストズ)》と呼ばれている、そういう人々を保護するのも我々の役目だ」

「元いた国や場所など思い出せば帰す事も可能かもしれない、大陸が離れていては難しいが君の事は我々が保護しよう」

「はい…お願いします…」

《喪失人》…これは本当にそうなった人たちには悪いが、蓮蒔としては都合が良い余計な詮索をされずに済む。

「今日の調査は終了し引き上げる」

「蓮蒔、君は我々の宿舎で過ごして貰おう」

「分かりました…」

周囲の騎士達に声を掛け森から撤退する、蓮蒔もエストレイルの後に続く、不意に空が明るくなり上を見上げると巨大な月が現れ大きな眼がギョロギョロと動く。

「なっ!」

「ああ、《沈黙の(サイレントムーン)》だ。それすら覚えていないのか…」

「大丈夫だ、記憶は戻らずとも我々が手厚く保護する、心配は要らない」

蓮蒔が驚きなんて事はないとレアンドロとエストレイルが教えてくれる、蓮蒔は不安とそして少しの興奮を抱えて歩き出した…。


       それではまた…中町 蓮蒔でした…大丈夫かな…


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