49《エスカス》
引き籠って数日…主に色々な家造りを行なってみた、日本で見た家…高層マンションはエレベーターの仕組みがう上手く出来ないのでアパートや所謂豪邸のような家を造り、本を読み…イォから貰った種を育てたりと…1人それなりに楽しんでいた、そろそろイォが勧めてくれた《エスカス》に行ってみようと転移を行なった。
「ようこそ、《エスカス》へ!入街料は2,000ログです。冒険者証があれば1,000ログ、商人証があれば無償で入れます」
「……ないです、2,000ログで」
転移で《エスカス》に向かえば門前は長蛇の列、待つ事1時間にこやかな門番が説明をしてくれた。
どちらも持っていないと告げ2,000ログを支払い木札を受け取り中へ入る、冒険者証があれば半額、商人証があれば無料…身元がはっきりしているからその値段で通してくれるのか…それとも…と勘ぐってしまうが中に足を踏み入れた。
外で長蛇の列が出来る程だ人が多い、種族も人種もバラバラのようだ。
とりあえず市場へ行こうかと人の流れに沿って向かって行くと道が細くなり岩づくりの壁と今度は剣を携え鎧を付けた兵士が待つ門があり足を止めた、道を間違えたのだろうと引き返そうかと思えば脇の大きな道から馬車や馬に乗った身成の良い人々が門の前に行き金と鉱物で出来た板を見せ、門が開かれ中に入っていく、何だろうと鑑定してみれば この先は領主の屋敷と貴族御用達の店がある…金を払えば一般人でも入れるみたいです。
「……」
ああ、成程特別区というものだろうか…貴族御用達の店…イォが言っていた面白いというのはこの先だろうか…今日はいいやと踵を返して市場へ向かった…。
市場は……ごった返しだった、旅の装いをしている人々が多い旅の中継地点なのだろうか…色々な物が多い。
最初に目に付いたのは干した果物が色とりどりに並ぶ露店、元気に呼び込む若い夫婦見慣れる果物があれば買おうかと…だが一応鑑定してみる、甘くておいしい干し果物:美味しいと依存性はないと出たので買ってみる。
「この辺りの物を2,3個ずつお願いします」
「あいよ!これはオマケね!」
「ありがとうございます…」
旦那が手早く葉に包んでく、オマケも入れて渡してくれる金額も1,000ログもいかない1つ1つが大きい。
その先にあるのは綺麗な琥珀色の瓶が並ぶ蜂蜜屋、若い女性が頬を赤らめ購入していく覗けば成程銀髪に褐色の美青年が接客をしてくれているせいかと…普段は行かないが蜂蜜の店はみたい。
「いらっしゃいませ」
「……」
品の良い笑顔で出迎えられる、今ちょうど他の女性客の接客中らしく説明に耳を傾けた。
「こちらは私たちの故郷の温かい場所でしか咲かない植物から採った蜜です、濃い味ですが身体の調子が悪い時に温かい湯に入れて混ぜて飲むと回復を助ける効果があります」
「まあ、素晴らしいですわ。薬の代わりになるんですね」
「そこまでの効能は難しいですが、薬と合わせて飲めばより効果が高まります。こちらは蜂蜜の木の実漬けです、このまま食べてもパンに付けても美味ですね」
「綺麗ですね」
女性達がうっとりとしている、試食も出してくれ…随分太っ腹だなと思いつつこちらにもくれたので受け取り蜂蜜と木の実を食べさせて貰う…美味しい。
「あの花が入った物は?」
「あれはジラの花を漬けた物です、とても希少な物ですね此処にはあの1瓶だけですね」
「まあ、宝石の様ですね」
とまあ会話をして店員にうっとりし…何も買わずに女性達は去って行く…静かになったなと買い物をする事にする、店員が1度奥へ行き暫くしてトレイに2つ分木のコップを載せて出て来る。
「良ければ如何ですか?」
「……頂きます、蜂蜜全種類大瓶で欲しいんですが…」
「商人の方ですか?」
「まぁ」
お茶は蜂蜜の香りがして美味しい丁寧に淹れているのだろう、試食も美味しかったのでまた手に入るか分からないので沢山買わせて貰う事にする、買う量が大きいので曖昧に返事をする。
「ありがとうございます、もう貴族街には行きましたか?」
「いえ…」
「商人の方は皆貴族街目当てですからね、私の父が貴族街で商売をしているんです。そちらにはもっと高価な蜂蜜や薬草漬けの物もありますから良ければ寄ってみて下さい。そちらでは珍しい巣蜜がありますよ」
「巣蜜ですか?」
「ええ、領主様の好物なので扱っています」
日本で祖母が好きで食べてみた事がある、噛み応えがあって美味しいから気になる…。
「是非立ち寄ってみてください」
店主が大瓶を用意してくれ…結構な額になったが、オマケもしてくれる。
「これは私の好きな焼き菓子です、蜂蜜にあうのでどうぞ。それと広場に行ってみて下さい、旅人達が不用品を売ったりしているので掘り出し物がありますよ」
「ありがとうございます……」
商人だろ思って情報を教えてくれ、瓶に入った細長い焼き菓子を貰い店を後にする、貴族街は明日行ってみようかと思いながら少し先の目を引く布屋に向かった。
「ゆっくりしていって、どれも自慢の品さ!」
「はい…」
服と布と刺繍が施されたマントやペストリーが並ぶ、気になったのが絨毯サイズの薄い赤色に白い花が散る丁寧な手作業の物だった。
「良い品だろう、1年掛けて仕上げたのさ。この花はジラの花、薬にもなる私らの宝さ」
「……ジラの花は何処で見られますか?」
「今の時期は貴族街でし見られないねぇ、特別に育てた物しか出回らないね」
薬草の本にも乗っていた白いジラの花蜂蜜漬けの花を木に生やしても良いが…実物を見ようか、マントも丁度いいから買おうかと手に取る。
「このマントの刺繍は意味があってね、旅が上手く行くように。こっちはいい出会いがあるようにっていう願いが込められているのさ」
深い緑色のマントの縁に施された刺繍…2着貰うのとジラの花の刺繍が施された大きなタペストリーと、その他幾つかの刺繍が入ったペストリーを買って夕方近くになったので家へ戻る事にした…。




