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あなたは異世界に行ったら何をします?~番外へん 開店中~  作者: 深楽朱夜
あなたは異世界に行ったら何をします?~外神諫埜サイドストーリーズ(仮)~

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44 依存都市 Ⅱ 教会

平和そのものの光景、子供たちは笑い大人達は忙しく動き回る当たり前の光景に目を細めた。

これで天気が晴れ、青空なら完璧だろうが生憎と空は灰色だ、そういえば晴れた空を見た事がない…異世界だからか…本が等に書いてあるのかもしれない、もしかしたらイォなら知っているのかもしれない気がする。

「……」

良い国だと思う、平和で穏やかで笑顔、路地裏等にも浮浪者はいない、綺麗というか清潔感がある。

鐘が5回なる大きなよく届く音、城の何処から聞こえてくるのかは分からないが、また街の人々が動き出した。

「司祭さまのおはなしいこう」

「パンがもらえるよー」

「はやくはやく」

「はいはい」

子どもも大人もとある場所に向かって歩き出す、人波から抜け出せずに流れに沿って足を運んだ。


「………」

人々が向かう場所は所謂教会とも呼ばれるような建物だった、白い2階建ての木の扉が大きく開かれた建造物古そうに見えるが綺麗で手入れが行き届き外の庭には畑や果物が成っている木が植えられていた。

「………」

鑑定をしてみれば 畑の作物:芋等の野菜 薬草 果物: 瑞々しい 位しか表示されない、依存性は無いのかと人の流れに沿って教会の中に庭を横目に足を踏み込む。

「さあ、みなさん席に着いて下さい」

綺麗な声…男性の穏やかな声、日本で声優とかが出来そうな良い声が出迎えてくれた。

声の先には石段1つ上の教壇のような場所に立つ青年、その声を持つに相応しい銀色の髪、銀の瞳に白い装束と控えめだが見事な銀の糸で刺繍が施された衣装に身を包み造り物めいた笑みで人々を眺めた。

その後ろには噴水にあった石像とはまた違う精巧な石像、目を閉じ祈りを捧げる姿が印象的な綺麗な石像だった。

木のベンチの様な椅子、前の方は人気なようですぐ埋まり後ろの目立たない片隅に腰を落ち着けた。

「さあ、パンを皆さんどうぞ。果実水も…どちらも教会で採れた物や皆さんや陛下からの恵みです、食べながら話しを始めましょう…私の話しは退屈かもしれませんから子守歌代わりに…」

「コホン…」

「始めますね」

灰色の服に前掛けを身に着けた女性や老人が盆に載せたパンと木の杯を配っていく、後ろの隅に座ってもしっかりと老人が笑顔でパンと杯をくれる、笑顔だパンを渡した方も受け取った方も、司祭は穏やかで鷹揚とした人物なのだろう、話しの最中に飲食も寝る事も許可を出すとは…後ろに控える老いた女性に咳払いをされて、クスクスと周囲から笑い声が聞こえて来た。

鑑定……教会の従者:すみませんこれ以上鑑定を進めると気付かれますが鑑定続けます?僅かに表情が動くが、自分で思う範囲だ周囲には動いているように見えない程度、鑑定は止めた…きっと所謂チートみたいな存在がいるのだろう…ならパンと果実水を鑑定する。

パン:依存性の高い穀物が使われている 食べても問題なし 固い 果実水:依存性の高い水が使われている 飲んでも問題なし 酸味があり飲みやすい…そうか、知っている人はこれを食べずに知らない人々は喜んで食べる、パンと杯は他の人々はあっという間に食べ終わり司祭の話しを待つ、此方は持ったままだった。


「始めますね、この国《コーデュス王国》を治めるナウタフ・カーユソー・コーデュス陛下の誕生祭が間も無く始まります、そして《コーデュス王国》建国800年という記念すべき年でもあります。陛下は皆さんを愛し皆さんが笑顔でいられるよう日々政務を執り行っています、他国との関係も良好で他国との交易も熱心です。血や争いを嫌い平和を愛する陛下が現在特に熱心に取り組んでいるのは、この穀物とこの葉の栽培です。この穀物はカヌ、この葉はクシャといって皆さんに大変馴染のあるものだと思います」

教壇のような場所で司祭が話しをしながら懐から出したのは、紙に包んだ小さい殻に覆われた実と有り触れた濃い緑の葉はイォの色に近い物、鑑定してみる カヌの実:大変依存性が高い 危険 クシャ:大変依存性が高い 危険 と出るこれが元なのかと話しを聞き続けた。

「このカヌとクシャはこの国にとっての宝、なくてはならない物。食事や薬にも用いられこの国の土でしか育ちません、これがこの国を豊かにしてくれる象徴です。この教会で最近また新しい果実を作るのに成功しました、これにツェンという名を陛下から賜りました。今日は皆さんと一緒にこれを食そうと思います」

後ろに控えていた老婆がトレイに載せた白い葡萄の粒の様な果実を皆に見せる、また先ほどの老人や女性達が1粒ずつ配っていく、それを断れる雰囲気ではないので受け取った、鑑定:ツェンの実 かなり依存性が高い 食べないように と表示され口に入れる振りをして収納空間に入れて食べる振りをした。

「おいしい」

「美味しいわ」

「これはいい!」

「たまらないわ」

食べた人々が口々にツェンを褒め称え、司祭はニコリと笑う。

「今日のお話は此処までです、陛下の誕生祭の間は毎日この時間に教会を開けて皆さんをお待ちしています」

そう言って話しが終わり前にいた席の人々から順に席を立ち司祭が見送り、木の杯を老人達が回収していくのでパンと飲み物を飲んだ振りをして収納空間に入れて立ち上がる。

「旅の方ですか?」

「はい」

「ようこそ、この国はどうです?」

「…良い国だと思います」

「それは嬉しいですね、宿は取れましたか?」

「はい」

「そうですか、よければパンの追加をどうぞ」

「ありがとうございます」

「また来てくださいね」

「…はい」

去り際見送っていた司祭に呼び止められる、旅人らしい他の人達もパンを貰っているので受け取る。

他の旅人や住民達にも気さくに声を掛けているようで、食べなかった事がバレた訳ではなさそうだと頭を下げて外に出れば、子ども達が皿を持ちお布施を受け取り礼を伝えていた。

「……」

『ありがとうございます!』

大体1,000ログコインや500ログコインを置いていくのでそれに倣い1,000ログコインを置いて感謝され教会を後にした…。

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