41 引き籠る…
暫く街…人がいる場所はいいやと適当な低山に家を置き、採取や読書に物作りに精を出す、自分の住処を充実させるのは良い、自分に返ってくるから。
規則正しい生活を行い、運動不足は採取で解消し、家も大きくし1階を書庫にして悠々自適な生活を送っていた。
でも、そろそろ動こうか…いや、いいや…という思考を繰り返す、今読んでいる本は1人の冒険者の自叙伝の様な物、産まれてから死ぬまでの一生を淡々と綴られている物だった。
「実際の話しだから、最期は戦場か…」
読み終わった感想はそんな物だ、本で仕入れた情報によれば小さな国同士の小競り合いや戦は至る場所で行われていると、貧しい国や貧困地帯には多い傾向だとあるのでそういう地域には絶対行かないようにしようと決め本を棚にしまう、読んだ本は特にこだわりは無いが本棚に置こうと決めた。
もうすっかり夜になり、食事は億劫だと収納から作ったパンと魔石コンロに置いた鍋に入ったキノコスープを温めておく、後は干した肉を置き明日は魚にしようかと思いつつ温めたスープをよそって静かに食べ始めた。
夕食後は長めに風呂に入り上がった後は、瓶や皿を作りつつ次の読む本を何にするか悩む。
「旅…自叙伝…草…動物……あ…宝石加工…」
ステフスから貰った沢山の中の本、手に取ったのは宝石加工の本だ。
日本にいた時にみた宝飾品とは少し異なり、この本に緻密に描かれているのはお守りや呪いといった意味合いがあるようで今夜はこれを読みつつ自動で瓶や皿を作る事にした。
朝いつもと変わらない時間に起床し昨日決めた焼いた魚と、ご飯にスープを食しさっそく昨日読んだ宝石加工の本を元に加工してみる事にした。
「魔力で形を変えて…指輪とネックレスと腕輪…を揃いで造ろう…」
付ける事もないし贈る相手もいないのは当たり前だが、部屋を1部屋分宝飾品の展示部屋にしようと思い立ったのだ。
街で買い込んだタペストリーを飾りガラスケースも用意し、布を敷いたりして飾る、意外と良いかもしれない。
手始めに指輪を作ってみた以前買った鉱物を使いギーギスから貰った魔石も遣い、粘土でプラチナリングのような光沢の指輪にしようと魔力で粘土を練り込みサイズは全て自分の指に合わせてみた。
中央の台座は以前工具やで購入した古道具の小さいピンセットで造り、赤い火魔法を入れた魔石を嵌め込んで魔力で固定させてみれば素人が造ったにしてはまあまあであろう指輪が出来上がった。
上手く出来たので更に色々作ってみる、宝石加工の本にはデザインによって意味が異なると記載があり、冠婚葬祭で身に着ける物、お守り、親が子が生まれた際に贈る物、子が成人した際に贈る物など様々あり、そこまで難しい物でもないのでそれも作ってみる。
気が付けば食事も忘れ没頭しもう夜になっていた、腕を回し背を伸ばして夕食を作る事にした。
「………」
よく冷えたお茶と肉とキノコと木の実を細かく砕いた炒め物、野菜をたくさん入れたスープにパンで済ませる。
風呂は薬草風呂にし1時間程浸かり一息吐く、明日は洗濯と掃除と布団を干してまた作業を続ける事にし他の宝石や鉱物の本を読んでゆっくりと目を閉じた…。
「ん…」
朝いつもと同じ時間に起きて、温かいお茶と甘めの苺のようなジャムとパン、昨日のスープに腸詰ソテーを食べて、家事に勤しむ。
洗濯し布団を干して外の物干し竿に干していく、浄化魔法を掛けて家の窓を開け喚起し冷えた果実水と干した果物を齧って本を読み進める。
宝石の加工は大陸や国などで色々違う、呪いに使われる物もあるようだがその造り方は載っていない。
宝石は鉱物を加工した物や採掘場などで採れる、大きさもそうだが魔力を込められたりする魔石の方が価値が高い分手に入れるのが困難だとする、確かにダンジョンの魔物のドロップ品というイメージがある。
魔石核とドラゴンが魔力を溜めたり魔法を封じて置くのに使われるカルナラー石が価値が非常に高いとされている、魔石核はゴーレムや人形を永く使う為に必要な物だとある、この世界にはいくつもの鉱物ダンジョンがあるよう何処かの鉱物ダンジョン入ってみたい気もするが…やっぱり買った方が早い気もする、冒険者でもないからやはり買った方が良いのだろう、もう少し鉱物も宝石も見たい気持ちが湧いてくる、次は鉱物ダンジョン付近の街に言ってみる事にし、お茶を飲み終え作業を始めた。
「もう夜…」
作業に没頭するとあっという間に夜になってしまうが悪くはない、指輪や腕輪をいくつか作り細かい細工のネックレスというよりも首飾りのニュアンスの方が強い大き目な魔石の首飾り、やはり物足りなさがある、小さくてもう少し輝きのある鉱物で飾りたい。
朝の残りのスープと冷えたお茶にパンと果物簡単に済ませ、ゆっくりと眺めな風呂に浸かり今夜は果物の皮を干した入浴剤にし柑橘系の香りが鼻腔をくすぐり、日中によく干したふかふかとは言い難い布団に潜り込んで、加工の本の続きを読みつつ目を閉じていった…。




