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あなたは異世界に行ったら何をします?~番外へん 開店中~  作者: 深楽朱夜
あなたは異世界に行ったら何をします?~外神諫埜サイドストーリーズ(仮)~
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45 依存都市 Ⅲ 採掘

「おはよう、外神」

「おはようございます、イォさん…」

朝鐘がなる前に街の入り口行くとイォが既に待っていて地面に座り本を読んでいた、此方に気付き本を収納袋にしまい立ち上がって笑顔で挨拶をしてくれた。

穏やかで物静かな人物、早速兵士に見送られ街の外に出る、外は補装された路、馬車や馬の手綱を引いたり歩いている人々が街に入る為に並んでいた。

それを横目に並んで歩く、これから鉱石を採りに行く。


「さてこの辺で良いだろうか、少し離れているから転移をしよう」

「はい…」

イォが人の流れが途絶えた場所で横の森へと入って行く、この辺りで採れるのかと思ったが違うらしい、転移が出来るのは他にも知っているマユラ達だ、意外とこの出来る者が多いのかもしれない。

「転移が出来ると大々的に言わない方が良い、転移は本来なら魔法使い数名の魔力を使い1人を然程離れていない場所へ転移させる程度だ。魔力量が膨大な種族ならば長い距離も可能だよ。限度はあるがね、流石に大陸を越えたり出来るような転移は難しい。話しが逸れてしまったね、行こう」

景色が揺らぎ流れて行くと他の場所へ移動する、自分がする転移と変わらないが不思議な物だ。

「ここが私のおススメの場所だよ」

「……すごい」

イォがニコリと両手を広げる、其処はどうやら洞窟の中のようで見渡す限りキラキラと輝きを放つ暗い中だが周囲ははっきりと見えた。

「だろう?私は此処がとても好きなんだ。場所が特殊だから誰も来ない、はい、道具。さ、早速採っていこう」

「ありがとうごいます」

渡されたのはミノと小さいハンマー、ミノを採りたい鉱石の隙間に立てハンマーでそっと叩くと簡単に採れるらしい、水晶の様な大きな塊から小さい物が幾つも集まっている物、空洞の中にびっしりと水晶のような物が詰まっている物とどれを取っても同じ物は1つもない幻想的な場所だった。

「優しくそっと叩けば彼らは応えてくれる」

「はい…」

始めにイォが手本を見せてくれる、ミノを立てそっとハンマーで叩くポロと採れたのは夜を閉じ込めた様な暗い濃い闇色の水晶の中に金色の星が散っている物だった。

「綺麗ですね…」

「ああ…美しいね、さ、やってみよう」

「はい…」

此方も夜空色の水晶の集合体をそっとミノを立てハンマーで軽くそっと採る、綺麗な理想通りの型、土台の底も平らで飾りやすい。

他にも上半分は青下半分は透明な水晶や、金と銀の渦を巻いた鉱物、血の様な赤い水晶、特に気に入ったのは動物の形に見える鉱物、鳥や四足歩行の動物、ドラゴンのような型など夢中で採っていると肩を叩かれイォに少し休もうと言われて頷いた。


「楽しいだろう?夢中になってしまう」

「はい、時間を忘れていました」

洞窟の中の腰を掛けられる岩に座り、水筒の中のお茶をイォに渡し食べやすいようにサンドイッチにし容器に入れた物を渡した。

「ありがとう、これは美味そうだ。これは私からさ、心配はいらない毒も依存性もない、あったとしても私達には効かないだろう?」

「あの…どうしてわかるんですか?」

「ふふ…私は真贋鑑定が出来る。眼があり鑑定が出来れば君のステータスは視られるし視なくとも本能で分る。君のステータスは視ていないから安心してくれ、私のステータスを視てみるといい」

イォから見慣れる果物を渡され先に言われてしまう、鑑定するつもりはなかったがそう言われて鑑定してみる果物:瑞々しい 美味しい 名前などは出ないが依存性は出て来ない。

そして素朴な疑問だイォはこちらが何者なのか知っているようだ、言われるがまま鑑定をしてみるイォ:これ以上鑑定すると相手に伝わります 鑑定しますか?と表示され昨日の教会の司祭達も同様だったと伝える。

「その通りで鑑定されていると伝わるんだよ、君も隠蔽しているだろう?ステータス隠蔽も分る者には分かってしまうし、この表示が出た者は気を付けると良い勿論私も含めてね」

「……僕も出来るようになりますか?鑑定されているのが分るように…」

「ん?それは魔法やスキルを多く使ってみる事だ。魔法もスキルも進化する」

「進化…」

「ああ…進化だ、この世界アタラクシアは進化がし辛い世界だが絶対しないという事はない、魔法もスキルも組み合わせや成長、様々な事で変化する」

「そうですか…」

この世界は《アタラクシア》…以前本で読んだ名だ綺麗な名前だと思う、サンドイッチを摘まむジャムサンドは甘み少な目で酸味がある、イォはジャムサンドを気に入った様だ、香辛料で濃い目の味付けにした肉のサンドも食べて、イォから貰った小さい白いリンゴの様な果物を齧る、爽やかな甘みと酸味が程よく美味しかった。

「美味しいですね」

「気に入ったかい?ではもう1つ」

「ありがとうございます…」

収納袋から出した追加の果物を貰いそれは収納バッグにしまって家で木にしようと決める、

「美味かったよ、ありがとう」

「いえ…」

「さ、続きをしよう」

「はい…」

そうして作業を再開する、大きな水晶もそっと根本にミノを数回立てハンマーで軽く叩いて行けば綺麗に大きな水晶が採れる、今度は丸い水晶玉の様な鉱石を見つけ周囲をそっとハンマーで叩くとまるで加工したかのような占いに使われそう水晶玉がぽろりと手元に落ちた。

「綺麗…」

「さ、外神。もう良い時間だ戻ろうか、明日も来るかい?」

「はい…あの…」

「ん?」

「よければ…僕の家に泊まりませんか?こんな素晴らしい場所を教えてくれたので…よければ夕食と明日も…」

「…いいのかい?それは嬉しい」

まだまだ採り足りない…綺麗な鉱物鉱石が沢山ある、そんな気持ちを見抜いたイォが明日も来ようと誘ってくれたので、ならばその礼にとイォを持てなす事にした…。



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