10 高級な店……と城
靴を買うのも大変だ…いつも買っている靴をネットで買って終わりの世界とは大違いだ、そもそもが高い……。
しばらく高級な店がある路を歩く、周囲は身なりがいい人々が多い、靴も良い物を履いている。
宝飾品な店が多い…後は服屋だろうか…少し先に賑わっているお店がある女性ばかりだ敷居が高いが覗いてみるとどうやらお菓子の店らしい…この世界のお菓子とは…気になるが、無理だな…お菓子は自分で作ろう…。
「お祭りの時期だけのお菓子も出るし、ちょっと頑張った」
「楽しみだよねー高いからこの時期しかがんばれないけど」
「あーもう早く食べたい!」
お菓子はどの世界でも共通なのだろう、並ぶ女性達のはしゃぐ姿に城も近くなっていくのでついでに城の公開されている部分を見に行こうと足を進めていく。
道具屋というか武器屋もある、兵士や冒険者達が入れ替わり立ち代わり出入りをしている、大きい店だ……中古品は置いてあるのか…ちょっと興味がある…今は祭りで繁忙期だろうからまた後日来ようか…何時の間にか王城の門が目の前だ華美ではない堅牢な岩造りの城、賑やかだ…列に沿って並ぶ、入城料2,000ログを門の兵士に払い人波に流れて歩いていく、勿論は所謂舞踏会が行われる広間迄観られる、庭は中々見応えがあり何人もの庭師だろうか達が手入れをしている、豊かな国なのだろう。
それと民を愛している、民も愛しているのだろう貧富の差はあれど笑顔が多い。
花が咲き香りがする…ちょっと欲しいが駄目だろう…、池もある人々が覗き込んでいるので見れば綺麗な魚…が泳いでいる高そうだなとおもいながらぼんやりと眺めた。
広い…広大とも言える、迷わないように看板まで立っている親切だ、順路案内をしている…観光名所なんだとしみじみ思いつつ先へ進む、普段王族が茶会を行う東屋、ファンタジー漫画でよく見る…、緑…花…緑…鳥もいる…綺麗だ、自然が豊かだが空は相も変わらず灰色だそれが残念な気もする、城は近くで見ると古めかしい…岩で出来た幾つもの建物を繋ぎ合わせた時代差を感じさせる、人並みに流れて向かえば城の中の大広間だ。
「わあ、素敵ー」
「ここでおひめさまとおうじさまがおどるのー?」
「王様がお話しされたりするのよ」
「ほほ、祭りの度に訪れているが良い所じゃ」
奥の中央には初代国王の像が威厳を保ち存在し、皆それに向かって目を閉じて感謝等を捧げるらしい、興味がないので城を後にしまた高級店通りを歩く、先ほどのお菓子の店は客が少なくほぼ完売状態のようなので店に入ってみる事にした。
ふわりと香る砂糖や小麦粉の焼ける匂い、焼き菓子なのか…それはもう売り切れのようで棚に残っている物を見るとドライフルーツ位しかない。
試しにそれを買ってみようかと、少量を全種類買ってみる。
高い店はオマケとかは無いらしい、葉に包んで渡してくれ店を出て歩く。
アクセサリーショップの店もあるが興味がない…食器は作れる…、服も買った…靴もある…家に戻ろうかとまた市場を抜けて行こうかと足を向けて行く。
「塩ー砂糖安いですよ~」
「如何ですか…」
「おい!もっと声だせ!」
「うう…うれなきゃお先真っ黒…」
路地の隅の茣蓙で草で編まれた袋を幾つも並べた中年男性2組、袋に入っているのは砂糖と塩なのだろうか。
「ああ~なんでこんな事に」
「騙されちまったんだ、しかも向こうは大きな商会だ……」
何だろう鑑定してみようか砂糖:砂糖 粒の大きさが様々 問題なく食べられる 塩:粒の大きさがまちまち 塊もある問題なく食べれらる……これはいいかもしれない。
「粒も形も違まちまちな砂糖や塩なんかこの街じゃ売れないし、金作るはずが……はああなんでこんな事に」
「すみません、ここにある砂糖と塩全部売って下さい…いくらですか?」
溶かしてしまえば関係ない、ジャムや石鹸等に使うし量はあればいい、商人たちの目が点になっている。
「お、おい正気かアンタ!みろこの砂糖つぶが荒いのや大きさも違うし」
「こっちの塩も味が違うんだ!塊も多い」
「大丈夫です…」
「50万ログだぞ、その札とバッグ…アンタも商人の様だが…」
「分かりました、50万ログです…確認して下さい」
コインを商人達に渡せば2人共身体が震えている、収納袋に入れる振りをして収納空間にしまう。
「ありがとうな!」
「助かった!これで国に帰れる!恩人だ」
「………いえ」
涙を流して喜ぶ商人達に少し引きつつ見送られてその場を去る、ジャムと石鹸…に他にも色々作ろう。
小麦粉もあるし、卵も牛乳も無いが蜂蜜もある…確か酵母も作れる筈難しいがやってみようか…時間は無限だ。
明日は街に来るのを止めて…作って…本を読んで…ゆっくりお茶を飲もう…街で買い物も散策も悪くないのかもしれない、だが家で過ごすのが向いている。
異世界でも、日本でも環境が変わり魔法が使えるようになり不老不死になっただけだ、自分の感情気分気持ちは変わらない、恵まれていた世界から一々何かを得るためには手間が掛かる、テントに向かった…。




