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あなたは異世界に行ったら何をします?~番外へん 開店中~  作者: 深楽朱夜
あなたは異世界に行ったら何をします?~外神諫埜サイドストーリーズ(仮)~

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9 靴屋………

朝……ベッドから起き上がり作業途中のテーブルを眺め、熱めの濃い目に淹れたお茶を飲む、本を買った時に貰った茶だ苦味がありすっきりとして朝に良い、パンとスープを平らげて外に出れば、今日は冒険者達が戻って来たり出立するのか賑やかだった。

「薬草採取が来てるんだがなー」

「鑑定がないとなー」

「まあ、今日は暇だし受けて行ってみるか」

「なんか大量に買取があったらしいが、よその街でも必要なようだ」

「じゃ、行くか」

冒険者ギルドの裏の区画を抜けて行けば次々話が耳に入って来る、他の街で売っていたサホン水があちこちで異常が出ているのか…また売りに行こうかと考えつつ、昨日の裕福な人々が通う店通りに向かった。


昨日の石鹸の店は今日も賑わっている、作っている入れ物はまた今度にして更に進んでみる…高級そうな店ばかり…ふと人々が集う店があり除いてみればパン屋があった……でも焼いている匂いなどはしない、中に入れば分かるのかと思い順番を待った。

「ここは王族の方々も食べるパンのお店だから、これを楽しみして来たんだ」

「すごく美味しいらしいね」

「高いんだけど……陛下や王妃様や王女様が召し上がっているし楽しみ」

目に並ぶ客達が口々に楽しみしている、成程〇〇御用達という所だろうか店に入ってすぐに客が葉に包んだ包みを持っていく、種類は少ないらしい早速順番が来たので中に足を踏み入れたら……パンの焼ける匂いはしない…。カウンターで板に書かれた種類と個数を伝えれば持って来てくれる仕組みらしい……バターは無いし卵もないが昨日やその前に買ったパンはパンの香りがした…、小麦の焼ける匂いだ…気になる…鑑定をしてみようか パン:長く柔らかさを保つため小麦に混ぜ物をしている 食べても問題ないですよ ……保存料みたいな物が含まれているのか…此処まで来てしまったので1つ買ってみる、一番上に書かれていた物だ…高い1つ1,000ログ…子供達が店番をしているパンの値段は300ログ程だ…包みを貰い外に出て他の店へと足を運ぶ。


「靴屋……あった…」

少し先を歩けば扉に靴の絵を彫った木の扉…そういえば昨日の石鹸屋や話しかけて来た男性も靴を履いていた事を思い出し……店に入る事にする、中には身なりの良い男性客が数名、店員と話しをしていた。

装備が素人の目から見ても良い冒険者もいて、確かに危険な任務等にはしっかりとした装備が必要だ。

棚に並んだ見本は1種類ずつ、どうやら欲しい靴の種類を選びオーダーする物のようだ……高そうだが懐は温かいので靴を買う事に決めた、足りなければ(500万ログある)草と入れ物を売る…。

棚を見て行けばブーツの様な物革素材の紐で結んでいくタイプのごつい靴冒険者用、普通の革靴、ローファーみたいなもの、くるぶしまでの革靴、シンプルな布の靴があり、色が違うのは革の種類か…持ってみれば重い、履いてみたいなと思っていると若い店員がやってくる。

「お客様、試しに履いてみます?ぴったりのはないですが、質感と履き心地が分かるように」

「はい、お願いします…」

奥から幾つか靴を持って来て並べてくれるので4種類履かせて貰う、ブーツはとにかく重いが安心感がある、ローファーも硬すぎず足も痛くない、くるぶしまである靴は一番オーソッドクスな物で、布の靴は吸水性もあり柔らかい…靴などまたどこで手に入るか分からないの、特に布の靴が気に入ったので4種類全てと布の靴を3足買う事を決めた。

「今回祭りのお陰で盛況でして、30日程掛かりますが……1足10万ログですが如何ですか?」

「……待ちます、お願いします」

特にあてのない旅だ、家賃代わりにたまにギルドに草を売りに行けばいいだろう。

「ではこちらで足を測りますね」

椅子に座り靴を脱ぐように言われ革の布を取り靴下を履いたサイズで測って貰う、セミオーダーだ10万はするだろう…50万だが必要な出費だ、店員が木の枠に足を入れるように言いそこで固まる。

「お客様この足を包んでいる布は……」

靴下が欲しいと伸縮性のある布を横長にして組み合わせて斜めに切って、真ん中あたりで折り目を入れて何となく縫った物だ…まじまじと見ないで欲しい。

「……靴下ですが」

「くつしたですか?初めて聞きました…異国の物ですか?」

「………はい」

まさかこの世界に靴下はないのか?靴を履くなら靴下が必須だろう…、サンダルなどならともかく…。

「お客様よければこの靴下というものをうちの店で製品化させて頂きたいのですが…」

「………どうぞ」

「では、見本にこの履いている物を…」

「……これをどうぞ」

履いている物など渡せない収納袋に入れている振りをして適当に作った靴下を収納空間から渡す、店員が足のサイズを枠に入れて木の棒で囲みサイズを紙に記入していく。

「この靴下のお礼に靴1足分の10万ログでお代は良いですよ、それと15日程で完成させますのでこちらが控えです、靴と引き換えになりますので必ずお持ち下さい」

外神と日本語で記載すれば勝手にこちらの言葉に変換される便利な物だ、10万ログ(良いのだろうか本当に…)を支払い店を後にする。

後に知る事になるのだが、この世界には靴下という概念がなく靴を履く時は古い布を巻いたりしているらしい、この靴下は瞬く間に大ヒットとなり物凄い速度で大陸を超えて広がっていくのを…まだ知らない。



500年後…


「靴下、《アタラクシア》にもあって良かった」

「高くて良いものだと履き心地もいいですよね」

「テトラさんとネスさん達が沢山作ってくれて、孤児院の子供達や《島船》の皆さんも作っているので良く売れていますね」

「500年程前に別の大陸から来たそうです」

商業エリアに孤児院が運営する靴下専門店がオープンした、子供用の小さくて可愛い物から通気性や良い物、厚手の物など1足500ログ程の価格で売り始めた、売れ行きは好調だ。

詠斗や率、綴にラジカが靴下専門店の様子を見ながら今度は靴を作る店もという話しが出ていた…。

「靴下を考えた方は衛生面などしっかりした方だったらしいですね、父上の顔知り合いのようです、多分広めたのは外神さんですね」

「皆さん靴下屋オープンしたんですね」

「あ、外神さん」

「絶好調だよ」

「そうですか、500年前に靴屋に渡した1足の靴下がこうなるとは…昔は足に古い布を巻きつけていたんです」

「そうなんですか、外神さんが広めてくれたんですね。靴下大事ですよね」

「はい、靴下もそうですが。草履などは鬼人国などで主流の履物ですし」

「え、草履作れるの?外神さん」

「はい、編めますよ」

「ええ、教えて下さい!」

「かまいませんが、鬼人国で買って来た方が早いですよ」

「ええ、教えて欲しいー」

「私も興味があります」

外神がそういえば詠斗達が興味を持ち、外神が了承し折角だからと会議室を借りて草鞋講座が始まった…。

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