4 ハルの感謝
「もーぐらちゃん!ごはんたべよっ」
『もぐ』
プール造り中の1休憩、ラドゥに声を掛けられてハルたちが手を止めた。
昼は皆自由に食べる、ナイル達の元へ戻っても良いしここで食べたりもする、今日はここで焚火を行い食べたい物を串に刺したり、葉に包んで蒸し焼き等にして食べる事に決めた。
『きゅ!』
きゅうとふーが湖から獲ってきた魚はオリガが、素早く捌いて串に刺してくれた。
きゅうは魚をそのまま食べたり果物を食べたり早速食事を始めている、ふーも果物をきゅうから貰い突っついて食べている。
「プールは出来て来たから、屋根とか半分屋内半分屋外がいいよなー」
地面に座ったラドゥが果実水を飲みながら粗方仕上がって来たプールの、次は建物の構図を考える。
『きゅ』『きゅ!』『きゅう』
果物を食べながらハル達は今日はプールの作業が終わったら畑仕事を行う、ウィンは今日はナイルと千眼の側でご飯をおねだりして過ごして、畑で合流すると言っていた、最近は皆バラバラに行動し寝る場所も違う、ここに来て不安な夜を過ごす事もなく日々美味しい食事に友達も出来てハルは幸せだ。
「もぐらちゃん、今日もゲームしようよー。飯食ったら俺んとこで」
『もぐ!』
スマホのパズルゲームに最近ハマっているハル達はラドゥの家で遊んでいる、詠斗達ももっと遊んでおいでと言ってくれるのでいいよと言う。
遊ぶのも食べるのも仕事するのも楽しい、ドラゴンの友達もいる、チグリスには感謝だ。
ハル達は10人兄弟で産まれ、8番9番10番目に生まれ母親の乳も禄に飲めず餌も身体の大きい他の兄弟達に取られ奪われ喰い殺されそうになったのはまだ最近の話しだが、随分前に感じる。
神々から神獣として力を貰ったが神々からは今まで通りに過ごしていけばいいと、ライン(重要な話しなのに?)が来たのでこうして今まで通り過ごしている。
「ほら、魚焼けた」
「キノコも焼けましたね。詠斗さんから貰った醤油を掛けますか」
分けて貰った調味料を使い美味しいお昼ご飯を食べられて幸せ、午後も張り切って頑張ろうと思う。
そうしたら夜のご飯も美味しい、明日ももっと頑張れるから、恩人の詠斗達やチグリスに喜んで欲しいから頑張ろうと思う…。