5 やっぱり…
「……」
そろそろどうかなと様子を見に冒険者ギルドへ行けば、何故か待ち構えていたかのようになんなら商業ギルドの受付嬢とおそらく支配人だろうお偉いさんもいて、あれよあれよと2階の応接間の様な場所に連れて行かれた。
「私は《トーナス商会》の支配人で商業ギルドのマスターをしていまうトーナスです」
「俺は冒険者ギルドのマスターガンだ!」
「……外神です」
応接間に通されれば紹介された商会ギルドと冒険者ギルドのマスターと残される、大方要件は分かるが相手の出方に任せる。
「すみません急に此処へ来て頂いて…率直に言いますが貴方がお持ちになられた薬草まだお持ちでしたら我々に売って頂けないかと」
「色々あってな…今この街はでかい祭りを控えているのに…薬草が大量に必要になった」
「………」
「非常事態ですので金銭の他にテントと…」
「この街にいる間無償で冒険者ギルドの区画を貸す」
「………」
「勿論貴方の事は詮索しません、この街にいる間は安全を保障します。こちらを見える所にお持ち下さい」
「冒険者には見えないが一応見習い冒険者証だ」
「商人証はお持ちですか?用意しますが」
「……分かりました、商人証は持ってます。出します…」
本当に困っているのだ、トーナスからは木札を出される、此方を一切詮索しないのであればとこれまで採取した草やミーン草をトートバッグから取り出した。
『…………』
「す、すぐに査定します!」
「こいつはすげぇな、お前得…あ、わりぃな詮索はしねえ」
慌ててトーナスが薬草の選別と査定を行う、《ニイガス》で出した時の倍以上だ…。
「テントの使い方分かるか?」
「いえ…」
「組み立てた時に魔力を注いだヤツとそいつと一緒に魔力を注いだヤツしか入れない簡易型の収納だ、魔力を消耗するからそんな広くはならないし使用者がいない場合は見た目の大きさしか広さのないシロモンだが結構高価なものだからな」
「分かりました…」
後で使ってみようかもし固定出来るなら中に家と木を置いてみよう、その間も懸命にトーナスが査定していく」
「貴方も手伝ってください」
「おうよ」
『………』
待つ事30分程2人掛で終わらせて、買い取り金額がかなり驚く物だった。
「お待たせしました、500万ログでどうです?」
「今薬草は手に入りにくいからな!この値段だ!どうだ?」
「分かりました」
すぐさまトーナスが500万ログコインを出し、100万ログを貰い後は商人証に入れ冒険者証とテントと区画の番号を貰い冒険者ギルドを後にした。
「…………………」
全く顔に出ないが困惑してた、いきなり500万だ……だがこれに慣れてはいけない。
此処は異世界なのだ何が起こるか分からない…と言いつつ祭りの資金が確保できたと思いちょっとだけ浮かれている、まだぶらぶらしておこう、トートバッグの持ち手に木札の紐を括り色々見て回る。
歩きながら入ってくる噂に耳を傾ける、サホン水を売っていた商会が怪しいという話しは出て来ないもしかして来ていないのかこの街に…他の原因があるのか?
深く関わるのも良くない、噂を集めていく程度にしておく、後1時間程散策したらテントを組んで中に入ってみようと思い歩く。
大体この《トーメン国》の2/3を歩き冒険者ギルドに戻り裏手の土地の番号が振られた板32を探す、周囲は冒険者達がいてどうやら商人等の護衛や祭りで増える依頼目当てに来たようだ、そして《トーメン国》から数キロ離れた場所に難関なダンジョンがあるようだ…ファンタジーだなと思いながら関係ないだろうと布袋に包まれた細長いテントを出す、広げればポンと広がり簡単にテントが出来上がる楽だ…助かる、魔力を注ぎ中に入れば白い空間が果てしなく続く…広い…とにかく広い。
「すごい……」
さっそく家と木も出してみる土を出し根付くか分からない、根付かなければ森で木は引き続き森で試しても良い。
「蜂蜜の木と…花…反則……かもしれない」
ミーン草の木も作ってみようか…売るかどうかは別として所謂薬も自分で作ってみて良いのかもしれない、試しは試し…。
既に何本も確保している木を4本出し土に深く挿す、蜂蜜を吸収させ、花を取り込ませ、芋は全て1本の木に吸収、ミーン草吸収させる……花は木に咲き葉もミーン草に変わり…芋の木が出来上がり…蜂蜜は変化が分からないので鑑定してみる、蜂蜜の木:幹に傷を付ければ蜂蜜が出ます あ、このテントにいない場合でも固定されますからじゃんじゃん使っていきましょう!木も土が有れば根付きますよ!……ありがとう…良かったこれで気軽に外出る。
果物の蜂蜜漬けを作ろうレモンモドキは絶対に美味しい、お菓子にも使える、花は摘んでドライフラワーにして…ミーン草も取って置く……家?の中?に木があるのは良い……緑大事…。
もっと植物を育ててみようか…ハーブとか?……鉢も造って、岩粘土で細長い大き目な空洞がある物を造りナイフで幹に傷を付けて筒を差し込み大きな蓋が出来る入れ物を用意しとろとろとした蜂蜜?樹液が流れて行く…指で掬って舐めてみれば蜂蜜その物なので試しに。もう1本木を出して蜂蜜と花を吸収させれば、同じように筒よ容器を出して穴を開けて味見をしてみれば花の香りの強い蜂蜜が出来上がる……気分が弾む……。
昼食に買ったパンを出して食べよう…塊のパンを取り出し手では割れないのでナイフで割れば中はフカフカの紛れもないパン、肉のスープを収納から出し浸して食べれば……。
「美味しい…蜂蜜…」
蜂蜜も付けて食べてみる…合う、表面が固いが…シンプルで美味しい、明日も買おう、珍しく半分も食べてしまった。
後は夜にして……野菜炒め作ろう…芋のスープも作る…香辛料が欲しい…買おう、物欲が増える…お金が入ったからだな…少し働いた方が良いのかもしれない…草の採取で稼いでばかりなのも良くはない気がする……イヤだな…。
そこは追々考えるとして、食後の一休み果実の香りのお茶を飲んでゆっくり過ごした…。




