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あなたは異世界に行ったら何をします?~番外へん 開店中~  作者: 深楽朱夜
あなたは異世界に行ったら何をします?~番外へん 開店中~

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14 グローリーとタナトスのある日の静かな夜と賑やかな夜

少し前の話し…

「ただいま…」

「………」

「挨拶して…」

「………」

「懐記に言う」

「おかえり」

皇国のグローリーの家、タナトスとゴーレムとヒヨコとおりがみの子達が居間にいてタナトスは無言でいる、グローリーが何故だかタナトスに対しては少しだけ高圧的だった。

「ご飯にしよ、用意する」

ゴーレムとヒヨコ達がグローリーの周りに集まり収納ショルダーバッグから食事を出して並べる、グローリーはサラダと昨日のスープの残り…は無くどうやらタナトス達が食べたようなので、新しくキノコのスープを作り、魚も冷蔵庫にある物をソテーにしようかと思い準備する、デザートは果物だとグローリーがメニューを決めた。

「………」

タナトスは食事などどうでもいい、ゴーレムが持って来た本をペラペラ捲る、朝はグローリーと目玉焼きと腸詰めソテーにパンとスープを食べ、昼はゴーレムが朝のスープとサラダと懐記が用意したおにぎりを食べた、何故かおやつもクッキーが出され……はっきり言えば絶対口には出さないが快適な日々だ。

「出来た…」

「………」

スープとソテーが並び、肉と野菜炒めにご飯と蒸した野菜と果物が並ぶ。

「いただきます…」

「………」

「いただきますして…」

「いただきます」

グローリーに言われ、しぶしぶタナトスが言い食事が始まる。

「………」

「………」

ゴーレム達が狼狽える程どちらも喋らない静かな食事、タナトスは出された物はなんでも食べる、グローリーは辛い物が少し苦手だと最近自分で気付いた位だ、そして静かな時間が過ぎる。

会話をする必要もない、タナトスは静けさが好きなタイプだった、因みに以外にグローリーはうるさいのが好きだった。


そして現在…

「うるさい」

「赤ちゃんも小さい子もいるから…」

「毎日朝から晩まで夜もうるさい」

「仕方ないだろ?子供は賑やかなんだから」

朝から晩まで兎に角賑やかだ、タナトスがうるさいと文句を言えば保護者枠のグローリーとウォルゾガがタナトスを宥める。

カーテスとカヌイとテスカがエクト達に食事をさせつつ、イザラとイデアに晴海がお代わりしながらご飯と味噌汁に肉炒めにキノコソテーとサラダをがつがつ食べている。

「タナトス、文句いうなよ。俺のタコさんウィンナーいっこやるよ」

懐記からの差し入れのタコさんウィンナーをイデアがタナトスを宥める為にあげ、イザラがお茶の追加を配り、ウォルゾガがご飯をよそう、チキはおにぎりを頭の上のヒヨコと食べていた。

「………はあ」

イデアのタコさんウィンナーを食べ、大所帯となったグローリー宅……静寂を好むタナトスには居心地最悪な現在だ。

「今日は舵ちゃん達とお買い物にエクトちゃん達連れていくね」

「俺達は公園」

「僕とカヌイさんは率さんの所に行きます」

「ナイルのお手伝い…」

『俺は釣りとプール!』

「俺は家で今日もうどん作りだ」

「ウォル君最近凝ってるよねー」

「ああ面白いよなー」

各自の予定を言い、ウォルゾガとタナトスが残る事になった。


「ああ、絵ですか…」

最近ゴーレム達はタナトスに身体に絵を描いて欲しくてよく訪れる、ちょっとしたお土産も付けてくれる。

アシューが描いた絵とサウが彫った木の彫刻、2つとも良く出来ている…タナトスは1度も何かを返した事がない。

『タナトス、ほら食えよ!そんな痩せてたらまーた先生から負けるじゃん。ほら、もっと食え』

遠すぎる日の彼方の声、お節介焼きの………ぼんやりとアシューとサウからの贈り物を眺めているとキッチンから醤油ベースのスープの匂いがタナトスの鼻腔を擽る、目をやればウォルゾガがせっせとうどんにラップ(率の雑貨屋から購入)を巻いて踏んでいた。

うどん、最近ウォルゾガがはまり昼は専らうどんと天ぷらやその日によって色々変わるがおかずもある、タナトスは食事などどうでもいいが今日は肉うどんが食べたい気分だった、口にはしないが。

ゴーレム達に絵描き修復を行う、本を読みウォルゾガ達に絡まれる日々。

「タナトスーうどんどのくらい食うかー?」

「いつもと同じ」

「はいよ」

必ずウォルゾガ達はタナトスに食べる量を聞く、少食に見える様だが出された量を完食しているだけだ、それ以上でも以下でもない。

山盛りで来てもパン1つでもタナトスは何も言わない、タナトスはゴーレム達に絵を描いた。


「ほら、食おう」

いつの間にうどんが目の前に置かれる、作業に没頭していたらしい目の前にはキノコと野菜の天ぷら…肉が沢山入った肉うどんだった。

「………」

「ん?肉うどん嫌だったか?」

「別に」

「なら、食おう」

『いただきます』

声を揃えて箸でうどんを啜る、美味しい…食べたい物だったから余計に美味しい。

「うん、うまいな」

「………」

タナトスは美味しいと思うが口に出さない、ゴーレムやヒヨコやおりがみの子達も一緒に食べる。

「ただいまー沢山買い物したよ、良い匂い」

「うーん!」

「うー」

「うえぇ」

「おかえり、ちょうどいいな。用意する」

「ありがと、手を洗おう」

カーテスが子供連れて帰って来る、賑やかだ、うるさい、タナトスは溜め息を吐いてうどんを啜った。


「うるさい…」

居間では夜更かし中のタナトス、寝室は毎晩子供達が寝るまでうるさい、カーテスとイデアが絵本を読む声が聞こえ(グローリーとイザラは感情が乏しく子供達から不評)少しずつ静かになっていく。

「今夜の夜食なおやすみ」

「おやすみ」

ウォルゾガが明日こ米を炊いて、タナトスに夜食のおにぎりを3つ用意して寝室に入っていく。

数時間後…真夜中にそっと、エクトがゴーレムとヒヨコを連れてタナトスの所にやってくる、皆知っているからおにぎりを1つタナトスが渡し、お茶と味噌汁をゴーレムが用意してくれる。

「うーん」

「……1時間だけですよ」

「あい」

エクトはどうやら余り寝なくても良い魔人らしく、常に元気が有り余っている、寝たくて寝たいではなく皆で寝たいしタナトスとも遊びたいから起きたりする。

タナトスは一緒に遊んだりはしないが、側にいて一緒に何かをしている、エクトは今公園の室内遊具場を設計している、タナトスも内心感心する程の緻密さだった、恐ろしく頭の回転の良い魔人なのだろう、そうしてゴーレムが1時間経った事を伝え歯を磨かせに洗面所にタナトスが手を引いて連れて行き一緒に歯を磨いて寝室に連れていく。

「おや、おやちゅ」

「おやすみ」

本当はもう少し喋れるが舌足らずで恥ずかしいらしく、いつもあまり喋らないが必ず最後にエクトがそう言って寝室に入って行った…。


結構未来…

「ねぇタナトちゅ!むー」

「……まだ舌足らずですか?」

「違う、今のは噛んだだけー」

「ほら、もう時間です、布団に戻りなさい」

「も、もうちょっと!」

「私はいいがほら」

「う…分かったよーでも後ちょっと」

「手を繋いで歯を磨きますか?」

「ちょ、分かったよーセレネなら喜ぶけどー俺はもうさー」

「皆で寝ている間は同じですよ」

「だって寝たいもん」

「誰1人、1人で寝ないしベッドも使わないし、どうなっているんでしょうね、魔人は」

「えーみんないっしょがいいよーあ、タナトスが一緒に寝てくれるならそっち行くよ」

「別に構いませんよ」

「え?本当!?あー止めとく…」

「そうですか、歯を磨いて寝ましょ」

「はーい」


                   おしまい?

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