転生先が昔の日本で超不便だけど超幸せ
俺は伊右衛門、しがない浪人だ
あ、某ベストセラー緑茶飲料じゃねぇよ?
なにせここは大昔の日本だから
スマホどころか電気もねぇ
トイレはまあ慣れた
うんこまみれで疫病どんとこいのガチ中世ヨーロッパじゃなくて良かったわ
日本人の衛生観念の歴史すげえな
まあ、なんで俺が某ペットボトル緑茶を知ってるかといえば転生者だからだ
トラックに撥ねられたと思ったら赤ちゃんで江戸時代だもんなぁ…まあ当然魔法もチートも無い
エルフも聖霊も居ない
呪いやら幽霊の話はよくあるが、まあ科学が発達してないからだろうな
正体見たり枯れ尾花ってな
前世の様々な娯楽やら便利なものに未練が1ミリも無いと言ったら嘘になるが、転生前に戻りたいとは思わない
「もう、あなた…何故私より先に起きるのですか…」
「お岩、お味噌汁お願いね〜ご飯は炊いたから」
「は、はい」
めっちゃ献身的でしかもめちゃめちゃ美人のお嫁さんがいるから!
家事を手伝う男ってこの時代まず居ないけど前世の記憶あるからそこはやっぱりな!
うちのラブラブっぷりは近所どころか幕府の耳にも入ってるらしい
あと転生特典なのか知らんが刀の腕は我ながら中々で仕官の話も良く来る
唯一転生の定番っぽいこと?といえばおかき?お鍋?とかいう女がビッチムーブしてくるところか
この時代の普通の武家の娘で転生者でもなんでもないが前世で大人気だった悪役令嬢ものに出てくるピンク頭ビッチの幻影が見える
おしどり夫婦で有名な俺に横恋慕ムーブするもんだから無謀な馬鹿女として有名になってるのに本人は気付いていない
彼女の家の仕官も当然断った…まあそれがお鍋?と知り合ったきっかけなんだけどな
「「いただきます」」
今日も奥さんは朝から女神のようだ
本当に幸せそうな表情で寄り添ってくれる
だから今日も一日頑張れる!
そして二人は幸せな生涯を送った
決して裕福ではなかったものの熱愛を貫き支え合い続けた2人の話は美談として後世に残ったのだった
お梅(伊右衛門は最後まで名前をしっかり覚えなかった)は醜い略奪愛の代名詞として庶民の酒の席で使われたりしたそうな