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ステゴロ魔法少女の受難  作者: 南部忠相
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第74話 黒幕?

「まほう、ふえた」

 と、いうわけで久しぶりの病院のベッドの上。丸一日寝ていたらしい。たつなとみちるがぐりぐり頬ずりしてくるのが痛い。

 ちょっと記憶が飛んでいるが、幽鬼をド派手に倒したらしい。写真を見せられたが森が大変なことになっていた。森林破壊。

「無茶ばっかりして!」

 いやたつなさん、やりたくてやったわけじゃない。

「ほんと、無理だと思ったらちゃんと助けを呼んで欲しいっす」

 リンさん居なかったし。

「もう、離さない」

 みちるはどうでもいいや。

「きを、つける。けいさつかんは?」


 一瞬の間、これで答えはわかってしまった。掬い上げようとしたものが零れ落ちる。最初のうちに嫌と言う程味わったが、いつになってもこれは慣れない。

「みんな、しゅつげきは?」

「私が行ってくる。ちゃんと寝てるんだよ?」

 離さないって言った次の瞬間出撃。いや、べつに何という訳じゃないが。

「きを、つけて」

「やっぱり行かない!」

「さっさと、いく!」

 この一瞬で救える命があるかもしれないからさっさと窓から追い出す。みちるが心配なのはもちろんあるが、出撃が決まっているなら送り出すしかない。


「えーと、それじゃ落ち着いたところで発表します」

 なにを?

「それじゃここからはあたしが引き継ぐっすね。えー、去石が逃げました」

「そうなるよね」

「えーと、前にお姉ちゃん型のデータを吾味さんが貰って来たっすよね? あのデータの中に去石のこれまでのデータも入ってたんすけどね、あいつ幽鬼だったっす」

「えーっと?」

 言葉が見つからない。

「わざと吾味さんにデータ渡して、研究を他の人に押し付けて消えたんすよ」

「??」

「一昨日あたしが作戦離れて吾味さん手伝ってたの、この件だったんすよ」

「エステルがお姉ちゃん型の時、月調査派遣組が人型だって言ってたのを吾味さんが調べてたんすけど、その名簿の中に去石が居たそうっす」

「つきから、かえってきてた?」

「そう、あいつだけ帰ってきて幽鬼の研究をしてたわけっす。あいつの魔法薬、あれを飲んで幽鬼になる人が出てるんすよ。少なくとも紫波での事件はあいつの研究の犠牲者っす。投与名簿に記載があったっす」

 めまいがする。

「あいつが何のためにそんなことしてたかは調査中っすけど、吾味さんに”妹のためならなんでもする”って言ってたらしいんすよね。ただ、去石に生きてる血縁者はいないっす。妹が誰の事を指してるかは不明のままっす」


 去石のせいで世界がこんなことに?


「エステル」

 優しい声に横を見れば、いつの間にかたつなの手を力いっぱい握っていた。魔法発動してなくてよかった。

「当面は調査チームが追うらしいっすけど、相手が相手っすから、見つかればあたしらにも出撃要請がくるっす。日本で一番人型倒してるっすからね!」

 リンがシャドウボクシングをしておどけて見せる。

「だからいつでも戦えるように準備が大事っす。そんな顔してないでちゃんとするっす!」

「大丈夫、みんなで何とかしてきたじゃない! ね!」

 頭が理解を放棄してズキズキ痛む。

はー、たつな温かい。

あいつもあいつらもどっちも黒幕。

この後お話では触れない予定ですがサイクロプスとバンシーも魔法薬の犠牲者です。

クスリ=リスクというわけでした。

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