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ステゴロ魔法少女の受難  作者: 南部忠相
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第71話 ながらスマホって酔うよね

 復活。何かどうでもいい話をしていたら落ち着いた。もちろんあの少女と赤ん坊、おじいさんのことを忘れられるわけじゃないが、結局できることしができないのだから考えたって仕方がない。


「それじゃ、行こっか?」

 今日はたつなと出撃。なんだか久しぶりの組み合わせだ。肩の傷もだいぶ落ち着いたようでサポートが必須ではなくなったのだそうだ。今まではみちるとリンのどちらかが補助することで威力が不安定なたつなをサポートしていた。

「りょうかい」


 今日向かうのは葛巻町、正式には岩手県岩手郡葛巻町葛巻第28地割小屋瀬。長い。葛巻町で有名なのはワイン、高原牧場。後は知らな……あ、カラマツ。高原カラマツが有名らしい。強度の高い木材として重宝しているらしい。詳しくは知らん。


 風切り音が弱まり少しづつ高度が下がるのを感じる。最近は高価なシュラフのおかげで比較的安全に移動できるようになった。さすがに寝ることはできないためタブレットで土産になりそうなものを物色する時間だ。でもちょっと酔うっプ。


「着いたよ」

 しっかり減速したのをたしかめて顔を出す。眼下に広がるのはまばらな民家と畑、その先に学校らしき建物が見える。シュラフの外側がうっすら凍っているのを見て、空飛ぶ魔法が欲しかったとしみじみ思う。

 いや、まだ諦めない。スロースターターという線を全力で信じてこれからも頑張って行こう。

「だいじょぶ?どうかした?」

「だいじょうぶ、もんだいない」

 ぼんやりしてたら心配された。とにかくさっさと終わらせて次の要請が来る前に生産者の家へ突撃したい。生産者の家は割と食料を溜め込んでいるから使うアテのない金を食料に変えるのだ。

「だいじょぶ?どうかした?」

「だいじょうぶ、もんだいない」

 邪なことを考えてたら心配された。たつなは心配性だ。


「ゆうきは?」

 一刻も早く幽鬼を始末しなければ豪勢な夕飯が遠のいてしまう。今日は肉が食いたい。早急に作戦を確認する。

「元小学校近くにナーガタイプがいるみたい。警察が小学校に追い込んでくれるから見つからないように走って行こうね」

 シュラフをしまいながら頷く。退路を確認がてら地上を行くのも大事なことだ。

 まぁ、逃げたら警察官が死んでしまうので逃げられないけれども。


「どこも変わらないねー」

 時間を気にしながら目的地に向かう。岩手県はだいたいどこ行ってもこんな風景。都会の人は珍しかろうが、平野が少なく川とか山ばっかり。葛巻町は高原牧場なんて言われれる牧場もあるくらい山だ。

 幽鬼が出現する前には山村留学を進めて既存学校の維持に試行錯誤していたらしい。もっとも幽鬼が現れてから学校自体が廃止状態。代わりに大都市圏から流入する人がいるそうで限界集落は減少傾向。


「もう着くよ?」

 不思議そうなたつなの声で我に返る。手入れされずヒビの入った外壁に、森に還り始めた校庭。目的の学校跡地らしい。工場とかに作り替えれば良い気もするが幽鬼騒ぎが終わったら復帰予定なのだそうだ。人が通わなくなっただけでここまで変わるのかと驚くほど校舎は痛んでいる。夜の校舎窓ガラス壊して回ったのだろうか?

「はいきょ…」

「そんなに経ってないはずなのにね」

 たつなが言った瞬間怒号と銃声が響き、追い込み作戦が失敗したことを知らせた。


というわけで今回は葛巻町にお邪魔してます。何の理由も無く小屋瀬にしました。

田舎って大体似通った風景ですよね。どこか見覚えのある山とか川とか謎のちっちゃいトラクターとか。あれ、ちょっとかわいいですよね。


現在行間を空ける練習中。

これ、見難くなっただけ……?

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