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ステゴロ魔法少女の受難  作者: 南部忠相
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第70話 ある日の休み

「落ち込んでてもしょうがないっすよ!さ、なんか食って落ち着くっす!」

 あれから三日、いまだにあの件を引き摺っているせいでみんなに心配をかけてしまっている。リンに手を引かれて居間兼食堂兼事務所に入る。最近なぜかウォーターサーバーが設置されてちょっとだけ生活水準があがった。

 テーブルでテレビを見ながら座っていたみちるがこっちを見て申し訳なさそうに言った。

「すまない、私も早く合流していれば」

「ちがう。あれは、しょうがない」

 落ち込んでいるのが顔に出ていたようだ。何度目かわからないやり取りで反省してしまう。みちるに落ち度など一つも無い。彼女があの大軍を一人で殲滅したから被害は最小で抑えられた。

 死者は二人。あの赤ん坊と少女だ。

「警察が捜査してるけど、おじいさんの証言と女の子の遺体の状況から調査はNBKに移管されるみたいだ」

 あの子がおじいさんの呼びかけに反応していたと私が勘違いしたせいでおじいさんは片腕を失った。残った腕で少女に縋り付く姿が目に焼き付いて離れない。

「おまたせ!」

 たつながおやつを持って入ってきた。今日もみんな揃っている。ここ三日程県央地域に幽鬼の出現が無い開店休業だ。魔法少女部隊が暇なのは最も喜ぶべきことなのだが、緊急出動に備えて缶詰状態。先日の件も相まって気が滅入ってくる。

 こんな日々だとたつなが作る食べ物が唯一の楽しみになっている。というか最初から食べ物しか楽しみが無かったような気もする。寝るか食べるか出撃しているかしかしてない。……兵器扱い?

 一緒に食べるのかと思ったらたつなはすぐにキッチンに戻り洗い物をしている。完全におかあさんだ。家事に裂く時間が増えて一緒に居てくれない。それはちょっと寂しい。……? これじゃあ完全に一人立ち出来ていない駄々っ子だ。いかん。

「絵でも描いてみるっすか?」

 リンがタブレットとタッチペンを持ってきた。エスパーか? まぁ、ゲームと違って出撃があってもすぐに中断できるし丁度良いのかもしれない。

「やる」

 タブレットを受け取って説明を受ける。というかリンの絵が上手い。こんなつるつるの面に線を描けって無茶じゃない? というか真っ直ぐ線が引けない。こりゃ難儀する。

 ふと視線に気付いてそっちを見る。みちるがにんまりしていて気持ち悪い。

「みちる、きもちわるい」

「いや、姉妹みたいだなーって。似てないけど」

 悪口が効いてない。

「あたしがお姉さんっすね」

「じゃ、私は長女ね」

「みちるはすえっこ」

「面倒見切れないっす」

「きらわれた」

「え、ひどくない?」

「なんの話?」

「たつなはおかあさん」

「なんで!?」

「それにしてもエステル絵へたっすね」

「流された!?」


他愛のない会話って救われる時ありますよねー

山も無いし落ちも無い。それに人生に何かを与える訳でも無いのに心が軽くなること。

無駄な時間と切り捨てること無かれ、友の、家族の、恋人の話はあなたを救うかもしれません。

でも井戸端会議みたいな話はきらいだなー

あの人がどうした、この人が気に食わない。誰かをやり玉に挙げる会話は……ねぇ?

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