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ステゴロ魔法少女の受難  作者: 南部忠相
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第67話 人型の情報!

「あらー☆ 吾味ちゃんどうしたの?」

 窓の無い、閉塞感のある無機質な部屋で女は馬鹿みたいな声色で来訪者を迎えた。

「去石さん、人型のデータをもらいに来た」

 憮然とした態度の吾味は去石ではなくその手先に視線を奪われていた。

「あぁ、これ? 仲良し姉妹のお姉さんね♪」

 手を止めること無く去石は人型を切り刻んでいく。まるでカエルでも解剖しているかのように感情は見られ無い。

「ロビーで待っている。人を寄越すなりしてデータをくれ」

 吾味は感情を殺しながらバラバラになっていく人型を見つめる。柿屋敷の話を聞いてから公式からゴシップまで月に向かった人達の情報を調べ上げた。調べれば調べるほどに姉妹の情報は実際の人物像と合致し柿屋敷の話を信じざるを得なくなった。

 そしてその過程で気になる情報を発見した。

「あの月に向かった研究者の中に去石という名があった。まさか親戚か?」

素性のはっきりしない人物。名簿にはあれども出身地から生年月日からなにもかも不明。こんな怪しい人物を人類の代表に紛れ込ますなど信じ難い。きっと送り出す前に削除して名簿に残っているだけだろうが、吾味はどうしても目の前にいる人物と同じ名字というのが気になった。

「あらー?」

 瞬間、振り向いた女の顔に吾味は恐怖を覚えた。張り付いた笑顔に得体の知れない感情。悪意にも興味にも、そして底知れぬ殺意にも似た黒いもの。幽鬼相手に百戦錬磨の吾味であったが、この女の前に死を覚悟した。

「そこに積んであるからー、好きなの持っていってね☆」

 去石が視線を人型に戻すと吾味は吹き出た汗を拭う。今まで戦った幽鬼のどれよりも明確な危険。そこでふと考えてしまった。

 魔法薬を完成させる前にどうしてこいつが不死の能力を得たのか?

「返さなくていいか?」

「良いわよーん☆ 私には必要ないもの♡」

 この女の気が変わる前にこの場を離れなければならない。そう思い吾味はせっせと資料をまとめる。

「このUSBに全部入ってるからー。そんなに焦らなくても良いのよ♡」

 全力で警戒していた吾味はあっさりと抱きつかれた。心臓が跳ねる。

「大丈夫☆ あなた達のことは大好きだからー・・・そんなに警戒されるとお姉さん傷ついちゃうなー」

 心臓を掴まれたような緊張感に吾味は言葉を発することができずにいた。構わず首筋に指を這わせて去石は吾味のうなじにキスをした。

「私ね、妹を助けるためにならなんでも犠牲にできるわ」

 縛られたように身動きが取れず、去石の吐息を頬に感じる。

「ふふふ、悪いようにはならないわ。ただ、邪魔をするならたとえ愛しいあなた達でも・・・」

 頬に口づけをされた吾味はUSBを握って走り出した。振り返らず、ただ全力で。去石の研究室からは高笑いが響く。すれ違う研究員達は“またか“といったような顔をしているが吾味にはそんなことを気にする余裕など皆無だった。

なんかちょっと重い空気になってしまった……

次回は未定です・・・


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