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ステゴロ魔法少女の受難  作者: 南部忠相
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第56話 縮む?

温泉、気持ちいい。思わず声が漏れる。

「ほら、来てよかったでしょ?」

 紆余曲折あったが湯に浸かってしまえばこっちのものだ、反射で大体見えなくなる。たつなに頭を洗ってもらうというトラブルもあったが、なんとか耐えた。みちるにタオルで隠すという文化を押し付けた甲斐がある。

「でも嘘ついて連れてきた理由ってなんすか?」

 爆弾発言。

「「リ、リンちゃん!!?」」

 たつなとみちるが声をそろえる。

「いや、キッチンお湯出てたし無理があるっす」

「・・・たつな、みちる?」

 眉間に皺を寄せて・・・いや、寄ってないかもしれないができるだけ真剣な顔で名前を呼んでみる。なぜ嘘までついて温泉へ?

「裸が見たかった」

 濡れたタオルは意外に威力があってみちるを撃沈した。次は絞ってから投げよう。顔が赤くなってしまっている。ちょっと反省。

「ち、違うの! その、あのね……」

「小さくなってるんだ」

 胸を見る。確かに小さい。

「そこじゃない、体が」

 体? リンと顔を見合わせる。

「いっちゃんが薬を飲まされて目が覚めた時、14歳くらいに見えてたんだ。でもね、今はもっとちっちゃくて……」

「エステルは恥ずかしがって見せてくれないから、一芝居うったんだ。たつなに頭を洗って貰ったのもその一環」

 二人が深刻な顔でこっちを見る。どんな顔をしたらいいかわからない。頭を洗うって言ってたのに腹をまさぐってたのはそのせいか?

「いつ、から?」

 唇を触りながらみちるが答える。

「違和感を感じたのは最初の人型にやられてから。たつなが気付いた」

 わお、だいぶ最初。

「最初の病院から出るとき抱き上げたら、すごく軽く感じたの。私が力がついたのかなって思ったんだけど……」

 というか、裸を見たいだけなら更衣室で目的は達していたのではないか? という言葉はこの空気ではさすがに言えなかった。正直に言ってくれれば協力したのに。なぜここまで秘密に?

「その後も大怪我して、去石が薬を投与して。目が覚めるたびにちょっとだけ小さくなっている気がした」

「だからみちると二人で、もう怪我なんてさせないって……」

 あぁ、だから巣子の人型との戦闘後にあんなに落ち込んでたのか。

 それにしてもリンの指摘があったからしょうがないが、風呂でこんな話しなくてもいいじゃないか。食事処があったのだからそっちで何か。

 いかん、頭がふらつく。

「でも、これからはきっと私たちが守る。リンも協力してくれるだろう?」

 立ち上がったみちるが力強く握りこぶしをつくる。

「それはもちろんっすけど……」

「かくせ!」

 かくせ。・・・・


「二人ともしっかりしてそうなのに、お風呂で長話は良くないっすよ」

 申し訳なさそうなみちるとたつながのぼせて倒れたエステルを抱えて更衣室に戻って行く。

「ご、ごめんねー…」

「聞こえてないと思うっすよー」

「ふへ」

「みちるさん鼻血汚いっす。小っちゃい子を長湯させたらこうなるんすからダメっすよ」

「・・・面目ない」

 取り澄まして言うみちるだったが、鼻血のせいで台無しだ。

 三人は長椅子にエステルを寝かせると下着を着せ、濡らしたタオルを首の後ろやわきの下に挟んで体を冷やしてやる。

「で、あたし知らないんすけどエステルは、そのぅ、どうなんすか?」

 漠然とした質問に二人は返答に窮する。

「なんかこう、身の上話を聞いてもはぐらかされるしエステルの事あんまり知らないんすよねー」

「あぁ、合流した頃の話ならできるかな」

こうしてちょっとした昔話は本人が目を覚ますまで続いたのだった。

日本全国温泉地ってことで掘れば出るそうです。

1000mくらい掘れば。


自分は覚えていませんでしたが、私は小さい時によく穴を掘っていたらしいです。

不思議に思った近所の人が

「何してるの?」

と聞いたら

「おんせんほってる!」

と元気よく答えたらしいです。


愚かですね。

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