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修羅道 ~レベルを上げたいだけなのに~  作者: 雷然
第一章 運命は貴方を呼んでいる。
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第5話 レベリングその1 


 また森へ帰ってきてしまった。


 この世界に来てからも今までと同じだ。

 何もしてない。

 何ひとつ成し遂げていない。

 何かを成し遂げるには成長する必要があるのだ。

 レベル上げ、レベル上げだ。町のこと竜のことアヤカのことは一旦忘れてレベル上げを楽しもう。


 前回は蚊を殺すだけでレベルがあがった。恐らくRPG(ゲーム)と同じで序盤はあがりやすいはずだ。

 森の生き物を殺してサクサクあげていこう。どの道、食う為にも殺さなければならん。一石二鳥だ。


 また町に戻るときのことも考えて、川からはなるべく離れないようにした。

 最初に狙った獲物は魚だ。

 道具もないので素手で捕ろうと川に入るがまったくうまくいかない。魚に近づけば逃げられる。

 若くなり、なんでも出来ような気がしたが世の中そんなにうまくはいかないのである。

 考えた末、手ごろな木の枝を折り、投げ槍のように投げ込んでみたが川の流れに負けて、全く魚まで届きもしない。現状では魚は無理だと判断。


 森には色んな生き物がいた。虫。ウサギ。ネズミ。魚。鳥。狼。

狼と出くわしたときは焦ったが幸い見逃してくれた。おなかがすいていた訳じゃなかったのだろうか? このぶんだと猪もいるかもしれない、熊やモンスターがいたら死ぬだろう。

 ちょっと甘く考えすぎていたかもしれない。

虫は殺せたので虫を殺していくことにした、蚊よりも草花についている虫はたやすく殺せた。

 いざという時は虫を食べねばいけないのか……。


 魚、もしくは肉がいいな、そういや果物とか自生していないのだろうか。

 ひとまずそこらへんの葉っぱを食べることにした、いきなり口に入れるのは毒の可能性を考慮してやめておいた、葉をちぎって断面を皮膚にこすりつける、パッチテストと呼ばれるやつで、これで皮膚がかぶれなければ大丈夫らしい。

 正しいやり方なんぞ覚えていないが、体感で1時間たっても皮膚に異常はない。

 葉を口にいれてみた。


 「まずいな」


 吐き捨てた。空腹はまだ我慢できるしな。

 1時間の間に虫だけしか殺していないがレベルはちゃんと上がってくれた。

 あの経験値がたまっていく感覚は1から2の間より少なかった、恐らく必要経験値がレベルがあげることに上昇していくのだろう、虫だけでレベルを上げるのは現実的ではなかった。


 レベル3になって覚えたスキルは[言語理解]だった。これで最悪、町に逃げ帰ってもコミュニケーションは取れる。……と思う。


 しかし今の俺の目標はもっと遠くにあるのだ、レベルがあがって少し浮かれているのかもしれない。

 あと解ったことが一つある。レベルアップではスキルを()、ステータスが上昇し、体力が回復する、現に今の俺に疲労はない。

 そして空腹は改善しないということだ。

 故に葉を口にいれてみたのだが前記のとおりだ。



 俺は竜に石を投げた時のことを思い出していた。

 俺の能力は人間を平均を上回っているはずだ。すくなくとも前世、といっていいのだろうか? 地球で若かった時よりも肉体の性能が高いと感じていた。

 ただし上昇したステータスに感覚がまだ合っていないので、身体の操縦が上手くいかず、何をどのくらいできるのかが解らないだけだ。

 石を投げるという行為はそれを確かめるのに調度いいのかもしれない。

 さらによくよく考えると、投石は獲物をとるのにいい武器になるはずだ、何故いままで気づかなかったのか。


 川で石を拾う、全力で水中に向かって投げた石はたやすく川の流れを穿(うが)ち魚を絶命させた。

 あーしかしどうやって食うか、このままかぶりつくのは抵抗あるし刺身にする技術と知識がない、焼くにしても火をつける術がない。

 ……まぁいい。もう言葉は通じるはずなので、ある程度レベルをあげたら今日は町に帰ろう。衛兵にもう一度捕まれば何か食べさせてくれるはずだ。

 それからも川に石を投げ込むがなかなか命中しない、一度目のは、まぐれ当たりだったのだろう。


 それから森の生き物を見かけるたびに石を投げつけていった、鳥は難しく狼には出くわさなかった。結論としてはウサギが一番狙いやすかった。


 そしてウサギは虫に比べたら断然効率がよかった。

 3匹しとめたところで次のレベル。つまりレベル4になった。

 体力が回復し、まだまだ狩りができそうな気がする。

 だがしかし油断をしてはいけない、暗くなる前に町に戻ろう。


 俺は、仕留(しと)めたウサギを3匹を持って、森をあとにした。

レベル2→4

レベル4でもスキルを取得しています。

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