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燈される夜(c)

狐塚は誠たちのすがたを確認して、額に手を当てた。


「……おまえら、ばれないとでも思ったか? おとなをなめるなよ」


それからぴよ吉に視線を移すと、特におどろいた様子もなく、ただ舌打ちをした。


「この鳥を保健室に連れて行け。俺も警備員と話をつけたら行くから」

「……わかりました」


誠がうなずくのを見てから、今度は誠のとなりに浮かんでいた飛鳥に、狐塚が"話しかけた"。


「越智。おまえも、逃げるんじゃあねえぞ?」

「はいっ! ……へっ!?」


いきおいで返事をしてしまったものの、

狐塚に自分のすがたが見えていることに気づき、飛鳥はごくりとつばを飲みこんだ。



+++++



誠達が保健室の前で待っていると、そのあとまもなく、狐塚もやってきた。

狐塚がカギを開け、部屋の電気のスイッチを入れてなかに入っていく。


消毒液を手に取った狐塚に、飛鳥はこわごわとたずねた。


「せ、先生……、私のこと、ずっと見えていたんですか?」

「最初からバッチリな。バカかおまえは、おとなしく成仏してろよめんどうくせえ……」


狐塚はぴよ吉の傷口を水で洗い流したあと、消毒液をたらした。

そのあとガーゼやら包帯やらを巻こうとしていたようだったが、しばらく健闘したあとに、とうとう切れた。


「あぁーッ!! くそっ、なんで俺の腕に巻きつくんだよッ!?」


ぐしゃぐしゃと丸めてポイ、とうしろへ放り投げられた包帯を、青空があわてて受け止めた。


「つ、続きは私がやりますから……!」

「……っていうかおまえら、もういいから家に帰れ!」


どなる狐塚に、


「狐塚先生はマリアって幽霊のこと、知っていますか?」


誠がたずねた。

狐塚がぎょっとして、誠を見た。


「ああ!? そんなやつ、俺は知らねえ……」


そこで誠がゆっくりと狐塚を指さした。厳密には、……狐塚の背後を。

狐塚がいやな顔をしながらも、そろりとふり返る。


「……どうしてうそをついているのかな? みのりちゃん」


そこにはマリア本人が浮かんでいた。笑顔で。

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