秋の味覚。
掲載日:2017/09/13
長月の昼頃。私は彼女と二人で食材を用意した。
松茸とアワビ、クルミに白桃、メロンまである。食材たちはどれも新鮮で美味しそうに光り輝いている。
彼女はいたずらっぽい顔をしながら手を伸ばしてクルミをいじる。二つのクルミは彼女の手の平の上でコロコロと転がされる。
私は固い松茸をつかんだ。彼女はそれを奪い取るように口にした。彼女の端ない舌先によって松茸の先端が唾液で濡れていく。彼女のつまみ食いはとまらない。私が気づいた時には松茸は彼女の口に頬張られて、歪な形へと変わっていた。
私も食材の味見がしたい。お腹の辺りにガマンの限界を感じ、彼女の口から松茸を取り出した。私はまず、彼女が用意した白桃に舌を重ね合わせた。桃はつるりとキレイでぷるぷるとした果肉をしており、美味しそうだ。舌先で味を確かめると完熟したような柔らかさと同時に素晴らしい果実味を感じた。
私は手を伸ばしてメロンにも触れた。こちらも熟しており豊かで柔らかい。
食べごろだと感じ、私は松茸とあわびをあわせた。かき混ぜる度に独特の匂いで溢れ、私の感覚を高ぶらせていく。松茸とあわびが完全に融合した。刹那、私の全身に稲妻が走った。彼女は満足してくれただろうか。
私はひたすらに彼女の腹をふくらませることだけを考えていた。




