ユイの独白 仕方ないと諦めて
母は仕事を辞めて、家に引きこもるようになりました。精神科の先生からは入院を勧められましたがそれも断って。毎日毎日、酒を浴びるように飲み続けていました。
そんな状況で私が高校に進学することは出来ませんでした。私は中卒で働きに出ることになったんです。
中学からの推薦で最初に就職したのは大きな工場でした。そこで毎日毎日倉庫内の仕事をしていました。仕事は面白くなかったけど特に問題はありませんでした。でも。上司から毎日受けるセクハラ・パワハラに耐えられず、逃げました。
再就職先なんて簡単に見つかると思っていました。でも、世間ってのは当時の私が考えていたよりもずっと厳しく、冷たかった。まず中卒の私を雇ってくれる場所はそんなに多くなくて。雇ってくれたとしてもセクハラ・パワハラのオンパレードだったり・・・。私が根性なしだっただけかもしれないけれど・・・。働いては辞め働いては辞めを繰り返しました。そうして私は、一番避けたかった世界に足を踏み入れざる負えなくなりました。水商売をしていた母親よりも自分がもっと最低に思えて・・・。実際、うつ状態の母親にそんなやましい職業辞めなさいと言われたこともありました・・。
私の中で何かが切れた気がしました。誰のせいでこうなったと思っているのと。でも一方で自分の弱さも自覚していました。私がちゃんとした人間にならなかったから、あなたを支えなかったから、こうなったんだと自覚していました。私は他の風俗嬢とは違う、自分が生きるため、そして母を養うためにここで働いている、決して溺れることは無い今だけのピンサロ嬢なんだと自分に暗示をかけていました。
そんな私の唯一の支えは圭の存在でした。圭は夢を叶えて進学校に進学していました。だんだん私とは違う世界を生きる人になっている気がしました。それでも圭の私に対する態度は変わりませんでした。圭は順調に人生を歩み国立大学に合格しました。
私はと言えば、そんな生活を続けて、今だけだと思っていたのにその頃にはピンサロ嬢になって約2年が過ぎていました。その頃には感情も無く「仕方ないと諦めて」いました。




