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待っている仕事

翌日、坂原が早朝出勤で仕事を片付けているところに凛久が飛び込んでくる。


「坂原さん!」

「わあ。朝から元気だねえ」

「新事実が分かりました!」

「新事実?」

「真柄ユイは・・・風俗嬢でした!」

「・・・へえ。風俗嬢?」

「はい。なんかピンクサロンっていう店に入って行って・・」

「ピンサロか・・・。」

「風俗嬢ってことはその・・・お腹の子どもは不特定多数の誰かの子かもしれないですよね」

「どうかな。ピンサロってそういうことやらないし」

「え。そうなんですか?」

「まあ。こっそりお持ち帰りでもしてたら話は別だけどね」

「でもこれで、久保先生の依頼は振り出しです。けど、比奈の彼氏の子じゃないかもしれない可能性が高くなったのでそれはそれで良いですね」

「りっちゃん。仕事に私情を持ち込むのはどうかな」

「はーい。すいませーん」

「ていうか。不特定多数だと相手を探すのは本人が口割らない限り相当難しいだろうね」

「はい。・・・わたし、そのお店に入っていろいろ聞いて来ます。・・・まあ、教えてくれるかは分かりませんけど」

「そう。じゃ、がんばって」

「てか坂原さん、こんな朝からそんな勢いで仕事片付けてなにするつもりですか?」


凛久が何気なくそう聞くと坂原はとてつもなく慌て始めた。


「え?!いや、何でもないよ?!」

「なんでそんなに慌てるんですか・・・?あ、分かった!坂原さん、捜査にかこつけて何か美味しい物でも食べに行こうとしてますね!ずるいですよ!」

「え?・・ああ、まあそうなんだよ。ま、りっちゃんはまた今度ね」


凛久は納得した様子で事務所を出ていった。坂原は大きく息をつく。

そしてメールをチェックし、あの風俗店からの連絡が来ていることを確認して、早く仕事を終わらせるべく急いで資料を引っ張り出した。



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