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最優さんの道  作者: ルーフェンガルド
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ダンジョン攻略:中編


 鬼を殺そうと力を入れすぎましたね。上を見ると階層をぶち抜いていますせっかくのダンジョンが台無しです。三十階層ほどはぶち抜きましたね。仕方ありません次のボスの階層までジャンプしましょう。


『あらあら〜どうしましょう〜。とんでもない方ですね〜』


 驚いている様には思えないおっとりとした口調で話します。緑の和服にあれは薙刀と呼ばれる武器ですね。


『ここまできたからには戦わないといけないのですが〜勝てる気がしませんね〜。ここはひとつ別の勝負をしませんか〜?』

「いいですよ何をするんです?」

『ズバリ宝探しです〜。この部屋のどこかにある宝を探して下さい〜。見つけられたらここを通します〜。制限時間は今から1時間です〜』

「どんな見た目をしていますか?それと他にルールは?」

『見た目は教えられません〜。私が必要としているものです〜。他のルールは宝だというものを見つけたら私のところへ持ってきて下さい〜。ただし一回だけです〜。』


 寝ぼけ眼で彼女が話します。


 宝ですか。この大きな穴が空いた部屋の中というなら場所は限られますね。ただ、一回だけというのは慎重になる必要があります。


 僕は部屋を見渡します。ここは道場の様な部屋です。部屋の三分の一は大穴が開いて使い物になりません。ここで寝泊りをしているのか布団が敷いてあります。


 宝ならば宝石の類でしょうか?彼女はそういったものを着けていません。なら薙刀や着物でしょうか?いえ彼女が生活しているであろうスペースで薙刀は立てかけてあるだけですし、着物が乱雑と置かれています。宝ならもっと丁寧に扱うでしょう。


 僕は彼女の生活スペースに重点を置きます。おや、まだ布団が暖かいです。先ほどまで寝ていたのでしょう。ここで僕はひとつのことに気がつきます。枕がないことです。枕は探せば乱雑に置かれた着物の下に埋もれていました。


「あなたの宝物はこれですね?」


 僕は着物の下から引っ張りだした枕を渡します。


『これですこれ〜。さっきの爆風でどこかにいってしまったんですよ〜。見つかってよかったです〜。ありがとうございます〜。じゃあ通っていいですよ〜。私はもう一度眠り直しますので〜。』


 彼女は枕を受け取ると布団に潜り頭を枕に乗せて眠ります。


 本当にここのモンスターは面白いです。次はどんなモンスターがいるのでしょうね。僕は階段を登ります。


 次の場所は庭園でしょうか。バラが咲き誇りいい香りがします。モンスターもバラの様です。棘がいたそうなイバラを巻きつけて締め殺そうとしてきます。僕はイバラを掴み引き千切ります。


 さて階段はどこでしょうね。バラ園なのはいいですが、迷路状になっていて迷いそうです。登って探しましょう。僕はバラの生垣を登ります。迷路を進ませようとするのかあたりのバラが僕を降ろそうとしますが僕はものともしません。毒もかけてきますね。この程度の毒なら効きません。


 上を進めばすぐに階段の場所がわかります。僕は軽くリズムを刻む様に歩きます。美しいバラを眺めながら中ボスのところまでたどり着きました。


 ドライアドの様ですがなぜか怒っている様です。


『折角作ったバラ迷路をあんな方法で突破してちゃんと迷路を進みなさいよ!』

「上から見た方が一望できてバラが綺麗でしたよ?」

『そういうことじゃない!』


 体からイバラを伸ばし鞭の様にしなります。バラのモンスターよりもイバラの太さも強度も段違いですね。ただ、千切れますが。


『そんな!わたしのばらが!』

「バラならば植わっておいて下さい。」


 僕は土魔法により肥沃な大地を生み出します。ドライアドを埋め、さらに誰もが美味しいという様な天然水を生み出しかけてあげます。そして仕上げに光魔法でこの部屋だけの太陽を生み出します。日光が降り注ぎドライアドのバラが輝きます。


『あぁ、なんて心地いいの。こんなのもう抜け出せなくなる。もうダメ。』


 ドライアドは頭から一輪のバラの大輪を咲かせ沈黙しました。一番素晴らしいバラですね。次の階層へ行きましょう。


 次の階層へ着いた途端周りを水が覆います。どうやらここは水中の様です。


 海藻をかき分け、珊瑚のアーチをくぐり魚の群れとともに上へ向かいます。なかなか綺麗な場所です。

 

 実際は海藻が窒息死をさせようと絡みつき、珊瑚から弾丸の様に飛び出す魚の群れを避けていただけですが。階段も登るというより泳ぐという感じですね。塔の中にこの様な水があるのも不思議なものですね。


 僕はひたすら僕を殺そうとしてくる魚たちをやり過ごし中ボスの間へとたどり着きます。初めはそれがモンスターだとは気づきませんでした。その体はとても大きく僕などはその体に比べれば小さいとても小さいものでしょう。


 クジラ型のモンスターは低い声をあげます。その声から生まれた水流だけで僕の体は壁に叩きつけられます。いいですね声で勝負といきましょう。


 僕も声に衝撃波を乗せて叫びます。水中だというのに当たりが揺れています。クジラと僕の衝撃波がぶつかります。一瞬の拮抗の後、僕の衝撃波がクジラを吹き飛ばします。それで怒ったのか青かったクジラが頭を赤くして僕に体当たりをしてきます。そうなったら終わりですね。僕は頭突きを食らわせました。クジラの目が白くなったと思うと力の抜けた様に上へ浮かんでいきます。


 僕は次の階層へ行きます。


 次は火山ですか。本当にダンジョンはなんでもありですね。デコボコした岩道のすぐ隣にはボコボコと熱そうなマグマが一面にあります。マグマからこちらを狙い飛び出してくるマグマリザードには手を焼かされそうです。まぁ僕はマグマの上を歩きますが。これぐらいの温度では火傷することもありません。


 どうやら真ん中にそびえる火山の頂上に中ボスがいる様です。この階層は十階層を一階層にまとめている様です。そのぶん火山がとても大きいですね。


 流れてくるマグマに飲まれながらも火山を登ります。途中レッドドラゴンがいましたが叩いただけで死んでしまいました。ドラゴンが強いというのは幻想ですね。


 ここはモンスターだけでなく火山の噴火による火山岩の対応にも追われて忙しいですね。上から降ってくる大きく熱せられた岩を砕きます。


 そうこうしているとやっと頂上に着きました。火口から鳥の様な何かが飛び出してきます。


『貴様は本当に人か?』

「人かどうかはわかりません。人型の何かですね。自分で自分が何者か知りませんので」


 火に包まれた鳥が僕に語りかけます。


『まぁいい私は貴様を殺すだけだ。マグマを歩く様なやつでも限度はあるだろう。言っておくが私は不死鳥だいくら殺しても生き返る。この上に行くには私を無力化するしかない』


「また不死ですか。監獄のところでもいましたね」

『彼奴に会ったのか。彼奴はガマル様の命に従わなかった不届き者だ彼奴とは一緒にしてほしくないな』


 不死鳥はそういうと炎の羽を飛ばしてきます。その一つ一つがマグマと同じ熱量を持っています。


 さて無力化ですか。同じ様にアイアンメイデンに閉じ込めたところで無駄でしょうね。試しに殺しましょう。


 僕は飛んでいる不死鳥のところまで跳び殴ります。不死鳥の体は弾け飛びましたが、火口からまた姿を現します。


『無駄だ不死鳥は何度でも蘇る』

「そこですか」


 不死鳥が不死たる要因がわかりました。火山ですね。火山のエネルギーがそのまま不死鳥の生命エネルギーとなっています。そうと分かればやることは一つです。僕は手を地面に触れます。


「この火山を凍らせましょう」

『そんなことができるはずがない』

「僕はできます」


 赤は青へと変わり僕の手を中心に氷が張って行きます。マグマによって溶かされても更にその上から氷を張ります。熱を奪います火山がその役目を終えるまで全てを凍らせます。

 真っ赤な景色は一変し白銀の世界へと変わりました。火山灰の代わりに雪が降り、急激な環境変化にモンスターは死に絶え、火山は氷山へと変わりました。


 僕は地面に落ちた不死鳥を見下ろします。かすかな火だけを灯し今にも死に絶えようとしています。


『まさか火山を凍らせるだけでなくこの階層全てを凍らせるとは。最早我は生きていられない。貴様の勝ちだ。いや勝負にすらなっていなかった。このダンジョンも攻略されるかもしれんな。』


 その言葉を最後に不死鳥の火は消えました。


 僕は上の階層へ行きます。


 今度は墓地の様です。いくつもの十字架が地面に突き刺さっています。そんな十字架の下からゾンビやスケルトンが這い出てきます。僕は片っ端から倒しますがきりがありません。倒しても倒しても這い出てきます。僕は倒すのは諦めて先へ進みます。どんどん僕を追いかけるモンスターの数は増えますが、追いつかれることはありません。死霊にバンダースナッチ、人魂などどんどん増えています。さながら百鬼夜行ですね。


 僕は大量のモンスターを連れて中ボスの間へと入ります。


『ええい!そんなに連れてくるな!』


 僕を追っていたモンスターの行進が止まります。


『我は死霊王リッチ。ようこそ我が館へ。だがこの数を相手に勝てるのかな?』


 リッチがもっともな疑問を投げかけます。


「問題ありませんここはもう湧かない様ですから」


 僕が指を鳴らすと後ろで止まっていたモンスターたちに強制的に浄化させる光が降り注ぎます。光が収まればひしめくほどいたモンスターは跡形もなく消えました。


『面白いものを見たほめてつかわす』


 リッチがその骸骨をひきつらせる様に笑います。


『貴様は己の恐怖に勝てるかな?』


 リッチが骸骨の奥から赤く目を光らせます。一体何をしているのでしょう?赤い光が忙しなく動いています。


『ありえん!貴様には恐怖がないのか!』

「一体何を?」

『我が目は相手の恐怖を探り増大させる。その恐怖は己が身を殺すほどになる。なるのだが貴様からは恐怖を感じない。どういうことだ?』

「生憎生まれてから恐怖というのを感じたことがありません。感じて見たいものですね。代わりに見せてください恐怖を。」


 僕に向けたあの視線が恐怖を探るものならばやり方は覚えました。僕の白い目が黒く塗りつぶされます。リッチの心の奥底を除くかの様に。


 リッチの恐怖を想起させます。生前のものからモンスターとなった後まで様々です。


『やめろ止めろヤメロォ!覗くな!我が恐怖を覗くな!怖い恐いコワイ貴様が怖い!』


 どうやらこれまでの恐怖よりも今が一番怖い様ですね今楽にしてあげましょう。僕は背から悪魔が出たかの様な錯覚さえ覚えさせる殺気を放ちます。


 恐怖でカタカタと骨を鳴らしていたリッチはバラバラになり死んでしまいました。これで二度目の死ですね。


 僕は物言わぬ屍となった骸を一瞥し階段を登ります。


 今度はドラゴンですか。これまでよりも圧倒的に広い大地に色とりどりのドラゴンが飛んでいます。真ん中にボスの階層へ通じる螺旋階段がありますが周囲のドラゴンから狙い撃ちにされる様です。楽しそうです。


 僕は階段を登り始めます。ある程度の高さへ来ると周囲のドラゴンがこちらへブレスを吐いてきます。僕はブレスをなぎ払い上へ行きます。


 いつか見たレッドドラゴンの群れが羽で切り裂く様に僕へ突進してきます。その全てをはたき落とします。威力に気をつけないと階段が壊れますね。今のドラゴンの攻撃で階段がボロボロです。さすがに階段が壊れてしまえば上へ登る手段が失われます。


 今度は蛇の様なドラゴンが雷を撃ってきます。僕は雷を殴り返します。全て返せば壊れることもありません。ドラゴンは集まり攻撃は激しさを増します。さながら竜の巣ですね。火のブレス、水のブレス、風のブレス、土のブレス、雷のブレス、氷のブレス、光のブレス、闇のブレス、破壊のブレス、その全てを殴ります。全くどれだけ撃って来るのですかいい加減先に進みたいのですが。


 その思いが力の加減を間違えさせました。僕の拳から放たれた荒れ狂う暴風は数多のドラゴンを塵に変え、螺旋階段を柱ごと壊してしまいます。破片とともに崩れる螺旋階段だったものとともに僕は落下します。


 やっちゃいましたねどうしましょうか。殴った方と反対側にはドラゴンがまだたくさんいますね。決めました。


 僕は破片の一つを蹴りドラゴンの方へ向かいます。ドラゴンの背を蹴り次のドラゴンへ移ります。その繰り返しで上へ上へ向かいます。飛び交うドラゴンの背を蹴りさらに上へ行きます。


 見えました。空の大きな天井に一つ光の差し込む穴があります。あそこに螺旋階段があったのでしょう。僕は一際大きなドラゴンを蹴り最終階層へ躍り出ました。


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