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最優さんの道  作者: ルーフェンガルド
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アカシックレコード



僕はシロ今この世界の記憶を見ています。この世界の役割、これまで神達がこなして来たこと、ここと繋がる世界、全てを見て遡ります。


そんな中ふと目にとまるものがありました。僕です。僕と同じ白い服、白い髪、全く同じ顔です。


あれは創造神でしょうか。今よりもずっと小さい、浮遊島が一つ二つしかない神界で僕と創造神が話しているようです。内容まではわかりませんが確かに僕はここにきたことがあるみたいです。気がかりなのは僕も創造神もそのことを覚えていないということですね。


しばらくすると記憶の中の僕は白い光を放ちました。すると今のような数々の浮遊島のある神界に変わりました。どうやら僕が今の神界を作ったようです。


それにしてもあの力、どうして忘れていたんでしょうか。魔力や神力とも違い制約も制限もないあの力を。もともと僕はあの力しか使っていないのでした。これまで使っていた力の源流、源力とも言える力を。


僕が何者かはしれませんでしたが、少なくともここにきたことがあるということと、原力を使えると言うことを得ました。


ともあれこの時から後にも先にも僕がこの世界にいたことはないようです。もうここに居る必要もないですね。僕は意識をアカシックレコードから切り離します。切り離す時、記憶の中の僕が僕を見ていたのは気のせいでしょう。


◇◆◇◆◇


僕が自分の体に意識を戻すと、周りの様子が一変していました。割れた浮遊島、浮かぶ砂礫、抉れた地面、ひび割れた虹、激しく争った跡が見えます。近くにいた創造神も天使たちは見る影もなく僕だけが残っています。いえ、僕だけと言うと語弊がありますね。僕と天使の死体だけがあり、僕だけが生き残っています。


「これは一体どうしたのでしょうか?」


困りましたね。争いがあったのは確実でしょうが、創造神には僕のことを本当に知らないか聞く必要があります。生きていればいいのですが。


僕はそれを確かめるべく、直近のこの浮遊島の記憶を見るために目を閉じました。これぐらいなら意識を切り離す必要もありませんし、原力を使えるようになった今、片手間でできます。


そうして僕に流れてきたのは、異世界からの侵略者とそれに対抗する神と天使たちの姿でした。神はもれなく連れ去られたようです。そしてもうこの次元からは飛び立った後のようです。海賊船のようないくつもの船に攫い次元に穴を開けて消えて行きました。


「成る程そういうことでしたか」


僕はゆっくりと目を開き、空を見つめます。その原因となる者たちの足どりを追うように、手から粒子を振りまきます。粒子が揺らめき、しばらくさまよった後、ある一点に集まりました。


「見つけました」


あとは簡単です。いつも世界を渡っているように、自らを界賊と名乗る侵略者の後を追います。僕の周りに白い光が降り注ぐと後には誰にも残りませんでした。


◇◆◇◆◇


神力を封じられ、感覚もない儂が抵抗できるわけもなく、奴等界賊に捕らわれたのじゃ。大事な商品だからと乱暴はなかったのじゃが檻に無理やり入れられたのじゃ。檻と言っても儂を囲むように広がる障壁のようなもので、鉄の檻とは違いなめらかな感触じゃ。檻の外からの音は全て遮断され周りの様子は伺えないようになっておる。ただ、次元を超えて帰還すると言っておったから既にここは楽園とは別世界じゃろうな。


じゃけれど心外じゃな。この儂をこの程度で封じ込めると思われるとは。確かに今は神力も不安定じゃし感覚もない。じゃけれどそれはシロがおったからじゃと言うのに。儂は創造神、全ての神の頂点に君臨する者じゃぞ。


この状況は利用できるわい。奴等は儂が弱り切っておると思っておるようじゃからな。他の神も捕まっておるじゃろうから、奴等に気づかれないように儂自身の体を戻し対抗しようかの。まずは目を治し周りの様子を伺うべきじゃの。


儂は外に漏れないように神力を使う。手と足に付けられとる枷から神力を使うと抵抗を感じるが儂を抑えきれるものではないの。おそらくじゃが神力を探知する機能も持っているじゃろうから慎重に体を治していくのじゃ。儂の場合治すというよりも作り直すという方が正しいがの。ほっほっほ。


そうして一時間ほどかの、シロから受けた影響全てを治し、儂完全復活じゃ。


ここはやはり別世界じゃの。シロの力を感じられんわい。シロがおったら儂はまた失神してしまうからの。ほっほっほ。


さて改めて見ると儂は円柱の黄色い膜で覆われとるようじゃの。同じ膜が等間隔にいくつも並んでおるわい。他の神たちもおるようじゃ...おやあれは破壊神じゃの。あやつ気絶しとるわいこりゃ傑作じゃわい。相当離れとったが、あやつもシロの力にあてられたようじゃの。他の神もだいぶ抵抗したんじゃのう、ボロボロになって気絶しとるわい。


ここは儂たちを保管しておく倉庫のようじゃの。儂を連れてきた奴はもういないようじゃが、見張りが出入り口に二人、見回っておるものが十人、この部屋を見張る目もあるようじゃ。


神はここに集められておるようじゃが天使もおるのかどうかじゃの。儂の周りにいた天使は皆殺しにされたようじゃが、捕まっておるなら助けたいの。じゃがこの神力を封じる枷に対抗できるのは儂と破壊神しかおらんじゃろう。破壊神の位置も近いようじゃしやることは決まったの。


善は急げ、行動開始じゃ。



鉄の割れる音が聞こえ床に重い物を落とした音が聞こえる。次に聞こえたのはガラスが割れるような音、見張り達は瞬時に警戒態勢に入り音源へと迫る。見張り達が見たのは破れた膜と、その中に転がる枷だった。


「どうやって抜け出しやがった!探せ!」

「くそっ!どいつがこんな真似をした!」


見張りの一人が膜の隣に設置されているパネルを操作すると誰が入っていたかどうかの情報が表示される。


「あん?創造神だぁ?あのジジィか!」

「創造神つったら超貴重じゃねぇか!早く捕まえろ!逃したら俺たちの首が飛ぶぞ!」


見張りの一人が厳戒態勢を知らせる赤いボタンを押し全ての乗務員に知らせる。その後見張り達は蜘蛛の子を散らすようにあたりを走り回った。その時一人の男があることに気づく。


「おい!どうしてドアが開いてやがる!」

「もしかしてもうこっから出たのか!」

「ここの見張りは誰だ!」

「俺だ!」

「お前かよ!」


出入り口を見張る男の頭を叩くが状況は変わらない。見張りは全員倉庫を出て船内を探しに行った。


それを隠れて見ている人が一人。いや神が一柱。


「どうやらうまく行ったようじゃの。奴等はとんでもない技術を持っておるようじゃが頭は弱いようじゃな。おかげで助かったわい。ほっほっほ」


創造神は見張りが出て行ったのを確認すると破壊神の入った膜に近づき両手を広げる。すると驚くことに膜をすり抜け破壊神がその両手に収まった。


「ほれ、破壊神いつまで寝とるんじゃ。起きんかい」


創造神が破壊神の頬を何度も叩く。すると少し呻くような声が聞こえるがなかなか起きない。


「お主はもう治っとるじゃろうが起きんかい!」

「ぬわぁ!何しやがるクソジジィ!」

「お主もジジィじゃろうが」


こんな状況で何を言っているのかとばかりに首を振る創造神に対し破壊神は状況がつかめていないようだ。


「あん?ここはどこだ?」

「ここは敵の船の中じゃよ。それも海では無く次元を渡る船のな」

「どうなってやがる」

「ずっと寝ておった様じゃからのぅ説明してやるわい。儂達はなーー」


創造神はこれまでの経緯を破壊神に説明した。神力を封じる敵が自分たちの楽園へと侵略し天使達は殺され神が連れ去られたことを。


「クソッ。俺様がいながらそんなことになってたとはな。クソジジィもなんとかしやがれ。俺様がいなくてもクソジジィならどうにか出来ただろ」

「いやその時は儂も楽園じゃ役立たず状態じゃったんじゃよ。訳あってじゃな」


破壊神は楽園が壊滅的な状況にあると理解した。悪態をつくが、創造神を信頼しているのか疑問を投げかけた。だが創造神はそれを否定する。


「?俺様も寝てた訳だからな。何があったかわからねぇがその界賊とやらの攻撃を受けてたってわけか」

「いやそう言う訳じゃないんじゃがの」


創造神が訳を話そうと口を開こうとした時自分の側にその訳が来るのを感じ取った。


「ーーッ!それ来たようじゃ!破壊神、感覚を切るんじゃ!」

「あん?何だこの力」


対策済みの創造神とは違い破壊神は収束する力の本流を見るだけだ。そしてその場は光に包まれた。

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