神々と侵略者
遅れました。出来るだけ早く投稿しますが、またしばらく間が空いてしまうと思います。
創造神を治すと体が浮かび上がるように起き上がりました。その体は光り輝き正しく神々しいという表現が似合う様です。そして創造神の黒目のない目が開き全身から神力を立ちのぼらせています。そんな創造神が口を開きます。
「一体...一体お主は何者なのじゃ」
創造神の疑問に縛られたままの治癒神が答えます。
「それは異世界人です。驚くべきことに私を上回る神力を使えます」
「そうではない、儂が問いたいのはその事ではないのじゃ。異世界人がくることは分かっていた。けれど何がくるのか儂でも見通せなかったのじゃ」
「私は何も感じませんでしたが?」
「そうじゃろうとも儂以外に気付けるのは破壊神ぐらいしかおるまいて。その異世界人が我らの楽園に降り立った時その異常なほどの力を感じてしまったのじゃ。最高神であるが故に。大きすぎる故に気づけない。まるで世界そのもの、いやそれ以上の力を内包しておる。その大きすぎる力を受けて儂は気絶してしまったのじゃ。その時のショックで儂の感覚は壊れてしまったようじゃ。今は何も力を感じられん。いやむしろその方がいいのかもしれんな。今感覚が戻れば儂は死んでしまうかもしれん」
そう創造神は大仰に頷きます。そして僕は先ほどの質問に答えます。
「僕はシロと言います。僕自身自分が何者か知りません。だから僕は僕が生まれた意味を知りたいのです。創造神である貴方なら何か知っていませんか?」
「残念ながら儂にはわからぬ。儂がわからなければ他の誰にもわからぬじゃろう。だが、"世界"なら知っておるかもしれん」
「その世界とはなんですか?」
「言葉通り"世界"じゃ。この世界が生まれた時より記録され続けた世界の記憶。儂らはそれをアカシックレコードと呼んでおる。どの世界にも必ずありまた密接に繋がっておるのじゃ。アカシックレコードなら可能性があるやもしれん」
「そのアカシックレコードを見るにはどうすればいいですか?」
「簡単じゃよ。アカシックレコードを見たいと望めばいい。お主ならそれで繋がるはずじゃ。お主なら深層領域も見れるじゃろうて」
成る程それほど簡単なら見ない理由はありませんね。神を生み出すこの世界の記憶見させてもらいましょう。
「では見させてもらいます」
僕がアカシックレコードを見たいと望むと、意識が暗転します。精神が体から離れ世界へと溶け込みます。
自分を保たねば世界の一部へと飲み込まれそうな情報の渦に飲み込まれていきます。直近の記憶から過去の記憶へ遡っていきます。僕や神やそれに準ずるものでなければとっくに脳が焼き切れ意識がなくなっていたでしょう。莫大な処理性能を持つ機械をどれほど持ってこようとも捌き切れない情報を全て見ていきます。そして僕はさらに深く潜りました。
◇◆◇◆◇
「無事繋がったようじゃの」
さて何とか神力で立ってはおるのじゃが正直儂は今ポンコツじゃ。周りが全く見えん。下手に神力を使えば暴走しそうじゃ。感覚がないというのは不便じゃの。まぁよい、あのシロという者がこの世界を去るまでの辛抱じゃ。
「すみません創造神この縄を外してもらえませんか」
治癒神が儂に話しかけておるようじゃ。どうやらシロに拘束されていたようじゃの。
「すまんが今の儂には無理じゃ。破壊神にでも頼んでくれ」
「そうですか。私はあの方が苦手なのですが、仕方ないですね。そこの天使私を破壊神の元へ運べ」
「かしこまりました」
治癒神は天使と共に飛び立ったようじゃの。さてシロが目覚めるまでここで待つとしようかの。
◇◆◇◆◇
私は治癒神だ。これまで幾度となく人々を癒してきた。それは同じ神でさえも例外ではない。他にも治癒や治療を司る神は様々いるが私が一番上の上級審だ。いやだったか。創造神を治せるのは私しかいない。そう思っていた。だがシロと名乗る異世界人は私を上回る技量で創造神を治してみせた。何でもないようには振る舞ったが私の中は悔しさでいっぱいだ。神が人間に負けるなどあってはならないのだ。奴を見返すためにもまずは破壊神にこの縄を壊してもらおう。
「あともうすぐでつきますよ治癒神様」
「そうか」
破壊神はいつも離れた浮島にいる。赤くひび割れた浮島だ。
コン、コン
その浮島に一つしかない赤色の木造の家に降り立ちノックした。だが返事がない。
「破壊神様いらっしゃいませんか」
天使が何度もノックするが返事はない。
「いい開けろ。何か言われたら私の責任だ」
「かしこまりました。破壊神様開けますね」
ドアを開け私の目に映ったのはうつ伏せで倒れる破壊神の姿だった。
「誰にやられたんですか破壊神!」
最高神のニ柱が倒れるなんて今日はどうなっているんだ。幸いにも破壊神は創造神よりも軽度だ。これなら私が治癒すれば数時間で目覚める。
「そんな、あの、破壊神様が倒れるなんて」
「心配しなくてもいい。じきに目覚める」
天使も不安がっているな。まさか破壊神までもあのシロと言う者の力を感じて気絶したと言うのか?ここはシロが現れた場所よりもはるかに離れていると言うのに。
詳しいことは本人に聞けばいい。破壊神が目覚めるまで私はここで待つ事にした。したのだが突如予期せぬことが起きてしまった。
ドアが蹴破られ、私たちが何者かに囲まれてしまったのだ。
「お下がりください治癒神様」
シロといいこの者たちといい今日は厄日だ。私たちが分からない事ばかり起きる。一体楽園はどうなってしまったんだろうな。




