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18話

俺の目の前には信じられない、いや信じたくない光景が広がっている。

どういうことだ。俺とのことは遊びだったのか…!?


****************************


俺は決心した。彼女にプロポーズすることを。

大体どうして付き合えたところで満足していたんだ。俺の最終目標は行ける所まで行くことだったはず。ならば法的にも彼女を俺のものとして、生涯幸せにすることがそれじゃないのか。そうだ。今こそ男を見せる時!

目的が決まれば、あとは作戦を練るだけだ。まずは指輪だな。


またしても恥を忍んで妹に相談することにした。流石に付き合って1カ月の彼女にプロポーズすると言ったら驚いていたが、最終的には「お兄ちゃん情熱的~やばい!」という感想をもらった。

妹に教えてもらった結婚情報誌というものを書店で購入し、ちょうど載っていた「婚約指輪・結婚指輪」のページを読み耽る。その中から彼女に似合いそうなデザインをいくつか見つけたので、参考にさせてもらおう。彼女の驚いた顔が目に浮かぶ。


日曜日、朝から宝石店を巡りそろそろ足も疲れた頃、やっと彼女へ贈る指輪を決めた。なぜか同行していた弟と妹も納得の品物だ。さあこれで指輪は問題ない。次はプロポーズのシチュエーションだな。

付き合ってくれた弟妹に礼として夕飯でも奢ってやるかと考えながら駅へ向かっていると、なんと彼女がいた!


しかも男付き。



どういうことだ。誰だそいつは。

ファーストフード店の窓際の席に座った彼女たちは、親しげに話し込んでいる。外にいる俺には一切気が付かずに、男に無邪気な笑みを向けている。そんなに可愛い顔を俺以外の野郎に見せるな!怒りで今にも店に怒鳴り込みに行きそうな一方で、恐怖で体が動かない。

俺よりもそいつの方が好きだと言われたらどうする。別れ話を切り出されたらどうする。

確実に俺は死ぬ。呼吸はしても心は死ぬだろう。


石になったように動けず、しかし視線は彼女たちから逸らせないまま時間が過ぎる。

ただでさえダメージを負った俺に、更なる衝撃が襲いかかる。


彼女が、自分が食べていたポテトを一本、男の口元へ…!!!



「はい、あーん」なんて俺でもしてもらったことないんだぞ!!??

それをさも当然のように受け入れる男に心の底から嫉妬した。しかもお返しと言わんばかりにそいつのハンバーガーを一口もらっている彼女…!!


俺って何だったんだ。彼氏じゃないのか。遊びか。間男か。

できることなら血の涙を流したいくらいの光景に、もう俺はダウン寸前だった。それなのにまたしてもあの男は…


彼女の口の横についたケチャップを指で拭ってパックンと。


ふ ざ け る な

佑輔怒りの回でした。


次は久しぶりの弟視点で☆

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