一歩も出たくない
《星火燎原》のクランハウスの自室のベッドで、ごろごろと寝転がるアケーディアだった。
冒険者ギルドに赴くのは面倒くさい。
迷宮のある街や国に長旅をするのも煩わしい。
今日もごろごろしていたい。
快適なクランハウスで籠るのは最高だ。
三ヶ月後には国税を納めなくてはならない。
はぁー……
私以外のパーティメンバーは出払っていて、頼れる人材がいない。
パフェを食べたい。
エルナトの火力があれば、迷宮のお宝を売ってお金が入ってくる。
クランハウスにめぼしい人材はとー……
脳が機能しないよ〜甘い物を食べないと。
本日はあいにくの曇りで外に出る気が起きない。
迷宮に行くまでが面倒くさい。クランを纏めるナディアが休暇をとっていて、今欲しい人材が揃わない。
あーぁ惰眠を貪ろう。お尻を叩いてくれる人が居ないとこうなる。
誰か遊びに来てくれないかな〜。
◇◇◇◇
「アケーディアさん……今頃寝てるんだろうな〜」
ナディアはパフェをのんびり食べていた。
店は空いていて静かだった。
外は雨がぽつりぽつりと降り出していた。
慌てて店に入ってきたカップルが視界に入った彼女。
「雨が降ってきたかぁ」
平常心のまま、呟いた彼女だった。
◇◇◇◇
アケーディアがベッドで寝ている頃。
《星火燎原》のパーティメンバーであるアルデバランは国外の迷宮に潜って、お宝を目的で、向かってくる魔物を斬り倒していく。
「おりゃおりゃおりゃぁー!!」
宝箱を片っ端から開けていく彼だった。
◇◇◇◇
この日はアケーディアがクランハウスから一歩も出ることなく、寝るだけだった。




