表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 ダメスキル『百点カード』でチート生活・ポイカツ極めて無双する。  作者: 米糠


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/296

39

 

 翌日、冒険者ギルドの掲示板の前。俺たち5人は、南と北の二方向の狩場から締め出されたと知って、全員が一斉に顔をしかめた。


 どうやら、上位ギルドのパーティが長期の討伐依頼に入ってしまったらしい。一般のEランク以下の冒険者では立ち入りが制限される。


「ったく、もっと強けりゃなあ……」


 ぼやく明に、純子が腕を組んでため息をついた。


「仕方ないわよ。危険な魔物や変異種が出てるんだから」


 有紗が掲示板に近づき、依頼票を一枚一枚確かめながら呟く。


「東か西か……良い依頼はないかしら」


 そのとき、明の視線がピタリと俺の腰元に吸い寄せられた。


「――ん? おい卓郎、それ……」


 明がぐいっと俺に近づいて、腰のロングソードをまじまじと見つめる。


「ちょ、近い近い!」


「いやいやいや! 何その剣! なんかキラキラしてるし、やたら軽そうだし……お前、いつの間にそんなの持ってた!?」


 明がガン見しながら騒ぐもんだから、他のメンバーもぞろぞろと集まってきた。


「……ミスリル?」と純子が眉をひそめる。


「本物っぽいね」と有紗がさらりと呟く。


「ふっふっふ……気づいちゃったか。これこそ、昨夜の俺の大英断の結晶……! 中古良品ミスリル製ロングソード、70万ゴルド様だ!」


「安っ!?」

「それ、本物なの?」

「ウッソくさ!」


 全員の声が揃って跳ね上がった。さすがにギルド内の他の冒険者たちも一部が振り返る。


「ちょ、ちょっと待って、すぐ折れちゃったらどうするの!? 盾役ちゃんとできなくない」と沙耶が動揺している。


「大丈夫、大丈夫。ミスリルって、魔力を流せば斬れ味も強度もアップするすごいやつなんだよ」


「あんた魔力なんて持ってるの?」


「……試してみたけど、俺、魔力あるっぽい。試しにやってみたんだけど剣が光ってくるんだよね」


 そう言って剣を抜き、刀身を軽く振って見せる。ミスリルの刃が、光を受けてわずかに青白く輝く。


「マジかよ。すっげー! 俺にもやらせて?」


「いいよ。やってみれば?」


 俺は明に剣をわたす。明が魔力を流そうとしてみると僅かに光が増したようなきがする。


「卓郎ほど光らないけど、でも……」


 沙耶が首を傾げながら明を覗き込む。


「それに試してないけどヒールが使えるかもしれない。……もう俺、物理も魔法もいける系男子……!」


「なにそれ、うっそくさ!」と純子が即座に吐き捨てた。


 沙耶だけが楽しそうに笑いながら拍手してくれる。


「かっこいい~! その剣が光るたびに、卓郎くんも少しだけ輝いて見えるよっ!」(実際は輝いていない)


「少しだけってなんだ少しだけって!」


「でもまあ、これで戦力アップなのは確かよね」と有紗が真面目な顔で頷く。


「じゃあ、今までより少し難しい依頼でも探してみましょうか」


 有紗が掲示板の下の段に目を留めた。


「……あった。これ、どうかしら?」


 彼女が引き抜いた依頼票を全員の前に広げる。


『Dランク依頼:大橋村周辺に出没する狼型魔物の群れ討伐。推定個体数30匹以上。村の子供が負傷、至急の対応求む。報酬 50万ゴルド+討伐数ボーナス(素材の所有権)あり』


 Eランクパーティは、Dランクの依頼にチャレンジできる。3回連続でDランクチャレンジに成功すれば、Dランクに昇格できるのだ。ただチャレンジ失敗すれば違約金を取られる。


「おおっ、いいじゃん! チャレンジ、チャレンジ。やりごたえありそう!」と明が即食いつく。


「30匹って……結構多いわよ? しかも群れで動くなら連携もあるかも」と純子が眉をしかめる。


「でも、Dランクにしては報酬も良いし、今の人数と装備ならいけるかも」と有紗。


 沙耶が元気に拳を握る。


「卓郎くんの剣もあるし、なんとかなるなる! 狼型ってモフモフしてて可愛いしねっ!」


「いや、可愛いとかじゃなくて牙と爪がガチだからな!?」


「ま、危なくなったら私は真っ先に逃げるけどね!」と純子。


「逃げないで!? 盾役に全責任がのしかかるから!」


「じゃ、決まりね。準備して向かいましょう」と有紗が依頼票を持って受付嬢の礼子のカウンターへ。


 こうして、俺たちは西の大橋村へ向かうことになった。



 ギルドを出発して半日ほど。俺たちは緩やかな下り坂の街道を進み、やがて道は森沿いへと入っていった。


 空は晴れていて、木々の間から差し込む陽光が道端の草を照らしている。鳥のさえずりと、仲間たちの軽口が混じるこの雰囲気は、なんだか遠足みたいだ。


「村まであと一時間くらいかしら。早めに着けそうね」と、有紗が手持ちの地図を確認して言った。


「道も悪くないし、これなら昼過ぎには現地入りできるな」

 俺が応じると、明が前を歩きながらポツリと呟いた。


「でもよ……狼型魔物が30匹以上って、冷静に考えてヤバくないか? 範囲攻撃とかあったら楽なのにな……」


「爆薬付きの矢なら、『お取り寄せ』にあったわよね。卓郎お願いできる?」と純子が思い出すように言った。


「わかった。今やるよ。1本で1千ゴルドだね。爆風範囲、半径5メートルだって」


「どうする。一人1っ本ずつ3本買っておこうか?」


「いいんじゃない」


「わたしも良いと思うよ。必要ならまた卓郎に出してもらえばいいんでしょ?」


「うん。その時は、急いで出すよ。大丈夫だと思う」


「じゃあ俺が敵をその範囲に集めるからさ、一発ドカンと頼むぜ! すっげえの見せてくれよ!」


「集めるのは任せたわ。集まったところで三人で一斉攻撃よ」

 純子たちが楽しそうに微笑む。


「……ちょっと待って、それってまさか、俺たちごと爆破する気じゃないよね?」


「二人ならちゃんと逃げれるわよ! たぶん!」


「たぶんって何だよたぶんって! 確信持って言えよ。命かかってるんだから!」


「大丈夫だって、明も卓郎も運動神経いいし、避けられるって!」


「ふざけてんのか!? 避けられるかどうかじゃねーぜ! 避けれるタイミングで撃ってくれよ」


 後ろで沙耶が、くすくすと笑いながら口を挟む。


「でも三人で爆発させたら、なんか派手でカッコよさそう~♪ ……って、避けきれなかったらドカーンだけどねっ!」


「沙耶まで!?」


 明が顔を赤らめながら怒鳴るけど、どこか楽しそうだ。みんなが笑い合う中、俺はそっと腰のミスリルソードに手を添える。


(……とはいえ、油断は禁物だ。俺の剣も、ちゃんと使いこなせないと……)


 初のDランク依頼、しかも数の多い相手。仲間のテンションは高いけど、心のどこかで全員が緊張しているのがわかる。


 それでも、こうやって仲間と笑いながら進めるっていうのは、悪くない。


 俺たちは、西の大橋村へ向けて、軽快な足取りで進み続けた。



ここまで読んでいただきありがとうございます。


この小説を読んで、少しでも「続きが気になる」「面白い」と少しでも感じましたら、ブクマと↓の☆☆☆☆☆から評価頂けましたら幸いです 。


感想のお手紙で「面白い」などのコメントをいただけると最高です!(本人褒められて伸びるタイプ)


お手数だと思いますが、ご協力頂けたら本当にありがたい限りです <(_ _)>ペコ




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ