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奇妙な冒険者  連載版  作者: 大介丸
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第96話

食堂内には募集で応じた冒険者達が、思い思いの場所に座り食事をして

 お茶や水などを飲んで一息ついていた

 冒険者達の種族は、人間以外にも多種多様な種族が存在している

 エルフ、ドワーフ、ホビット、ノームといった有名種族から

 亜人種と呼ばれる者の姿もあった

 トカゲが二足歩行したようなリザードマン種族、悪魔と天使のハーフとされ

 一説には神々の戦の時代に生まれた半神たちの末裔と称される

 孤高の魔人種族

 古の竜の眷属たる竜人族、人間とエルフのハーフである

 ハーフエルフ種族など姿もある

 そんな種族出身の冒険者達は、道中意気投合したのか食事をしながらも

 冒険譚に花を咲かせている


 食堂の奥のテーブルを囲んで談笑している冒険者達もその一つだ

 いずれも若く見えるが、全員が30代前半で 1人は白髪混じりの

 髭を生やした老年の冒険者だ

「正直ここの環境は、北部の『冒険者ギルド支部』より施設は充実してるよなぁ。」

 そう話すのは貌に痣がある人間種族の冒険者だ

「南部辺境の街なんかの宿泊施設でも、これほど綺麗な部屋はない」

 それに同意した様にしみじみ呟くのは、リザードマン種族の冒険者だ

「リザードマンの旦那方は、確か南部からだったか?

 俺は東部から募集に応じたんだが、あっちは不景気だと聞いてる」

 白髪混じりの髭を生やした老年の冒険者が尋ねる

「南部諸国連合はどこも不景気だがその中でも一番酷かったのが、

 南部最大商業国家グラスター王国だよ」

 リザードマン冒険者は溜息交じりで答える

 商業国家グラスター王国は、元々大陸南部の南方一帯を支配する大国で、

 人口は1億人程度

 経済力だけなら大陸屈指とまで言われていた

 しかし近年は隣国エトムントとの貿易でかなり厳しく、財政破綻寸前に

 追い込まれていた

 そこで、ある噂が流れた


 グラスター王国には、地下資源が豊富に存在するというものだ

 その情報を耳にしたグラスター王国の商人達は、一斉に挙って

 採掘事業に乗り出した が結果は散々なもので、今まで溜め込んでいた

 利益など一瞬にして消え失せた

 当然、他の国からも見放されてしまい、今や衰退の一途を辿るばかりである

「南部応募組から少し聞いたが、『冒険者ギルド』からの

 大々的発表前に南部を拠点とする大手『クラン』が人員整理を

 始めたらしいじゃないか」

 少し太り気味で短剣を装備している猫獣人冒険者が、食後の

 お茶を飲みながら尋ねる

「小規模パーティーにはあまり影響は出ていなくはないが・・・・・・。

 南部大手「クラン」――『夢幻の疾風』 『自由の猛毒』

 『金纏う庭師』は規模が大きいので、どちらにも該当する

 また大規模パーティーの専属冒険者も対象だ」

 リザードマン種族の冒険者が、少し苦い表情を

 浮かべつつ話した


「今、この大陸中で先を争う様に各地域の迷宮都市へ冒険者が殺到しているそんな中で、

 大手「クラン」や『冒険者ギルド』専属冒険者の

 人数整理とはねぇ」

 ダークエルフ種族の小柄な冒険者が茶菓子を食しつつ口を開いた。

 見た目は少年に見えるが実際は成人した大人だ

「そんな状況に掲示板で張られた奇妙な募集項目に釣られ、辺境へと

 来たわけだけだが・・・ここの待遇は悪くないどころか

 他と比べて段違いだ。俺らは幸運だったというわけさ」

 リザードマン種族の冒険者が静かに言うと、幾人かが賛同するように

 首を縦に振った



「で、説明会は何時から始まるんだ?」

 黒パンを食べ終えたらしいドワーフ種族の冒険者が尋ねる

「午前中からだと、あのちびっこ先生が言ってたな

 さて、まだ起き出していないパーティーメンバーを叩き起こしてくる。

 説明会に遅刻でもしたら、今後ずっとそれで弄られ続けるからな」

 リザードマン種族の冒険者が立ち上がりながら告げる

「ああ、私も行く

 北方応募組メンバーも、何人かがまだふかふかのベッドから

 這い出て来ていないからな」

 ダークエルフ種族の冒険者が椅子から腰を上げながら答える

 食堂内には、冒険者達の喧騒が響き渡っていた

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