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奇妙な冒険者  連載版  作者: 大介丸
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第90話

 執務室 「ギルドマスター」エンゲルベルト 冒険者ギルド支部職員クロワ・サージェス

 ベイセルが300人の冒険者相手に説明を始めてる頃、ハインツ一行は

 アルヴィンの後に続き奥の階段を上り始め、2階にある「ギルドマスター」の

 部屋へと案内されていた

 二階の廊下を進み奥の部屋の前で立ち止まると、アルヴィンは三回ほど

 ノックをした

「失礼します

「サブ・ギルドマスター」アルヴィン、ただいま帰還しました」

 そう告げる

「入れ」

 扉の向こうから声が聞こえた部屋の中に入ると、そこには頭髪と

 日焼けをした肌で二重瞼の眼の騎馬騎士のような精悍な風貌の

「ギルドマスター」 エンゲルベルトが座って待っていた



 執務室は大きな窓がある明るい部屋で窓側には大きなデスクが置かれており、

 その後ろには立派な書棚があり様々な書籍が納められている

 また部屋の中央には、重厚な木目のテーブルに椅子が五脚あり、その横には

 ソファーが二つ置かれている

 ソファーには一人の女性が座っていた

 年齢にして二十歳後半に見える女性は、腰まで伸びたウェーブのかかった

 栗色の髪に青い瞳、服装は黒いタイトスカートに白シャツ

 その上に革鎧を装備している。

 それだけで、事務専門の女性ギルド職員ではない事が

 ハインツとカーリンには一目で分かった

 そして、女性のその貌つきからは知性を感じられ身に纏うオーラは

 ベテラン冒険者のそれだ

 エンゲルベルトがいた机と女性がいる机の上には書類の

 山が築き上げられていた



「無事戻ってきたな

 その書類の山はお前の分だぞ? それとクロワにも礼を言っておけよ」

「ギルドマスター」エンゲルベルトは、そう言うとニヤリと笑う

 その表情は、悪戯を成功させた子供のような無邪気な笑顔だ

 女性――クロワは、苦笑を少し浮かべつつ、視線を

 アルヴィンに向けた

「ちょっと聞いてもいいかしら」

 クロワがある書類を右手に持ちながら困惑した表情を

 浮かべ口を開く

「やあ、クロワ、留守の間の事務仕事ありがとう

 どうしたんだい?」

 アルヴィンはそう応えるが、内心では面倒くさい事を聞かれると

 感じていた


「貴方が発案した『夜間魔境生態観察』関連なのだけど、幾ら辺境で甘い物は

 貴重品だからと言っても贈呈する砂糖一袋の量が今回は多すぎないかしら?

 それと塩もかなり多めなんだけど?」

 アルヴィンの様子を見てクロワは、小さく笑いつつ言葉を続け持っていた

 書類の束をパラパラと捲り始めた

「恐らくそれぐらい出さないと夜間討伐・・・

 じゃなくて『夜間魔境生態観察』の定員は埋まらないからね

 ・・・それくらいは必要経費って事で」

 アルヴィンはさもありなんといった表情で答えた

 クロワが持っている紙には箇条書きで様々な事が書かれていて、

 その項目の一つにはこう書かれていた

「砂糖は一袋10kg入りで銀貨20枚。塩は一袋10kg入りで銀貨16枚・・・」

 クロワは、その書類に書かれている文字を眺めながら何か言いたそうな

 表情で呟く

「それでも結構ぎりぎり交渉で、安く購入出来たんだよ」

 アルヴィンは、些細な事だと言わんばかりに軽く応える

「いい加減『夜間魔境生態観察』じゃなくて、『夜間討伐』って言ったらどうなの?

 それともう1つ。

 想定では50人良くて100人の冒険者が集まれば良いと思っていたのだけど、

 300人も応募したってどういう事?」

 クロワはそう問い質すが、何処か呆れたような声だ


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