表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
奇妙な冒険者  連載版  作者: 大介丸
84/168

第84話

 仕方なくベイセルは、女性職員に視線を向ける

「アイラの姉ちゃん、久しぶり

 ゆっくりと話したいけど、あの300人の面倒を一緒に見ようか」

 ベイセルがアイラに声を掛けると、彼女は軽く会釈をす

「何ならちびっこ先生が、説明してくれても良いわよ」

 アイラがそう言いながら悪戯っぽい笑みを見せると、ベイセルは

 若干呆れた表情を浮かべた

「アルヴィンの兄ちゃんにも言ったけど、ギルド職員でも

 冒険者でもない子供に何をやらせる気だよ」

 ベイセルは、諦め気味な表情を見せながらもそう呟く

「――それでは冒険者の皆様方、お疲れだと思われますが

 簡単な施設のご説明をさせて頂きます」

 女性職員のアイラは、凛とした声で到着して各々に会話をしていた

 300人の冒険者達に話しかける

 アイラの口調は丁寧なものだが、やや事務的な感じだ

 それでも騒がしかった冒険者達は、その言葉を聞いて一瞬にして静まった

 アイラは自分で言って何なんだが、こうも静まり返った事に少し

 戸惑っているようだ



 その様子を見たベイセルは、軽く咳払いをして視線を300人の

 冒険者達に向ける

「具体的な事は、明日全部詳しく説明するとして、本日は

「冒険者ギルド」内の使用可能な施設をするよ

 冒険者のおっちゃんや兄ちゃん・・あ、姉ちゃんもいるか

 これから寝泊りしてもらうのは、専属宿泊施設だ」

 ベイセルが300人相手の冒険者に狼狽える事無く、堂々と

 説明をはじめた

「・・・それは馬小屋か?」

 痩せ細った冒険者が手をあげて質問した

 何人かの冒険者が小さく笑い声を上げる

「専属宿泊施設が馬小屋って・・・幾ら辺境でもな言って

 良い冗談と悪い冗談があるぞ」

 ベイセルが何処かむすっとした表情で応えた

「? ちびっこ先生は辺境以外の地域の事は詳しくは無いと思うが、

 大方金のない貧乏冒険者は、普通に馬小屋で寝泊まりしているぞ」

 これまた別の冒険者が発言した


「値段も高い宿屋に連泊なんかすれば、すぐに借金地獄だ。そうなれば

 大抵が奴隷落ちになるか、良くても冒険者を引退しないといけなくなる」

 そう発言した冒険者は、肩をすくめてみせる

 その言葉を聞いた他の冒険者も同意を示すように、大きくうなずいた

「そうそう、階級が上でも基本冒険者は、無料の馬小屋で寝泊りするのが

 当たり前だぜ?」

 別の冒険者がそう言うと、ベイセルが目を細めた

「馬小屋も満杯なら、野宿か軒下なんかで寒さをしのいで一晩を過ごすな」

 また別の冒険者が続けて言う

「・・・いやいや野宿はわかるが、軒下ってどんだけ劣悪な環境で

 生活しているんだよ」

 別の冒険者が呆れ貌で、そうツッコんだ

「言葉がでねぇ・・・

 いったい中央諸国などの冒険者達はどんな過酷な生活をしているんだ?

 まあ、その事は置いておいて・・・・

 ここでの専属宿泊施設は馬小屋でも軒下でもなく、普通の一般の

 個室が使えるから安心してくれ。

 料金は専属パーティーになったハインツの兄ちゃん達に感謝だぞ。

 なんせ無料だ」

 ベイセルの言葉に、冒険者達が信じられない表情を浮かべた

「・・・無料だと・・・?冗談じゃないのか?」

 先程の痩躯の冒険者が、眉間にしわを寄せて訊ねてくる

 それにベイセルは苦笑しながら答える


 どうやらベイセルの説明に、いまいち納得できないらしい

 それもそうだ、いくらパーティーを組んだとはいえ所詮は

 他人 そこまで優遇してくれるのだろうかと疑問に思うのは当然の事だ

 ベイセルは説明を続ける

「「冒険者ギルド支部」専属パーティーや専属冒険者の特権が大きいのは、

 冒険者のおっちゃんや兄ちゃん、そして姉ちゃんらは良くわかっているはずだ」

 その言葉を聞いて幾人かの冒険者達はニヤリと笑みを浮かべていた

 冒険者ギルドが用意した専用の施設には、基本的にパーティー単位で

 しか利用できない


 が、専属契約を結んでいる冒険者ならば、冒険者ギルドが用意してくれた

 部屋を個人で利用する事ができるのだ

 ちなみに専属パーティーというのは、冒険者ギルドが特定のパーティーを

 指定して作るパーティーの事だ

 主に、駆け出しの冒険者の世話役のような役割を持つ場合が多い

「その専属パーティーの特権で無料だと?」

 痩躯の冒険者が怪しげな視線を向ける

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ