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奇妙な冒険者  連載版  作者: 大介丸
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第77話

「・・・ここの大人は、その表情で騙されていても、残念ながら俺には通用しません

月一の「大冒険者ごっご」に選別されて参加するたびに、『冒険者にはなりたくねぇ』だの『都会っ子はそんなに冒険者職が良いの?』とか言いながら、

参加しているのは誰だったかな?」

ちびっ子先生の愛称の少年は、呆れた様に言い放った

2人の子供は露骨に視線を反らして、食事を続けた

「ちびっ子先生・・・あんまいじめたら駄目だぞ?

子供にとっては冒険者は格好良いものだ」

アルヴィンが、ちびっ子先生の愛称の少年を宥めるように言葉をかけた


「どの口が言うんだよ・・・

アルヴィンの兄ちゃんや「ギルドマスター」のおっちゃんが赴任してきてから

始めた「冒険者ギルドと地域住民合同訓練」で

『冒険者は格好良いもの』という幻想を打ち砕いた張本人が何を言っているんだか」

ちびっ子先生の愛称の少年は、とても微妙な表情を浮かべつつ

アルヴィンに言葉を返した

「ともかく首都には来てもらうよ

ちょっとした観光だと思えばいいからさ

ちびっこ先生だって、諸国で冒険稼業をしていた300人の冒険者から

生の情報を聞きたいだろ?」

アルヴィンは、ちびっ子先生の愛称の少年の発言を特に気にした様子もなく、

さらっと流した



どうやらアルヴィンは、ちびっ子先生の愛称の少年と親しい仲であるだけでなく、

彼の行動や言動についてもある程度把握しているようだった

「ったく、子供にさ、300人大人相手に話術なんて期待しないでくれよ・・・

本来ならアルヴィンの兄ちゃんや「ギルドマスター」、あと受付の姉ちゃんなどが

レクチャーすれば良い事なのに・・・あと首都との往復で4週間だぞ!」

ちびっ子先生の愛称の少年は、溜息交じりにそう答えた

アルヴィンは爽やかな笑顔を浮かべつつ、更に続ける

「そこら辺は心配していないよ

ちびっこ先生は、俺や「ギルドマスター」がここに初めて赴任した時に

こう言ったんだからな

『俺が、このロージアン領の暮らしや魔物などについて教えてやる!』ってな」

アルヴィンは、懐かしむような口調で、当時の記憶を語った

店内にいる幾人かの村人や食事している数人の子供が、アルヴィンの言葉に

反応し、耳を傾けていた

「あの時、確かちびっこ先生はそう言ってたなぁ

アルヴィンの兄ちゃんや「ギルドマスター」のおっちゃんは、結構ここの事を

舐めていた感じだったし」

食事をしていた子供の1人が、何かを思い出したかのようにそう呟いた

「いや、まあ、確かにな・・・

辺境ではあるけど、ロージアンは辺境でも辺境だからな

だからと言って侮っていた訳じゃないんだが・・・」

アルヴィンは、苦笑しながらそう言葉を続ける

どうやら彼は、過去の自分を振り返りながら現在の自分があるのだと思いながら

語っているようだ


「首都に行くにも準備しなきゃならないからなー・・・

少し出発する日は遅れるぞ」

ちびっ子先生の愛称の少年は、そう言葉を続けながら立ち上がった

「いや、何を言いだすかと思えば・・・

明日一緒に俺達と行くから大丈夫だよ」

アルヴィンは、まる で自分の家に帰るかのような気軽な口調で、同行する

旨を伝えた

ちびっ子先生の愛称の少年は一瞬固まったが、直ぐに立ち直ると

言葉を発した

「 嘘だろ?!

こっちは遠出の準備やらしてもいないし、何より明日は朝一での

農家の手伝いがあるんだけど!?」

ちびっ子先生の愛称の少年は、焦った表情で言葉を返した

「今からその遠出の準備とかすればいいんじゃないか?」

アルヴィンは、ちびっ子先生の愛称の少年に微笑みかけた

「ちびっこ先生、首都に行くならお土産をよろしくな」

食事をしている子供達幾人かが、声を揃えてそう言った

「首都に観光に行けるちびっ子先生羨ましいなー」

別の子供が明らかに棒読みの口調でそう言い放った

「お前達は、絶対俺をからかっているだろ・・・」

ちびっ子先生の愛称の少年はそう言って溜息をつくと、カウンターの上に

代金を置き、酒場から出て行った

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