第74話
ロージアンの情報は、まだ全ての情報を把握していないため詳しくなく、
実際に見たことがない魔物情報ばかりで興味が湧いた
それは、この店に入ってきた幾人かの募集組冒険者達も、ハインツと
同じようにテーブルに集まっては、あれこれと質問をしているようであった
ハインツが、その会話の中で、ふと気になった事が有った
ロージアンはその領土の広さに比べて人口がかなり少ないので、もし
開拓に成功して新たな生存圏を確保したとしても、人口爆発を起こす事は、
まず無いだろうという事だった
「西部一帯には中型の肉食種系の牙獣や野獣が棲んでいる。
たまに魔境の奥から、飛竜種系が西部一帯に狩りのため襲来するという
報告が入ってくるが、滅多に遭遇する事はないな」
別の村人が続けて言う
ハインツは何となく地域の大まかな地理や生態について把握出来てきた
「そうそう、あんたらアルヴィンさんから聞いているとは思うが、ロージアン
領内である「冒険者ギルドと地域住民合同訓練」の事は知ってるか?」
村人は思い出したかのように、ハインツ達に話しかけてきた
どうやら 、その話を聞いているかの確認のようだ
「ああ、聞いたよ。
詳しい内容の事は聞いてないが、ロージアン領内で活動する冒険者が
居ないから地域住民とギルドが魔境で間引きを兼ねた訓練をするという
話だったはずだ」
ハインツが答える
「まあ そんな感じだ
本来なら討伐依頼を冒険者ギルドに依頼を出してその依頼を受けた
冒険者を募るのだが、いかんせんロージアン領内で活動
している冒険者がほぼ居ない
かといって、定期的に間引きをせずに放置していれば魔境から溢れ出てくる
「スタンピード」を防ぐのは難しくなるだろ?
それでロージアン領主様と「ギルドマスター」のエンゲルベルトさんが
話し合って「冒険者ギルドと地域住民合同訓練」という形で
魔境の入り口から五km範囲の開拓予定地限定で住民と領兵の
強化を行うことが決まったんだ」
村人は、そう言って説明してくれた
「へぇ ・・・なるほど
それが月1で行われるっと」
ハインツは何とも言えない表情を浮かべつつ納得した
「「冒険者ギルドと地域住民合同訓練」には、ロージアン内の各集落から
5名ほど住民を選抜して参加する事になる。
期間は2週間程度だよ」
隣の席に座っていた村の少年が、追加の 木製ジョッキを持ってきて
手渡しつつ説明した
お礼を言うと、少年はニカッと笑って返してくれる
「「冒険者ギルドと地域住民合同訓練」には、今後の先の事を考えて
各集落から子供達も選抜して参加しているんだ
魔獣退治はまださせられないから、魔獣や魔物、怪物の習性などを
実地で教えているよ」
村人は、そう言いながら、木製のジョッキに入った麦酒を
グイッと一気に飲み干した




